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 類は友を呼ぶ。安倍首相と親しい人間たちの質の悪さは稲田朋美防衛大臣を見ればわかろうというものである。

 国有地売却問題をめぐり安倍首相夫妻の関与疑惑が浮上している森友学園だが、稲田防衛大臣も籠池(かごいけ)前理事長とは懇意で、顧問弁護士をしていたにもかかわらず、国会で質問されると、最近は会っていない、顧問などしていないと言い張った。

 籠池本人から2年前にも会っていると言われ、顧問弁護士をしていた証拠書類が出てくると、いけしゃあしゃあと謝る姿は醜悪というしかない。

 森友学園がつくる小学校の名誉校長を安倍首相の妻・昭恵が務めていたことも含めて、疑惑が山盛りだが、そこに今度は安倍の「刎頚(ふんけい)之友」である学校グループ・学校法人加計(かけ)学園のトップ、加計孝太郎にまつわる大疑惑が噴出したのだ。

 『週刊現代』(3/25・4/1号、以下『現代』)によれば、問題のその建物は田んぼの中に民家とため池が点在するのどかな淡路島の南部にあるという。

 土地と建物を合わせた評価額は30億円近いという公有地だから、8億といわれる森友学園とはケタが違うのだが、それを加計学園は12年にタダで手に入れたそうだ。

 加計氏と安倍首相の交友は30年以上前から。「安倍総理は大学卒業後、アメリカへ留学した時に加計氏と知り合ったと聞いています。加計学園が運営する大学に千葉科学大学(銚子市)があるのですが、この開学記念式典(05年)、そして10周年記念式典(14年)に総理は出席し、『私と加計さんは、どんな時も心の奥でつながっている腹心の友』とまで話している」と、自民党ベテラン議員が証言している。

 この大学は日本で初めて危機管理学部を開設したことで有名だそうだが、それも北朝鮮の拉致問題に熱心だった安倍が、「これからは日本にも危機管理のプロが必要だ」と公言していたのと関係があるのではないかと言われているようである。

 このグループの中で最も歴史の古い大学、岡山理科大学の新校舎が完成した際には、安倍はビデオレターで祝辞を寄せた。

 また、妻の昭恵は、ここが運営する神戸市の保育施設「御影(みかげ)インターナショナルこども園」の名誉園長に就任しているのも、森友学園疑惑と似た構図である。

 冒頭の物件は『現代』によると、もともと兵庫県立志知(しち)高校があったが、生徒数減少のために廃校となった。

 その後、大阪府に本社があるパチンコ機器メーカーがこの「跡地を買って、工場か倉庫を建てたい」と手を挙げた。

 その社長は南あわじ市の出身で、故郷に利益を還元したいという思いもあったそうだ。市の担当者とは20回以上もやり取りをしていたそうだが、その交渉の最中に突然、地元紙の神戸新聞に「志知高校跡地に吉備国際大が候補に」という記事が11年10月に出たのだ。

 吉備国際大学というのは加計氏の姉が理事長を務め、グループの学校法人順正学園が経営する。主なキャンパスは岡山県高梁(たかはし)市にあるそうだ。

 『現代』によれば、当時の南あわじ市長と順正学園は水面下で交渉を始めていて、完全にトップダウンの決定だったという。第一、岡山県にある大学のキャンパスがなぜ兵庫県の淡路島にできるのか? 首を傾げざるを得ないが、不可解なのはそれだけではなかった。

 ある市政関係者が匿名を条件にこう明かす。

 「順正学園に土地をタダで使わせ、建物と設備を無償譲渡して、市が共同で校舎を整備する、という計画書が市長からいきなり出てきた。しかも費用20億円のうち、13億円強を市が負担することになっているうえ、学生が南あわじ市に住民票を移せば、1人あたり30万円まで補助金も出すと」

 しかも計画書に書かれている「教育・研究設備(図書含む)」費が5億円とあるのは、水増しではないかと訝る声もあったが、市議会で圧倒的に強い自民党と市長が押し切り、アッという間に通ってしまったそうだ。

 さらに不可思議なのは、南あわじ市は豊かな自治体ではないことだ。当時の市税収入は年間およそ60億円で、土地と建物をタダで提供するばかりか、税収の6分の1以上を順正学園に補助金として「献上」しようというのだから解せない。

 当時の市議会で反対意見を述べた蛭子(えびす)智彦市議がこう言う。

 「調べてみると、これまでに順正学園は、高梁市で約60億円、系列の九州保健福祉大学がある宮崎県延岡市でも約90億円の支援を受けています。(中略)なぜ200億円も資産を持っている学校法人に対して、カネのない南あわじ市が巨額の支援をしなくてはいけないのか」

 もっともだと思うが、工事内容の資料開示請求をしても出してこない。12年10月には物件の返還を求める監査請求が市民から兵庫県に出されたが、あっさり棄却されてしまった。

 1年半後にオープンしたが、1学年の定員60名に対して入学者は初年度56名、翌年50名、その次が49名、昨年は43名と減少するばかり

 さらに愛媛県今治市に開設予定の岡山理科大学獣医学部の用地も、約37億円相当の市有地がやはりタダ同然でこの学園に渡ることが、3月3日に今治市議会で決まり、波紋を呼んでいる。

 なぜ加計学園が獣医学部にこだわるのか。それは加計氏の息子が獣医学部を出ているからだと言われているそうである。

 文科省はこれまで頑なに獣医学部の新設申請を却下してきた。麻生太郎が議連の会長を務める日本獣医師会も、学校法人のビジネス拡大だと猛反対していたそうだが、安倍首相の「強い意向」で決まり、麻生もいつの間にか黙り込んでしまったという。

 さらに192億円の施設整備費を市・県と加計学園とで折半する取り決めになっているというのだ。

 だが、県議会の自民党が割れ始めていて、何で何十億も出さなければいけないのかという議員が増えているのだそうだ。

 当然であろう。自治体にも思惑があろうが、獣医学部をつくったところで学生が大挙してきてくれるわけではない。税収は増えるかもしれないが、それだけの費用を負担するとなれば赤字になるかもしれない

 いくら安倍様のお友達でも度が過ぎると思わないほうがおかしい。こうした声を裸の王様である安倍首相は聞く耳を持たないのだろう。

 最近は、国会答弁でも、バカヤロー解散をした吉田茂も唖然とするような高飛車な発言が目に付く。

 『週刊文春』(3/23号)のコラム「新聞不信」は、そうした目に余る態度を新聞は書いていないと叱っている。

 「各紙を読んでも、“一強”をバックにした傲岸不遜な実像は全く見えてこない。政治記者が臨場感溢れる記事を書いていないのだ。生中継を見られない現役世代にとって新聞は無用の長物でしかない媒体になっている」
 水戸黄門の印籠のように、お友達たちが「われは安倍のお友達であるぞ」とやりたい放題なのを、知っていて放任しているとすれば、安倍首相の責任は重大で、即刻腹を斬るか辞任すべきだと思う。

元木昌彦が選ぶ週刊誌気になる記事ベスト3
 私は林真理子という作家はあまり体質に合わないが、『文春』の連載「夜ふけのなわとび」はときどき目を通す。今週は小池百合子に叩かれまくっている石原慎太郎について書いていた。
 「『池に落ちた犬を叩く』という言葉があるが、今の石原さんを見ているとその言葉を思い出す。池に落ちた老犬という感じ。叩くんだったら、石原さんが現役でハツラツとしていた時にすべきだったのではないだろうか」
 その通りである。記憶にない、浜渦(はまうず)副知事に一任していたという責任逃れは見苦しいが、年の割には病のせいか老いさらばえ老残をさらしている石原には、哀れを感じる。本人が一番悔しく情けないだろう。もうほっといてやれ、そう思う。

第1位 「小池百合子激白 石原慎太郎のウソを告発する!」(『週刊文春』3/23号)
第2位 「中居正広の結婚観を変えた女 秘めた6年同棲」(『女性セブン』3/30・4/6号)
第3位 「従順な『レトリバー』が狂暴化する『5つの引き金』」(『週刊新潮』3/23号)

 第3位。わが家にはもうすぐ17歳になる老犬がいる。Moeというメス犬だ。体の衰えと認知症があるようだが、顔だけ見ているとなかなかの美形である。今流でいうと「美熟女」というところか。
 ヨタヨタしてはいるが食欲は旺盛で、私が食事をしていると、横に来て「何かくれ」と吠え続ける。目も鼻もバカになってきているから、手で何かあげようとすると、気を付けないと噛まれる。
 私も2度、カミさんも2度、娘は3度噛まれている。そのたびに医者へ行って注射を打ってもらうのだ。体重は8キロの中型犬だから、こちらが気を付けていればいいのだが、ゴールデンレトリバーのような大型犬に噛まれたら大変だろう。
 3月9日の夕刻、東京・八王子市で、生後10か月の女児が、祖父母が飼っていたゴールデンレトリバーに頭を噛まれて死亡するという事件が起きた。
 『新潮』によれば、その家では4匹のレトリバーを飼っていたという。この事件は愛犬家の間で衝撃が走ったそうだ。なぜなら、この犬は「飼いやすい犬」として知られ、性格は「従順で利口で優しく友好的」なことで知られているからだ。
 たしかにレトリバーは盲導犬や高齢者などと触れ合うセラピー犬として知られる。ではなぜ今回、こうした悲劇が起こったのか。

 「本来は感情をコントロールできる犬でも、突発的に攻撃衝動を得る状態というのがある。これは条件が揃えば、どんな犬でも程度の差こそあれ、起こる可能性があるのです」(野村動物病院の野村道之院長)

 赤ちゃんは二足歩行ではなく、四足でハイハイしたりし、時々奇声を上げたりするから、怖がったのではないかという見方があるようだ。
 そうさせないためには、事前に子どもの匂いのついたタオルなどの匂いをかがせる「準備」や、万が一のことを考えてケージの中に入れておくことが必要だという。
 いくらかわいい犬でも、野生に戻ったような瞬間がある。気をつけねば。

 第2位。さて、今週スクープといえるのは、『女性セブン』が中居正広(44)とAKB48グループの振り付けを担当している12歳下のダンサー・武田舞香(32)が6年「同棲愛」しているという報道だけだろう。
 中居に関しては「結婚しない男」と言われていたが、長年一緒に同棲する彼女がいるという噂は以前からあり、『セブン』が見事それを裏付けた。

 「彼女は振付師やダンサーとして活躍する武田舞香(32)。安室奈美恵(39)や加藤ミリヤ(28)のツアーのバックダンサーなどを務めた実力派ダンサーとして注目され、2010年からはAKBグループの振付師やダンス指導を務めている。昨年、NHK連続ドラマ小説『あさが来た』の主題歌として大ヒットした『365日の紙飛行機』の振り付けも担当した」(「NEWS ポストセブン」3月15日付)

