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山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。


 人気男性俳優ら今をときめく男子たちを足して割ったようなイケてるメンズ(=イケメン)のこと。

 モデル兼俳優の花沢将人(28)がその代表格とされており、綾野剛(35)に菅田将暉(すだ・まさき)(24)、そのうえ成田凌(りょう)(23)に赤西仁(じん)(33)……ほか、名だたるイケメンがハイブリッドされていると評判……なんだそう。

 筆者のような50代のオジサン世代からすれば、「複数のイケメンに例えることができる顔立ち=特徴と印象の薄いハンサム」としか思えないのだけれど、近年若い世代のあいだでは、そういう「突出感の無さ」がイケメンという概念、ひいては社会適合における処世術の主流となりつつあるようだ。

 とは言え、「一人のイケメンだけに偏って似ている」のは、たとえば「郷ひろみに似ている=若人(わかと)あきら(現・我修院達也(がしゅういん・たつや))」といった残念(?)なケースに到りがちなのもまた事実であり(※綾野剛だけに似ている男性はパチンコ屋や競馬場でよく見かける)、「似ているのバイブリッド」こそが、イマドキのするっとした塩顔系イケメンの基本概念なのかもしれない。

 ちなみに一昔前の筆者は、合コンやキャバクラなどに行くたび「筧利夫(かけい・としお)に似てる〜」と、かならず言われていたものだが、正直なところ全然うれしくはなかった。「○○に似ている」は、細心の注意を払って相手に告知しないと“褒め言葉”にはならないのである。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   



 「influence(影響・感化の意)」を語源とする言葉で、近年では「インターネットのCGMにおいて、他の消費者の購買意志決定に影響を与えるキーパーソン」のことを指す。そして、「CGM(Consumer Generated Media)」とは「ユーザー発信型メディア」のことで、一般的なブログサービス、BBS(電子掲示板サービス)、SNSなどがこれに該当する(国内では料理レシピサイト『クックパッド』が代表的な成功事例)。

 インフルエンサーとしてもっとも有名な一人としては、YouTuberの『ヒカキン』あたりがまず挙げられるが、7月11日に京セラドーム大阪(オリックス×日ハム戦)で始球式に登場した、コスメやファッション情報を女子中高生に向けて発信する大阪在住のギャルインフルエンサー『歩乃華(ほのか)』や、GUやユニクロなど「プチプライスブランド」のファッションコーデを提案する『プチプラのあや』……ほか、“等身大的な庶民目線”を売りとする女性の台頭も最近は目立ちはじめている。

 どこでどれくらい、なんの数字を稼げば「インフルエンサー」の称号をいただけるのか、具体的な線引きはむずかしいが、先日「インフルエンサーになるのが夢!」と真剣に語る20代前半の自称タレント女子から話を聞いたところ、「インスタ(グラム)でフォロワーが1万人超えたらインフルエンサーじゃないのかなぁ……?」と“曖昧な認識”しか返ってこなかった。

 ちなみに、彼女のインスタフォロワーは890人、筆者のインスタフォロワーは173人(8月10日時点)──インフルエンサーへの道は、まだまだ果てしなく遠い……。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   



 高校野球の応援ソング。原曲は、1990年代にヤマハが『PSR-740』などのキーボード・ユーザーのために配布していた“練習曲”であるらしい。それを、2017年・夏の甲子園出場を2年ぶりに決めた野球名門校『智弁和歌山』の吹奏楽部が、押せ押せムードが出せるようアップテンポにアレンジし、2000年の夏から野球部の試合中に演奏したのが起源とされている。

 ちなみに智弁和歌山がこの曲を使用すれば、不思議とビッグイニングが生まれるため、高校野球界では「魔曲」とも呼ばれている。まるで都市伝説レベルの具体的な根拠には欠けた“逸話”ではあるものの、たしかに智弁和歌山のブラバンが演奏するジョックロックは、せわしないテンポに加え、前乗り気味なリズムアクセント、徐々に空気が張り詰めていく管楽器の被せ方……ほか諸々、守備側からすれば「よりいっそうのピンチ感」を募らせてしまう効果があるのかもしれない。

 実際、「大逆転」のイメージを壊さないため、智弁和歌山ではこのジョックロックを「8回以降、得点圏にランナーが出た時点」で、応援団と吹奏楽部が連絡を取り合い、ここぞとばかりに出し惜しみ(?)をして、演奏を始めるのだという。つまり、こういった緻密かつ狡猾な演出も含め、野球部だけじゃなく学校が一丸となって戦っているわけである。とてもいい話ではないか。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス