1979年の発売以来、子どもたちだけでなく幅広い年代に愛されているお菓子「うまい棒」(販売元:リスカ、製造元:やおきん)。コンビニ流通のおかげで、いまや気軽に手に取りやすいスナックの代名詞的存在である。

 「うまい棒」といえば、パッケージのナゾのキャラクターが印象的だ。宇宙人という設定はあるが、その正体は不明。ファンのあいだでは「うまえもん」と呼ばれていたものの、これは正式名称ではなかった。明らかに「あの国民的キャラ」をイメージした呼び名で、そのビジュアルとともに、いろいろ大人の事情がささやかれていたのだ。ところが、2014年10月に開催されたイベント『第1回うまい棒祭り』にて、うまえもんというネーミングをメーカー側が使用、ついに公式認定されたと考えられる。

 このうまえもん、新たな展開を迎えている。2017年2月、妹の「うまみちゃん」が登場したのだ(うまみちゃんのオリジナルパッケージうまい棒の販売開始は3月25日から)。だが、兄とはまったく似ていない。「地球年齢17歳でウマイアミ州から帰ってきた帰国子女」という設定で、美少女キャラなのである。これにネットがザワついた。もともと2000年代ごろから、各ジャンルの著名人がうまい棒愛を語る場面が増えており、一つのカルチャーと化している。最近の一連の動きは、メーカー側がこれに乗っかる結論に至ったのだろう。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 観光とホテル、旅先までの飛行機や新幹線などがセットになった旅行会社のパッケージツアー。旅行の当日、参加者は決められた時間までに、空港や駅の待ち合わせ場所に集合する。ただ、多くの飛行機や列車が発着する空港や主要駅は、敷地も広く、通路も入り組んでいるため、慣れていないと集合場所をなかなか見つけられないこともある。また、道に迷って集合時間に遅れてツアーが出発してしまったということにもなりかねない。

 そんな不安を抱えている人は案外多いのか、このところ、空港や駅でのパック旅行の集合場所を事前に確認する下見ツアーが人気となっている。

 「集合場所確認ツアー」を提供しているのは、旅行会社の「クラブツーリズム」で、ひとり旅限定プランのプレ企画として2015年に始められた。羽田空港や成田空港、東京駅、関西国際空港などの集合場所を事前に確認してもらうことで、不安を解消し、安心してひとり旅に参加してもらうのがツアーの目的だ。参加者の年齢層は、20~80歳代までと幅広い。

 下見ツアーでは、たんに集合場所を確認するだけではなく、羽田空港の第1ターミナルと第2ターミナルを歩いて移動したり、空港につながるモノレールの駅の名称がそれぞれのターミナルと対応していることを確認したりする。旅なれた添乗員が空港や駅を利用するときに役立つ知恵を教えてくれるので、知っておけば個人で旅行するときにも応用できる。

 集合という旅のスタートで失敗すると、落ち込む人もいるし、せっかくの楽しい旅が台無しになることもある。何事も準備万端に整えておきたい人には、願ったり叶ったりの下見ツアーだ。

 ふだん自分が暮らしている場所を離れ、非日常を過ごすのが旅というものだ。自分が知らない場所では、迷ったり、道を聞いたりするのも醍醐味で、そうしたふれあいから旅の思い出が生まれたりする。下見をして準備しておけば、失敗はなくなるかもしれないが、思い出をつくるきっかけが減るのは寂しい気もする。

 集合場所確認ツアーが人気となる背景には、失敗が許されない社会と生真面目な日本人の気質があるのかもしれない。
   

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   



 格安スマホ、UQモバイルの「三姉妹CM」がウケている。これまで映画・ドラマでコメディエンヌとしての才能を見せてきた旬の女優、深田恭子・多部未華子(たべ・みかこ)・永野芽郁(ながの・めい)が出演。一つのポージングのまま動かない演出が視聴者の目をひく。着飾った役柄はさほど多くなかった三人だけに、おしゃれ感がいっそう際立っている。幅広い世代に耳慣れたピンク・レディーの『UFO』のメロディーにのせて、「UQ!」とキメる内容はキャッチーだ。

 このCMを手掛けているのは、業界ではヒットメーカーとして名高い篠原誠氏。じつはauの「三太郎」シリーズも担当している(桐谷健太の『海の声』の作詞も行なった)。雑誌『日経エンタテインメント!』2017年3月号によれば、「(家電量販店における地味な通信コーナーで)化粧品の広告を作るつもりで」三人をキャスティングしたという。さすが、「目立たせること」のプロフェッショナルといえよう。また、「三太郎」も「三姉妹」も、ストーリー仕立てで、新作が流れると見たくなる。そのうちにキャラクターそれぞれに安心感・安定感のようなものを感じるようになる。こうなれば広告としてはしめたものだろう。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 中国の立法機関。憲法上は「最高国家権力機関」との位置づけで、日本の国会に相当する。毎年3月の開催。2017年は3月5日に開幕した。構成するのは省、直轄市などの地方自治体、軍などから選出された代表(任期5年)で総数は約3000人。

 では何をするかというと、立法機関として憲法改正、法律制定・改正、予算の審議・承認などを行なうほか、国家主席、首相などを選出する権限がある。もっとも、中国共産党の追認機関でしかないのが実情だ。

 とはいえ、内外のメディアに注目されるのは、首相による政治活動報告が行なわれ、中国政府の施政方針や経済成長率の目標値が公表されるからだ。

 今年の全人代の政府活動報告では、2017年の成長率目標をGDP(国内総生産)比「6.5%前後」に設定すると発表した。

 2016年の「6.5~7%」から引き下げたことになる。従来の「高度成長路線」から「安定成長路線」への政策転換を改めて明確にした形だ。

 政府活動報告でとりわけ目を引いたのは、習近平総書記を中国共産党の「核心」と位置づけたことだ。これまで中国共産党政権で、最高指導者を「核心」と呼んだのは、毛沢東、鄧小平、江沢民の3氏だけ。このことは、習近平総書記への権力集中がさらに進んだことを意味する。

 このほか政府活動報告では、軍事力を強化し、「海洋強国」のさらなる推進を目標に掲げた。これまで軍事予算は予算案報告に明記していたが、2017年については、中国財政省がメディアの問い合わせに個別に口答で回答する形を取った。異例のことだが、前年比7.0%増の1兆443億9700万元(約17兆2000億円)と報じられた。経済成長率より軍事予算の伸びが上回ったことになる。

 全人代の次に関心が集まるのは、2017年秋に開かれる中国党大会。毎年開催の全人代と違ってこちらは5年に1度の開催だ。

 予想されるのは指導部メンバーの大幅な入れ替えだ。「核心」となった習近平総書記が人事でどんな差配を行なうのだろうか。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   



 2017年WBC「侍ジャパン公認サポートキャプテン」として、激闘続きの全6試合をベンチ横からライブリポートしている中居正広(44)の“仕事”が、マニア・にわかを問わず大絶賛されている。

 少しでもリラックスできるようワイヤレスヘッドフォン(4万円相当)を全選手に贈ったり、かつての盟友・キムタクのドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』が裏で放送されている時間は発言を控えたり……と、さまざまな“さり気ない気配り”も「美談」と呼ぶに相応しいが、なにより野球に詳しい、さらにはその知識を最大限に活かしつつ、あくまで“素人のスタンス”に徹した、プロ解説者にはない独自の視点が素晴らしい。

 一般的に、「中居リポート」が日本全国レベルで“公認”となったのは、2015年の『世界野球プレミア』の対ベネズエラ戦とされている。その試合中、中居はベネズエラが外野手を一人内野に入れて、解説の中畑清や佐々木主浩(かづひろ)も気づかなかった“内野5人シフト”を指摘。以降、このことが「神リポート」と評判となり、野球ファンから全面的に受け入れられるようになった……という。

 もちろん、今回のWBCでも、いぶし銀的な発言

 「(キューバに)点が入っているのは偶数回だけなんですよ」(3月14日キューバ戦)

 「こうした場面で連続してフォークを要求する胸中はどんなものですか?」(3月12日オランダ戦・9回に同点に追いつかれて、あわや逆転負けという大ピンチのなか、捕手の小林誠司に注目し、解説の古田敦也に投げた質問)

……ほかを連発し、お茶の間とチームの橋渡し役として大いなる貢献を果たしている。コメントを発する“出過ぎない”タイミング、試合の邪魔をしない低めの声にゆっくりとした口調、そして溢れんばかりの野球愛……芸能人によるスポーツ国際大会のサポート役として、ピカイチであるのは言うまでもない。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   



 円顔で鼻が低く、おでこと頬がふっくらとした愛嬌のある顔。いつ見てもほっこりする面立ちは、福を呼ぶ福相の典型といわれている。この独特の愛嬌のある顔はよほど日本人好みなのだろうか。関西では「お福」という呼び名で、店の入り口などに人形を飾る習慣がある。阿亀と似た面立ちは、狂言面の「乙御前(おとごぜ)」や、近世芸能の「ひょっとこ」と対の人気者「お多福」としても登場する。ところ変われば、ほかにもいろいろな名前があるそうで、あまりにあちこちで見かけるものだから、それぞれどんな由来があるのか、気になっていた人も多いはずだ。

 「阿亀」の発祥は、「千本釈迦堂」の通称で知られる大報恩寺(上京区)。「阿亀」とは、この寺の本堂を建てた大工、長井飛騨守高次(ながいひだのかみたかつぐ)の妻のことで、千本釈迦堂には逸話が残っている。あるとき高次は、大報恩寺の本堂建立という大仕事を任されるが、大切な柱を短く切ってしまう。そんな夫の窮状を見かねた阿亀は、柱を継ぐ枡組(ますぐみ)という技法を提案する。これが成功し、夫は窮地から救われるのだが、この美談はそのままでは終わらない。阿亀は安堵の一方で、棟梁ともあろうものが妻の助言で大仕事を成し遂げた、といわれては夫の恥だと憚り、上棟式を前に自害してしまうのだ。そして、上棟式の日。夫は亡き阿亀を偲んで「阿亀」のお面を扇御幣(おうぎごへい)に飾り、祈願感謝をしたという。この話が徐々に広がり、家を建てる棟上げのときに、阿亀の面とともに鏡や櫛など七品を飾って祈願するようになったそうだ。この風習は今も、建前の餅まきなどのお祝いとともに受け継がれている。

 千本釈迦堂の境内には、「おかめ塚」と大きくかわいらしい「おかめ像」がある。2月の節分会には、あでやかな西陣織の着物と赤い番傘で飾り立てたおかめ像が見られる。お参りすると、縁結びや夫婦円満、子授けの御利益が得られるといわれている。


千本釈迦堂の阿亀の像。


   

京都の暮らしことば / 池仁太   



 テレビ、単行本、週刊誌に健康情報があふれている。いわく『Matty式マッサージが自宅でできる! 脂肪とり! むくみとり! こりとり! 解毒棒』『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』『「毛細血管」は増やすが勝ち!』『「脳の呼吸」を整えればあなたの全身はよみがえる!』『1日1分であらゆる疲れがとれる 耳ひっぱり』『寝るだけで腰痛が消える! 仙骨枕つき背骨コンディショニング』(2017年3月15日付Amazonの健康法の売れ筋ランキングより)

 私が雑誌編集者時代にやったのは「サルノコシカケ」や「紅茶キノコ」が、がんにいいという記事だった。

 どちらも一時期ブームになり飛ぶように売れたが、あっという間に忘れ去られた。

 『週刊文春』(3/16号、以下『文春』)は、納豆が脳卒中リスクを30%減らし、乳がん、前立腺がん発症リスクも下げるという特集を組んでいる。

 納豆で思い出すのは、フジテレビ系の人気情報番組「発掘!あるある大事典II」で「納豆がダイエットに効果的だ」と紹介して、スーパーなどから納豆が消えてしまった騒動のことだ。

 だが、後にこれが「やらせ」であったことが判明して番組は打ち切りになった。

 たしかに納豆に含まれるナットウキナーゼは、血管を詰まらせる血栓を溶解する力があるといわれる。私もほぼ毎日食べてはいるが、がん細胞まで死滅させるといわれると「?」である。

 その同じ号で『文春』は、健康情報番組の老舗であるNHKの「ガッテン!」(「ためしてガッテン」を改名)を信じるなという特集を組んでいる。

 同番組が2月22日に放送した『最新報告! 血糖値を下げるデルタパワーの謎』で、「睡眠薬で糖尿病が治療できる」「睡眠薬の使用で糖尿病発症の予防にも」などと解説をしたのである。