 両事務所とも交際を否定していないから、結婚は早いのではないかと見られているようだ。
 今年はジャーニーズ事務所所属タレントたちの結婚ラッシュになりそうだ。

 第1位。小池都知事が『文春』で「石原慎太郎のウソを告発する!」と激白している。3月3日に石原が「巌流島に向かう気持ち」で記者会見を行ない、10日に発売された『文藝春秋』4月号に手記を書いたことへの反論という設定である。
 3度読み返してみた。石原の記者会見はたしかに「私は素人」「自分一人の責任ではなく行政全体の責任」「東京ガスとの契約書にサインした覚えがない」など、自分が4期13年も都知事として君臨してきたにもかかわらず、責任回避とボケたふり(いや、本当に痴ほうなのかもしれない)をすることに終始し、見苦しいこと、はなはだしかった。
 だがこの小池の激白も「なんだかな~」という内容でしかない。石原手記には事実と異なる点がいくつかあるとし、その一つが、小池から都知事選の応援を石原に頼んだという箇所だそうだが、当事者にとっては大事な問題かもしれないが、都民にとってはもはやどうでもいいことだ。
 件の記者会見についても小池は、「あそこで『責任は全て私にあります』と言い切っていたら、どれだけ株が上がったでしょうか」と批判しているが、それを石原に求めるのはハナから無理というものだ。
 東京ガスとの契約書にサインした覚えがないという点に関しては、小池が「大きな金額を決済する時には、きちんと聞きますよ。確認して、説明を受けるのは当たり前のことです」と言っているが、その通りだろう。
 石原が再三、「豊洲に移転しないのは小池氏の不作為」で、自身の証人喚問(3月20日)を終えた後、小池への法的措置に踏み切ると言っていることについては、「それを言うなら、『築地は古い。狭い、汚い』と言っておきながら、なぜ知事になってから今に至るまで十八年間も放置していたのか。そのことのほうが不作為ではないですか」と反論。
 豊洲は安全と言っておきながら、土壌汚染が次々に発覚して、豊洲移転経費は6000億円を超えてしまっている。「都民のお金が使われているにもかかわらず、コスト感覚がないままに、移転を推進してきたことの裏返しではないでしょうか」(小池)。これももっともだが、もともと豊洲移転は青島時代に始まり、石原、猪瀬、舛添と続いてきたのだから、猪瀬、舛添も喚問する必要があるのではないか。
 小池は、豊洲移転問題が長引いているのは、石原や当時の関係者が言い逃れをして引き延ばしているからで、再調査の結果や、食を扱う市場そのもののあり方の見直し、経営的な問題も考えなくてはいけないからで、「私はずっと総合的な判断で決めると言っています」と主張する。
 しかし、石原や彼の元腹心である浜渦副知事の責任を明確にすることと、豊洲か築地かを決断することは別ではないのかと、都民の一人として私は考える。
 小池都知事の頭の中には、都議選挙で小池新党を大勝させることしかないのではないかと、思わざるを得ない。どうだろう。石原や内田茂都議の悪行を暴くのとは別に、5月いっぱいで豊洲か築地かを決断すると表明したら。
 そうしたうえで都議選に臨めば、都民はその都知事の判断にYESかNOかを選択することができる。豊洲は築地より衛生面では勝っているはずだが、築地という名前も残したい。カネに糸目をつけないのなら、一時豊洲へ移転して、築地を大改装した後に戻すという案が、私はいいと思うが、どちらにしても難問である。都民に丸投げすることだけはやめてほしいものだ。
 20日に石原が百条委員会に出て都議たちの質問に答えている姿を見て、「老残」という思いを強くした。
 たしかに「覚えていない」「浜渦に一任していた」など、責任逃れの発言に終始したが、あのカッコよかった慎太郎が、あのようになるとはと、涙が出た。
 彼は昔の彼ならず。それに、石原を問い詰めるはずの都議たちの質問の切っ先の鈍さ。石原でなくとも、お前たちはオレに何を聞きたいのかと言いたくもなる。
 メディアは、何ら解明につながらなかったと書いているが、浜渦や石原を呼んで、何と自白したら拍手喝さいしたのか?
 小池は、豊洲のベンゼンのことをあげつらうが、築地の汚さ、不衛生さと豊洲のそれとを比較したデータを即刻出すべきだ。
 汚さを競い合っていても仕方あるまい。どうしたら東京都民の食卓に載るものを安全・安心に提供できるのか。もう時間はない。
   

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   



 テレビ、単行本、週刊誌に健康情報があふれている。いわく『Matty式マッサージが自宅でできる! 脂肪とり! むくみとり! こりとり! 解毒棒』『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』『「毛細血管」は増やすが勝ち!』『「脳の呼吸」を整えればあなたの全身はよみがえる!』『1日1分であらゆる疲れがとれる 耳ひっぱり』『寝るだけで腰痛が消える! 仙骨枕つき背骨コンディショニング』(2017年3月15日付Amazonの健康法の売れ筋ランキングより)

 私が雑誌編集者時代にやったのは「サルノコシカケ」や「紅茶キノコ」が、がんにいいという記事だった。

 どちらも一時期ブームになり飛ぶように売れたが、あっという間に忘れ去られた。

 『週刊文春』(3/16号、以下『文春』)は、納豆が脳卒中リスクを30%減らし、乳がん、前立腺がん発症リスクも下げるという特集を組んでいる。

 納豆で思い出すのは、フジテレビ系の人気情報番組「発掘!あるある大事典II」で「納豆がダイエットに効果的だ」と紹介して、スーパーなどから納豆が消えてしまった騒動のことだ。

 だが、後にこれが「やらせ」であったことが判明して番組は打ち切りになった。

 たしかに納豆に含まれるナットウキナーゼは、血管を詰まらせる血栓を溶解する力があるといわれる。私もほぼ毎日食べてはいるが、がん細胞まで死滅させるといわれると「?」である。

 その同じ号で『文春』は、健康情報番組の老舗であるNHKの「ガッテン!」(「ためしてガッテン」を改名)を信じるなという特集を組んでいる。

 同番組が2月22日に放送した『最新報告! 血糖値を下げるデルタパワーの謎』で、「睡眠薬で糖尿病が治療できる」「睡眠薬の使用で糖尿病発症の予防にも」などと解説をしたのである。

 だが、3月1日の番組冒頭で、小野文恵アナが「行き過ぎた表現があった」と謝罪し、沈痛な面持ちで頭を下げた。

 私も寝るときに睡眠導入剤を使っているが、睡眠薬で糖尿病が予防できるなら、私は糖尿病になっていないはずだが、残念ながら立派な糖尿病患者である。

 こうした言い方は、覚せい剤で脳こうそくが予防できるというようなものではないか。天下のNHKがやることではない。

 だが、問題はこれだけではなかった。

 番組で大阪市立大学医学部附属病院の稲葉雅章医師が、「糖尿病の患者さんも割と気楽に(睡眠薬を)飲んでいただいてもいい」と推奨し、カメラがたびたび「ベルソムラ」という商品をアップにして映していたという。

 この薬はMSDという製薬メーカーの睡眠薬で、ここの公開情報を見ると、稲葉医師はMSDから原稿執筆を引き受け、講師謝礼をもらっているのだ。

 また、彼が教授をしている大学にも寄付金200万円が支払われていた。稲葉医師とMSDは利益相反(一方の利益になると同時に他方への不利益になる)の関係にあるといわれても仕方あるまい。

 さらにこうした特定の薬を推奨しているように見せることは、薬機法に抵触する可能性があると、弁護士で薬害オンブズパースン会議の水口真寿美事務局長が指摘する。

 「番組は、全体として特定の医薬品を推奨するものとなっており、広告に該当する可能性があります」

 NHK広報局は、出演した専門家は他の薬剤についても解説していたが、その内容を十分に伝えることができず、配慮に欠けていたと、『文春』に答えている。

 『文春』の調べによると、それ以外でも、3月1日に放送した『決定版! コラーゲン100%活用SP』ではコラーゲンの効果を特集したが、コラーゲンが床ずれ(褥瘡=じょくそう)により損傷した皮膚を回復するとしたのは、医学的に問題があると批判している。

 「コラーゲンによる治療法のエビデンスレベルは高くない。ガイドラインの『推奨度C1』は、最も低いレベルで、やっても良いが効果があるかは分からない。そんな治療法を薦めるべきではありません」(小林記念病院褥瘡ケアセンター・古田勝経センター長)

 紹介されたデータや実験方法にも疑問符がつく。番組のディレクターが自身の肌をヤスリで傷つけ、コラーゲンを摂取した場合としなかった場合とで傷の治り具合を比較し、コラーゲンを摂取したほうが治りやすかったと結論付けているが、1人のケースを取り上げて結論を出すのは意味がないと、専門家から批判されている。それは当然だろう。

 私もこの番組をたまに見ることがあるが、単なるバラエティ番組として見ていればいいが、この番組の重大な欠陥は、北里大学薬学部分子薬理学の川島紘一郎客員教授が指摘するところにあるはずだ。

 「明らかに科学的な手続きを欠いているにもかかわらず、さも科学的な結果であるかのように見せている。これでは視聴者が誤解することになる」

 長年この番組の司会をやり、知名度を上げた落語家の立川志の輔は、こういう批判にどう答えるのだろうか。

 いや~、この番組はですね、ちょっとした生活の中にある健康へのヒントをお伝えしているだけで、医学的にどうかなんていわれちゃうと困ってしまうと、逃げるのだろうか。

 昨年10月26日に放送された『大腸がんにならないぞSP』では、大腸がんの内視鏡検査に美肌効果がある、検査の前に強力な下剤を飲み、便や老廃物を排泄し、腸内を空っぽにすることで美肌やダイエット効果があるというのである。

 私も経験があるが、この検査は内視鏡でやるので、腸内を傷つけたりするリスクがあり、医者は数年に1回にしたほうがいいと言っている。

 また昨年10月12日放送の『まさか! ダイエットが引き起こす肝臓の悲劇』も、「番組では、体重が減っているときも含めた“ダイエット中”に脂肪肝になるという表現をしていますが、それは誤り。脂肪肝は体重が増える時になるんです。そのことを番組はちゃんと伝えていない」(大櫛陽一・東海大学名誉教授)と批判されている。

 怪しげな健康情報を同番組は垂れ流してきたと、『文春』は難じる。

 以前は、こうではなく、収録から放送まで時間をかけ、何重にもチェックする体制をとっていたという。それが今は全部抜けてきてしまっていると、この番組の立ち上げから18年間携わってきた元専任ディレクターの北折一氏が嘆いている。

 「安易なバラエティ化では番組の価値が下がる。さらに、明らかに行き過ぎな情報を、信頼感の高いNHKが流してしまうのは、罪が大きいことだと思います」(北折氏)

 本当に健康にいい情報が毎週毎週見つかるわけはない。それに他の民放もやっているわけだから、危なっかしい情報でも「まあいいか」とでっち上げ、放送しているのが実情だろう。そういうことを視聴者は知り、眉に唾をつけながらこの手の番組を見るべきだろう。

 私が信頼する医者に、あるサプリメントのことについて聞いたことがある。その医者は、もしどうしても飲みたいというのなら一番安いものにしなさい。どちらにせよ、効果のほどは期待できないのですから、と言っていた。

 私は今、サプリメントは100円ショップでと決めている。そのためかこのところ体の調子はすこぶるいい。

 昔、万病に効くといわれた丸薬「万金丹」というのがあった。子どものころ、鼻くそ丸めて万金丹、などという戯れ歌があった。どういう成分なのかわからないが、それを薬だと信じて飲めば、どんな病気も治ったという。

 今巷に溢れている健康情報の多くは万金丹のようなものばかり。そう思っておいたほうがいい。

元木昌彦が選ぶ週刊誌気になる記事ベスト3
 私の家には東芝製品が多い。テレビ、パソコン、ビデオなど、かなりある。画質がとりわけいいわけでもなく、スタイリングがいいわけでもなく、使いやすいからでもない。相性がよかったからだ。
 その東芝が倒産の危機に瀕している。最大の元凶はアメリカの原発メーカー「ウエスチングハウス(WH)」を買収したことからである。福島第一原発事故が引き金になり、原発部門は大赤字になった。だが、国が原発再稼働、原発の輸出を声高かに言っているから何とかなるだろうと、高をくくっていた。東芝の経営陣の無能はもちろんだし、安倍政権の責任もあると思うが、そこを衝くメディアはほとんどない。今この原稿を書いているのも中古で買った東芝製のパソコンである。2~3年でバッテリーがダメになるが、なんだか愛おしい。

第1位 「小池新党呆れるほどの圧勝!!」(『週刊ポスト』3/24・31号)/「『ベンゼン79倍』で小躍りの『小池都知事』に突き刺さったブーメラン」(『週刊新潮』3/16号)/「豊洲移転にも森友学園にも日本会議にも連なる小池百合子都知事の『父』怪人脈」(『週刊ポスト』3/24・31号)
第2位 「ともに自民党…妻子ある中川俊直が前川恵と重ねる『真夜中の密会』」(『フライデー』3/24号)
第3位 「三越伊勢丹社長大西洋氏『突然クビ』の全内幕」(『週刊現代』3/25・4/1号)