 だが、3月1日の番組冒頭で、小野文恵アナが「行き過ぎた表現があった」と謝罪し、沈痛な面持ちで頭を下げた。

 私も寝るときに睡眠導入剤を使っているが、睡眠薬で糖尿病が予防できるなら、私は糖尿病になっていないはずだが、残念ながら立派な糖尿病患者である。

 こうした言い方は、覚せい剤で脳こうそくが予防できるというようなものではないか。天下のNHKがやることではない。

 だが、問題はこれだけではなかった。

 番組で大阪市立大学医学部附属病院の稲葉雅章医師が、「糖尿病の患者さんも割と気楽に(睡眠薬を)飲んでいただいてもいい」と推奨し、カメラがたびたび「ベルソムラ」という商品をアップにして映していたという。

 この薬はMSDという製薬メーカーの睡眠薬で、ここの公開情報を見ると、稲葉医師はMSDから原稿執筆を引き受け、講師謝礼をもらっているのだ。

 また、彼が教授をしている大学にも寄付金200万円が支払われていた。稲葉医師とMSDは利益相反(一方の利益になると同時に他方への不利益になる)の関係にあるといわれても仕方あるまい。

 さらにこうした特定の薬を推奨しているように見せることは、薬機法に抵触する可能性があると、弁護士で薬害オンブズパースン会議の水口真寿美事務局長が指摘する。

 「番組は、全体として特定の医薬品を推奨するものとなっており、広告に該当する可能性があります」

 NHK広報局は、出演した専門家は他の薬剤についても解説していたが、その内容を十分に伝えることができず、配慮に欠けていたと、『文春』に答えている。

 『文春』の調べによると、それ以外でも、3月1日に放送した『決定版! コラーゲン100%活用SP』ではコラーゲンの効果を特集したが、コラーゲンが床ずれ(褥瘡=じょくそう)により損傷した皮膚を回復するとしたのは、医学的に問題があると批判している。

 「コラーゲンによる治療法のエビデンスレベルは高くない。ガイドラインの『推奨度C1』は、最も低いレベルで、やっても良いが効果があるかは分からない。そんな治療法を薦めるべきではありません」(小林記念病院褥瘡ケアセンター・古田勝経センター長)

 紹介されたデータや実験方法にも疑問符がつく。番組のディレクターが自身の肌をヤスリで傷つけ、コラーゲンを摂取した場合としなかった場合とで傷の治り具合を比較し、コラーゲンを摂取したほうが治りやすかったと結論付けているが、1人のケースを取り上げて結論を出すのは意味がないと、専門家から批判されている。それは当然だろう。

 私もこの番組をたまに見ることがあるが、単なるバラエティ番組として見ていればいいが、この番組の重大な欠陥は、北里大学薬学部分子薬理学の川島紘一郎客員教授が指摘するところにあるはずだ。

 「明らかに科学的な手続きを欠いているにもかかわらず、さも科学的な結果であるかのように見せている。これでは視聴者が誤解することになる」

 長年この番組の司会をやり、知名度を上げた落語家の立川志の輔は、こういう批判にどう答えるのだろうか。

 いや~、この番組はですね、ちょっとした生活の中にある健康へのヒントをお伝えしているだけで、医学的にどうかなんていわれちゃうと困ってしまうと、逃げるのだろうか。

 昨年10月26日に放送された『大腸がんにならないぞSP』では、大腸がんの内視鏡検査に美肌効果がある、検査の前に強力な下剤を飲み、便や老廃物を排泄し、腸内を空っぽにすることで美肌やダイエット効果があるというのである。

 私も経験があるが、この検査は内視鏡でやるので、腸内を傷つけたりするリスクがあり、医者は数年に1回にしたほうがいいと言っている。

 また昨年10月12日放送の『まさか! ダイエットが引き起こす肝臓の悲劇』も、「番組では、体重が減っているときも含めた“ダイエット中”に脂肪肝になるという表現をしていますが、それは誤り。脂肪肝は体重が増える時になるんです。そのことを番組はちゃんと伝えていない」(大櫛陽一・東海大学名誉教授)と批判されている。

 怪しげな健康情報を同番組は垂れ流してきたと、『文春』は難じる。

 以前は、こうではなく、収録から放送まで時間をかけ、何重にもチェックする体制をとっていたという。それが今は全部抜けてきてしまっていると、この番組の立ち上げから18年間携わってきた元専任ディレクターの北折一氏が嘆いている。

 「安易なバラエティ化では番組の価値が下がる。さらに、明らかに行き過ぎな情報を、信頼感の高いNHKが流してしまうのは、罪が大きいことだと思います」(北折氏)