 第3位。新宿の伊勢丹は、私の家に近いこともあってよく行っている。といっても、高級品が多く、目の保養に行くだけだが。
 伊勢丹が三越と一緒になったときは驚いた。店のカラーが違うし、客層も相当違うのではなかったか。
 その大百貨店グループが、カリスマ社長の突然の辞任で揺れている。たしかに中国人の爆買いがなくなり、軒並みデパートの売り上げは落ちているようだ。
 さらにここは伊勢丹と三越の対立があり、この騒動は尾を引きそうだという。
 『現代』は3月1日に大西洋(ひろし)社長にインタビューしていた。それが事実上の「遺言」になってしまったという。
 そこでは、自分が「構造改革を進めている」と言うと、店を閉めるのかとすぐメディアは聞いてくる。「本来メディアというものは、もっと本質論に踏み込むべきだと思うのです」とメディアに対して苦言を呈していたというが、メディアを買いかぶってはいけない。
 17年3月期の営業利益予想は240億円と前年比で3割減だというから、トップ交代は致し方ないのであろうが、この交代は社員が知る前に日経新聞にすっぱ抜かれたそうである。
 では、今度の社長になるという杉江俊彦とはどんな人物なのか。頭が切れ嫌味もない人間だそうだが、

 「よくも悪くも非常に『優等生的』な人物。社内でも、『杉江さんが就任らしい』という話題が出ても、『どんなことをしてくれるんだろう』といったわくわくした感じはありません」(同社社員)

 どんな変わり方をするのか、来月でも伊勢丹に行ってみようか。

 第2位。お次は『フライデー』。自民党衆議院議員の中川俊直議員(46)が前川恵議員(41)と真夜中の密会を続けていると報じている。
 中川議員は3人の子持ち。目撃されたのは2月28日、夜7時過ぎ。渋谷区にある高級マンションから2人が姿を現し、近くのカフェレストランで食事。
 食後また、同じマンションへ帰って行った。2人の出会いは前川議員が初当選した14年12月。中川議員の父親は内閣官房長官や党幹事長を務めた中川秀直。中川議員は元テレビ東京政治部記者だそうである。
 先輩として何くれとなく相談に乗っているうちに男女の仲になったのか。
 週に3、4回会うこともザラだそうで、『フライデー』も何度か目撃している。
 『フライデー』が直撃すると、男のほうははっきりしないが、女のほうは堂々としている。
 「深夜にマンションで会うことが疑いを招くという意識は、まったくありませんでしたね」
 こういう神経の人間が国会議員だというのが、日本の政治の現実である。

 第1位。小池都知事と石原慎太郎のバトルが続いている。やや石原寄りと思われる『新潮』が、環境基準の79倍のベンゼンが検出されたと発表した豊洲の地下水モニタリング調査をした業者が、都議会の特別委員会で「都に指示され、適切ではない方法で採水を行った」と爆弾発言したと報じている。
 調査するためには、溜まっていた水には雨水なども混じっているので取り除く必要がある。これをパージというそうだが、それまでの調査ではパージの翌日以降に井戸に溜まった純粋な地下水を分析していた。
 だが今回、1か所の井戸ではパージした水をそのまま分析に回したというのである。
 これでは、「採水条件が異なる場合は、過去の調査結果との単純な比較は困難となります」(京大大学院の米田稔教授)
 こうしたことに丁寧に答えているのだろうか、小池知事は。
 『ポスト』は7月2日に行なわれる東京都議選を予測し、小池新党が呆れるほどの圧勝をするという特集を組んでいる。
 3人区で自民も民進も落選。8人区で自民がゼロになり、小池新党は最大62議席を獲得するというのだ。
 自民が最大で31、公明が22だから、一躍小池新党が断然の第一党に躍り出る。
 『ポスト』は、これを境に、国政選挙でも同じことが起こり、安倍一強時代は終わりを告げるというのである。
 だが、小池はいまだに自民党であり、それも石原慎太郎と同じウルトラタカ派である。
 今はその牙を隠してニコニコしているからわからないが、彼女の仮面の下の顔が暴かれれば、小池の快進撃はどこかで止まること間違いない。
 『ポスト』は持ち上げておいて、小池の父親がどういう人物で、どういう人脈があるのかをかなり詳しく追いかけている。
 小池が高校生のころ、自宅は兵庫県芦屋にあった。父親・小池勇二郎の書生として住み込んでいたのが、後に東京都副知事になる浜渦武生(はまうず・たけお)、その時代によく出入りしていたのが内閣官房副長官になる鴻池祥筆(こうのいけ・よしただ)であったという。
 父親は、『ポスト』によれば、

 「戦時中、スメラ塾という右翼結社に参加していた勇二郎氏は『第三世界』『民族独立運動』など超国家主義思想に傾斜し、戦後、神戸で貿易商を営んでエジプト、サウジ、クウェートなどアラブ諸国を何度も訪問して各国の大臣クラスに太い人脈を築き、石油の買い付けにも成功する。当時のアラブ世界では名が通った日本人だった」

 政治好きだった父親は、青年作家・石原慎太郎が68年、参議院選全国区に出馬すると、石原の「日本の新しい世代の会」の関西地区の選挙責任者となった。
 石原はこの選挙で301万票をとるのだ。その後父親も選挙に出るがあえなく落選。その後事業も傾き、芦屋の家を失う。
 父親は百合子をカイロ大学へ行かせ、自分もカイロに渡って日本料理店「なにわ」を開き、20年以上カイロに住み、帰国して13年に90歳で亡くなった。
 したがって慎太郎とは近しく、右派団体「日本会議」の石原は代表委員であり、小池も国会議員時代に日本会議国会議員懇談会の副会長をしている。
 父親のルーツを見るまでもなく、小池はガチガチのタカ派である。そうしたものを今は出さないが、国政となればそれも問われる。
 大体、石原とは同じ穴の狢(むじな)である。前に小池に都知事に出ろと勧めたのも石原であった。
 案外、この2人、裏で話し合っていたりするのかもしれない。メディアは、小池が嫌がることも聞かなくては取材ではない。すべてを明らかにしたうえで、まず都民が小池を判断しなくてはいけない。情報は多いほどいいのだから。
   

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   



 この冬は大きな火災が続いて起きている。2016(平成28)年12月22日昼前に発生した新潟県糸魚川市の火災は、鎮火まで約30時間を要した。

 火元は地元で人気のあった中華料理店からで、大型コンロの消し忘れだったが、折からの激しい強風に煽られ、糸魚川駅北側から日本海沿岸まで南北方向に拡がってしまった。

 建物の焼損面積が3万3000平方メートル(約1万坪)を超えたため、新潟県により災害救助法を適用され、火災では初めて「被災者生活再建支援法(風害による)」も適用された。

 その余波が残る2017年2月16日に、埼玉県入間郡三芳町(みよしまち)にある「アスクルロジパーク首都圏」の一階部分にあった使用済み段ボール置き場から火災が発生して、延べ床面積約7万平方メートルのうち、約4万5000平方メートルが焼け落ちてしまった

 『週刊現代』(3/11号、以下『現代』)で、倉庫の近くに住む60代の男性が、火災の激しさをこう語っている。

 「日曜日(19日)には爆発が100回くらい起こったよ。深夜1時15分ぐらいから40分までで40回、そこから2時までに50回、2時から9回。2時半になっておまわりさんから避難命令を受けたんだ。煙は本当にひどかった。ダンプカーくらいの大きさの渦の煙が飛んできて、おかげで外に置いていたものは(煤で)全部黒く汚れた」

 内部が激しく燃えていても建物は崩壊せず、周囲に飛び火するような建物もなかったが、鎮火はなかなかできず、結局、出火から丸6日燃え続け、ほぼすべての荷物を焼き尽くして火災は収まった。

 これほど長くかかった原因を、消火作業中の消防隊員が『現代』にこう話している。

 「消火を遮る外壁です。2階部分に窓が少なくて開口部が小さく、消火作業が遅延しています。大型重機で数ヵ所、開口部を設け、そこから高圧放水をしています。2月20日の朝に消防隊員が内部への進入を試みましたが、濃煙と熱気で、中の状態すら判明しませんでした」

 元消防官で防災アナリストの金子富夫氏が解説するには、糸魚川火災のときもそうだったが、地方はこれほどの大規模な火災を想定しておらず、消防体制や装備が整っていないことが挙げられるという。

 もう一つは倉庫の構造に問題があるという。スプリンクラーは取り付けてあったが、70度を超えないと感知・作動しない。倉庫は天井が高く、スプリンクラーが作動する前に横へ延焼してしまったのではないかと推測している。

 出火原因は当初、従業員のたばこの不始末が疑われたが、アスクル側は「喫煙区域は火元から離れていた」と主張している。

 アスクルはオフィス用品の通販最大手。元々アスクルは文房具製造業大手のプラスの企業用通販部門だった。93年に当時、同社の事業部長だった岩田彰一郎氏(66)が中心となってオフィス向けの事務用品通販を開始した。

 名前の由来は発注した翌日に届ける(=明日来る)。この仕組みは当時画期的で、利用する法人が急増して97年には分社化し、岩田氏が社長に就任した。

 00年に上場。その後も業績は拡大を続け、直近の連結決算では年商3000億円を達成しているという。

 好調アスクルが法人向けだけでなく、一般消費者向けに日用品通販サービス「ロハコ」を始めたのが12年だった。

 1900円以上購入してくれれば、送料無料。先行するアマゾンや楽天に追いつき追い越せという岩田社長の戦略であった。

 アスクルはネット大手ヤフーと資本提携を行ない330億円を調達して、これを元手に物流センターを整備し、昨年7月には利用者が300万人を超え、赤字は出ているが順調に推移してきたのだ。

 その物流の拠点が「アスクルロジパーク首都圏」だった。この巨大倉庫は、アスクルがオリックス不動産から土地46億8000万円、建物105億7000万円、合計152億5000万円で買い取り、50億円近くを投資して設備を整え、13年から稼働させてきた。

 首都圏と東日本への配送の基幹となる心臓部ともいえる物流センターだったのである。

 倉庫の再建、焼失在庫を合わせると損害は120億円から125億円になると、経営コンサルタントの加谷珪一氏が概算している。

 そうなれば、アスクルの今期決算の業績予想は経常利益が95億円だそうだから、1期分の利益がすべて吹っ飛ぶことになる。

 当然火災保険をかけていただろうが、どこまで補償されるのだろうか。大手損保の社員はこう分析する。

 彼によると、こうした物流センターが入る保険には3種類あるという。一つは建物の購入費に関わるもの。もう一つは保管していた商品に対する保険。もう一つは火災によって物流が機能せず、営業損益が発生した場合にそれを補償する保険だ。

 これらすべてをかけていたとすれば、保険料は年間総額で2500万円から3000万円程度になるという。

 保険料も大きいが、入っていれば被害額が確定され次第、支払われるという。

 だがアスクルが被る最大のリスクは、配送の遅れによってEコマース(電子商取引)市場で決定的な遅れを取り、市場から弾き出されてしまうことである。

 アマゾンは注文を受けてから1時間で配送する「プライムナウ」を始めている。ヨドバシカメラや他のネット販売会社も速さを競い、1時間刻みで配達時間を指定できるサービスにしのぎを削っている。

 だがアスクルは、この火災でそうしたサービスに支障をきたすことになり、「明日来る」ではなく「明後日来る」というマイナスイメージが定着し、同業他社の草刈り場になりかねないというのである。