 本当に健康にいい情報が毎週毎週見つかるわけはない。それに他の民放もやっているわけだから、危なっかしい情報でも「まあいいか」とでっち上げ、放送しているのが実情だろう。そういうことを視聴者は知り、眉に唾をつけながらこの手の番組を見るべきだろう。

 私が信頼する医者に、あるサプリメントのことについて聞いたことがある。その医者は、もしどうしても飲みたいというのなら一番安いものにしなさい。どちらにせよ、効果のほどは期待できないのですから、と言っていた。

 私は今、サプリメントは100円ショップでと決めている。そのためかこのところ体の調子はすこぶるいい。

 昔、万病に効くといわれた丸薬「万金丹」というのがあった。子どものころ、鼻くそ丸めて万金丹、などという戯れ歌があった。どういう成分なのかわからないが、それを薬だと信じて飲めば、どんな病気も治ったという。

 今巷に溢れている健康情報の多くは万金丹のようなものばかり。そう思っておいたほうがいい。

元木昌彦が選ぶ週刊誌気になる記事ベスト3
 私の家には東芝製品が多い。テレビ、パソコン、ビデオなど、かなりある。画質がとりわけいいわけでもなく、スタイリングがいいわけでもなく、使いやすいからでもない。相性がよかったからだ。
 その東芝が倒産の危機に瀕している。最大の元凶はアメリカの原発メーカー「ウエスチングハウス(WH)」を買収したことからである。福島第一原発事故が引き金になり、原発部門は大赤字になった。だが、国が原発再稼働、原発の輸出を声高かに言っているから何とかなるだろうと、高をくくっていた。東芝の経営陣の無能はもちろんだし、安倍政権の責任もあると思うが、そこを衝くメディアはほとんどない。今この原稿を書いているのも中古で買った東芝製のパソコンである。2~3年でバッテリーがダメになるが、なんだか愛おしい。

第1位 「小池新党呆れるほどの圧勝!!」(『週刊ポスト』3/24・31号)/「『ベンゼン79倍』で小躍りの『小池都知事』に突き刺さったブーメラン」(『週刊新潮』3/16号)/「豊洲移転にも森友学園にも日本会議にも連なる小池百合子都知事の『父』怪人脈」(『週刊ポスト』3/24・31号)
第2位 「ともに自民党…妻子ある中川俊直が前川恵と重ねる『真夜中の密会』」(『フライデー』3/24号)
第3位 「三越伊勢丹社長大西洋氏『突然クビ』の全内幕」(『週刊現代』3/25・4/1号)

 第3位。新宿の伊勢丹は、私の家に近いこともあってよく行っている。といっても、高級品が多く、目の保養に行くだけだが。
 伊勢丹が三越と一緒になったときは驚いた。店のカラーが違うし、客層も相当違うのではなかったか。
 その大百貨店グループが、カリスマ社長の突然の辞任で揺れている。たしかに中国人の爆買いがなくなり、軒並みデパートの売り上げは落ちているようだ。
 さらにここは伊勢丹と三越の対立があり、この騒動は尾を引きそうだという。
 『現代』は3月1日に大西洋(ひろし)社長にインタビューしていた。それが事実上の「遺言」になってしまったという。
 そこでは、自分が「構造改革を進めている」と言うと、店を閉めるのかとすぐメディアは聞いてくる。「本来メディアというものは、もっと本質論に踏み込むべきだと思うのです」とメディアに対して苦言を呈していたというが、メディアを買いかぶってはいけない。
 17年3月期の営業利益予想は240億円と前年比で3割減だというから、トップ交代は致し方ないのであろうが、この交代は社員が知る前に日経新聞にすっぱ抜かれたそうである。
 では、今度の社長になるという杉江俊彦とはどんな人物なのか。頭が切れ嫌味もない人間だそうだが、

 「よくも悪くも非常に『優等生的』な人物。社内でも、『杉江さんが就任らしい』という話題が出ても、『どんなことをしてくれるんだろう』といったわくわくした感じはありません」(同社社員)

 どんな変わり方をするのか、来月でも伊勢丹に行ってみようか。

 第2位。お次は『フライデー』。自民党衆議院議員の中川俊直議員(46)が前川恵議員(41)と真夜中の密会を続けていると報じている。
 中川議員は3人の子持ち。目撃されたのは2月28日、夜7時過ぎ。渋谷区にある高級マンションから2人が姿を現し、近くのカフェレストランで食事。
 食後また、同じマンションへ帰って行った。2人の出会いは前川議員が初当選した14年12月。中川議員の父親は内閣官房長官や党幹事長を務めた中川秀直。中川議員は元テレビ東京政治部記者だそうである。
 先輩として何くれとなく相談に乗っているうちに男女の仲になったのか。
 週に3、4回会うこともザラだそうで、『フライデー』も何度か目撃している。
 『フライデー』が直撃すると、男のほうははっきりしないが、女のほうは堂々としている。
 「深夜にマンションで会うことが疑いを招くという意識は、まったくありませんでしたね」
 こういう神経の人間が国会議員だというのが、日本の政治の現実である。

 第1位。小池都知事と石原慎太郎のバトルが続いている。やや石原寄りと思われる『新潮』が、環境基準の79倍のベンゼンが検出されたと発表した豊洲の地下水モニタリング調査をした業者が、都議会の特別委員会で「都に指示され、適切ではない方法で採水を行った」と爆弾発言したと報じている。
 調査するためには、溜まっていた水には雨水なども混じっているので取り除く必要がある。これをパージというそうだが、それまでの調査ではパージの翌日以降に井戸に溜まった純粋な地下水を分析していた。
 だが今回、1か所の井戸ではパージした水をそのまま分析に回したというのである。
 これでは、「採水条件が異なる場合は、過去の調査結果との単純な比較は困難となります」(京大大学院の米田稔教授)
 こうしたことに丁寧に答えているのだろうか、小池知事は。
 『ポスト』は7月2日に行なわれる東京都議選を予測し、小池新党が呆れるほどの圧勝をするという特集を組んでいる。
 3人区で自民も民進も落選。8人区で自民がゼロになり、小池新党は最大62議席を獲得するというのだ。
 自民が最大で31、公明が22だから、一躍小池新党が断然の第一党に躍り出る。
 『ポスト』は、これを境に、国政選挙でも同じことが起こり、安倍一強時代は終わりを告げるというのである。
 だが、小池はいまだに自民党であり、それも石原慎太郎と同じウルトラタカ派である。
 今はその牙を隠してニコニコしているからわからないが、彼女の仮面の下の顔が暴かれれば、小池の快進撃はどこかで止まること間違いない。
 『ポスト』は持ち上げておいて、小池の父親がどういう人物で、どういう人脈があるのかをかなり詳しく追いかけている。
 小池が高校生のころ、自宅は兵庫県芦屋にあった。父親・小池勇二郎の書生として住み込んでいたのが、後に東京都副知事になる浜渦武生(はまうず・たけお)、その時代によく出入りしていたのが内閣官房副長官になる鴻池祥筆(こうのいけ・よしただ)であったという。
 父親は、『ポスト』によれば、

 「戦時中、スメラ塾という右翼結社に参加していた勇二郎氏は『第三世界』『民族独立運動』など超国家主義思想に傾斜し、戦後、神戸で貿易商を営んでエジプト、サウジ、クウェートなどアラブ諸国を何度も訪問して各国の大臣クラスに太い人脈を築き、石油の買い付けにも成功する。当時のアラブ世界では名が通った日本人だった」

 政治好きだった父親は、青年作家・石原慎太郎が68年、参議院選全国区に出馬すると、石原の「日本の新しい世代の会」の関西地区の選挙責任者となった。
 石原はこの選挙で301万票をとるのだ。その後父親も選挙に出るがあえなく落選。その後事業も傾き、芦屋の家を失う。
 父親は百合子をカイロ大学へ行かせ、自分もカイロに渡って日本料理店「なにわ」を開き、20年以上カイロに住み、帰国して13年に90歳で亡くなった。
 したがって慎太郎とは近しく、右派団体「日本会議」の石原は代表委員であり、小池も国会議員時代に日本会議国会議員懇談会の副会長をしている。
 父親のルーツを見るまでもなく、小池はガチガチのタカ派である。そうしたものを今は出さないが、国政となればそれも問われる。
 大体、石原とは同じ穴の狢(むじな)である。前に小池に都知事に出ろと勧めたのも石原であった。
 案外、この2人、裏で話し合っていたりするのかもしれない。メディアは、小池が嫌がることも聞かなくては取材ではない。すべてを明らかにしたうえで、まず都民が小池を判断しなくてはいけない。情報は多いほどいいのだから。
   

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   


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