 さらに同社の株式の41.67%を握るヤフーが手を引けば、最悪の場合、会社が潰れるという可能性すらあると『現代』は言うのだ。

 アスクルの巨大火災を見て肝を冷やした企業は多いのではないだろうか。

 だがここへきて、物流業界にも変化が出てきた。最大手のヤマト運輸の労組が、宅配ドライバーの長時間労働改善を会社側に申し入れ、会社側もそれを受け入れたのである。

 賃金や安全対策など労働環境改善に向けた取り組みのため、荷物取扱量の抑制や時間指定の見直しなども含め、今秋にも90年に100~110円(平均8%)にして以来の値上げをすると発表したのである。

 またヤマトは、昨年夏に横浜北労働基準監督署から残業代未払いがあったとして是正勧告を受けていた。そのため全社的な調査に乗り出しているが、未払い分は数百億円規模になる可能性があり、全額を支給する方針だという。

 アマゾンなど大口法人客への運賃割引を縮小することも盛り込まれている。ヤマトが動けば他社も追随するのは間違いない。

 そうすれば通販会社側も、これまでのように短時間で無料配送するビジネスの見直しに迫られることになる。

 これからは、一個の荷物を宅配してもらうにはどれだけのコストがかかるのかを、消費者側も意識しなくてはならなくなる。

 アスクルの火災が物流業界の見直し、改善につながれば、災い転じて福となるといえるのかもしれない。

元木昌彦が選ぶ週刊誌気になる記事ベスト3
 日本人ほど忘れっぽい民族はいないとよく言われる。3.11から6年がたつ。いまだに原発事故は収束していないが、多くの国民はそれを忘れたかの如く、日常の話題にも上らない。
 今は安倍首相夫妻のお友達のスキャンダルでワイドショーまでが連日騒いでいるが、その裏で進められている「共謀罪」について騒がないのは、安倍に騙されているのではないのか。
 メディアの信用度は年々下がってきている。チェックすべき権力者と夜な夜な酒盛りをしていたのでは当然だが、それにさえも気づかないようだ。困ったものだ。

第1位 「NHK『水野さん』が語るいま福島で起きていること」(『週刊現代』3/18号)
第2位 「メディアはなぜこんなに信用されないのか」(『週刊現代』3/18号)/「安倍首相と記者クラブ『赤坂の夜』全真相」(『週刊ポスト』3/17号)
第3位 「妻たちがマジメに語る『夫のちんぽが入らない』問題」(『週刊現代』3/18号)

 第3位。さて、『夫のちんぽが入らない』(扶桑社)が売れているそうだ。
 13万部を超えるベストセラーになっているそうで、変わったタイトルだが、内容はいたってまじめで深刻なのだそうだ。
 著者はこだまさんという主婦だそうである。交際期間を含めて20年も彼と一緒にいるのに、彼女の中に夫のアレがどうしても入らないというのだ。

 「一体どういう状況なのか。多くの読者は『サイズの問題なのでは?』と推測するかもしれない。確かに、『夫のちんぽはかなり大きいほう』だそうだがそれだけではない。大学生のときに知り合ったこの夫婦が初めて交わろうとしたとき、そこにはなぜか『行き止まり』があったのである。
 〈まるで陰部を拳で叩かれているような振動が続いた。なぜだか激しく叩かれている。じんじんと痛い。(中略)やがて彼は動きを止めて言った。『おかしいな、まったく入っていかない』『まったく? どういうことですか』『行き止まりになってる』〉
 結局、二人はこの日、セックスをすることができなかった。その後も挿入はできずに『手』や『口』でする日々を送る」(『現代』)

 こんなことが実際にあるのか? 産婦人科医の早乙女智子氏はこう解説する。

 「この小説の中では、他の男性とはセックスできるのに夫とだけはできないようですが、ペニスの勃起の角度、太さ、体位など、様々な要因でそういうことは起こりえます。
 局部に『切れグセ』があると、挿入しようとする度に出血してしまい、小説のようにセックスを控えるようになることもある。また女性はホルモンバランスが崩れると粘膜が乾燥してきて、濡れにくくなり、膣が閉まってしまうと、どうしても『入らない』という場合もある。ただ、こうしたケースは非常に稀です」

 このように結婚しているけれど、セックスをしたことがない、できない夫婦を医学的には「未完成婚」と呼ぶそうだ。
 夫は、風俗に通って性欲を処理しているというが、筆者は見て見ぬふりをしながら、心の中では嫉妬の炎が燃えていることも、隠さず書いているという。こちらも村上春樹の『騎士団長殺し』(新潮社)を読み終わったら読んでみようか。

 第2位。さて、森友学園問題で窮地に陥っている安倍首相だが、2月27日には報道各社の官邸キャップを集めて、赤坂の中華料理店で急遽会合を開いたそうだ。
 そこでは、法に触れるようなことは一切やっていない、としきりに訴えていたという。
 この時期に、安倍に呼ばれたからといってのこのこ出かける新聞記者も困ったものだが、それだけこの問題と、妻・昭恵の取り上げ方に不快感を持っているということだろう。
 『ポスト』によると、件の赤坂の中華料理店は「赤坂飯店」だそうだ。
 その夜、そうした会合があると知り合いの新聞記者から通報があったため、『日本会議の研究』の著者である菅野完(たもつ)氏がツイッターに書き込んだところ、大勢の一般市民が店の前に集まり、デジカメやスマホで出てくる連中を撮りまくっていたそうだ。
 トランプ大統領はメディアを選別し、批判するメディアを遠ざけて問題になっているが、安倍首相も相当なものである。
 それに安倍首相は、政権に返り咲いて以来、13年から14年にかけて、全国紙、ブロック紙、民放キー局のトップや編集幹部と重ねた会合は、2年半で50回にもなると『ポスト』は報じている。
 そのうえ最近は、経産省が庁内のすべての局の部屋を勤務時間中もロックして記者たちの出入りを禁止するなど、情報漏れを危惧して、とんでもない暴挙に出ている。
 このままではメディアは権力のポチどころか、情報さえも与えてもらえないことになる。
 それもこれまで、権力にすり寄り、権力側からバカにされてきた報いだ。
 『現代』は2月7日にアメリカのエマーソン大学というところが発表した世論調査を載せている。
 それによると、米国ではメディアを信用できる人は39%で、トランプ政権を信用できるという人は49%にもなるというのだ。
 米コロンビア大学ジャーナリズム科講師で、3世代にわたるトランプ家の歴史を描いた本を出している、グウェンダ・ブレア氏はこう指摘している。

 「主流メディアは『事実は重要である』という考え方に慣れていますが、トランプ氏にとって重要なのは『人が聞きたいことを伝える。それは必ずしも事実ではない』ということです。トランプ氏は選挙中から、伝統的なニュースや事実解明に力を入れるメディアの信頼性を傷つけることに注力してきました。トランプ氏は恒例のホワイトハウス記者会の夕食会を欠席しますが、それは当然です。自分を非難している主流メディアが多数出席するイベントに出る意味がないからです」

 日本でもメディアと政権の信用度は逆転しつつあるという。新聞通信調査会による世論調査によると、新聞の信頼度は100点満点中68.6点で、民放テレビは59.1点。
 しかも年々、信頼度は低下傾向にある。片や安倍政権の内閣支持率は66%と高水準が続いている(読売新聞による世論調査・2月17日~19日)のだ。
 メディアより安倍政権が信用される理由を、城南信用金庫元理事長の吉原毅氏は、新聞記者の意識が一般大衆と著しく乖離してしまったことを挙げ、こう語る。

 「新聞記者の多くは一流大学を出たエリートであり、自分たちのことをエスタブリッシュメント(支配者層)と考えているのではないでしょうか。エスタブリッシュメントというのは常に今の地位を守ることしか考えないため、臆病で勇気がない。しかも総じて彼らは高給取りです。今の生活を失いたくないという気持ちが強くなり、冒険ができなくなってしまう。その結果、読者が離れていっているのではないか」

 その中心である朝日新聞のベテラン記者はこう言う。

 「なぜ、安倍政権の支持率が高いのか、これは社内でもよく議論されます。多くの記者は『朝日は伝えるべきことを報じているのに、安倍政権の支持率が高いのは理解できない。国民への啓蒙が足りていない。朝日が世の中を正しい方向へ引っ張っていかなければ』と考えています。かつての『朝日』のイメージから抜け出せない連中で、これはむしろ若い記者に多い気がします。彼らは、朝日記者たるエリートの自分たちは、他人を批判したり糾弾したりする資格があると思い込んでいる。そんな思い上がりが読者に見透かされているのですが、それに気づいていない」

 こうした認識も古めかしいものだ。情報の多くはSNSからというのが若い連中の常識になっている。
 その元の情報が朝日だろうと産経だろうと関係ない。情報を一瞥して、すぐに自分の好みの情報を探しにいってしまうのだ。
 ネット時代に既存のメディアが生き残るためには、あらゆるツールを使って情報を発信し、どんな形でもいいから読者やユーザーに読んでもらわなくてはいけない。
 そのためにはもっと動画に力を入れるべきではないか。いいドキュメンタリーを新聞が発信できれば、読者はついてくるはずだ。
 映画の世界を見てみるべきだ。作り物よりも、ドキュメンタリータッチのもののほうが、見ていて面白い。NETFLIX(ネットフリックス)やアマゾンビデオもいいドキュメンタリーが増えてきている。
 見て面白く、メッセージ性の強いものを作れば、読者はついてくる。培ってきた取材力を生かして、目で見られる調査報道をやる。どこが早くそれに気づくかな。

 第1位。今年の3・11を前に、あの時、NHKをはじめとした放送メディアで一人気を吐いていたNHKの水野倫之(のりゆき)解説委員に『現代』がインタビューしている。

 「東日本大震災により福島第一原発はメルトダウンを起こし、大量の放射性物質を広範囲にまき散らす重大な事故を起こしました。
 政府と東京電力は最長40年で廃炉にする工程表を掲げ、2021年には溶けた燃料の取り出しを始める計画を立てました。しかし、原子炉を突き破って格納容器まで溶け落ちた燃料を取り出すのは世界でも初めてのこと。その前段階として、格納容器内がどうなっているのか、溶けた核燃料がどういう状態になっているかを、まず調べなければならない。
 そこで先日、探査ロボットの通称『サソリ』が格納容器内に投入されたのですが、正体のよくわからない堆積物に阻まれ故障し、すぐに動かなくなってしまった。
 今年の夏には溶けた核燃料をどうやって取り出すのか、その方針を決める予定です。しかし、このように内部の詳細もまだ分からない状況で『取り出し方針』が決められるものなのか」

 原発事故はこのように、一度事故が起きてしまえば、廃炉にするにせよ、気の遠くなる時間がかかるのだ。

 「私は、福島の事故前から、次に原子力施設で何か大きな事故があるとしたら原発なのではないかと思っていました。そう考えたきっかけは、1999年に茨城県東海村の核燃料の加工工場で起きた臨界事故です。中性子線という強烈な放射線が放出され、2人の作業員が亡くなりました。
 この時、事故の収束に手間取ったことを教訓にロボットが必要だという結論に至った。国の予算で研究機関が試作品を作ったというので、私も取材に行きました。
 ところが、行ってみると研究者たちが、困っている。せっかく作った試作品も実用化するには電力会社に引き取ってもらい各地の原発に配備してもらうしかありません。しかし電力会社は『ロボットを置くということは、すなわち事故が起こる可能性を認めることになる』という理屈で、原発では不要だというのです。この時実用化しておけば、福島の事故で役立ったことは間違いありません。まさに“安全神話”の典型でした。電力会社は『事故は燃料加工会社が起こしたもので自分たちは違う』と全く対岸の火事を見ている状態で、そこから教訓を見出そうとはしていなかった。
 こうした状況を見聞きして私は『次に事故が起きるとしたら電力会社の原発だ』という思いを強くし、備えをしなければと考えるようになりました。
 各原発を取材し、同時に現場を知り確かな知識を併せ持つ専門家を探しました。一番詳しかったのは、原発を実際に作っているメーカーの技術者たちで、日頃から意見交換してきました。ですから、福島の事故の時は、スタジオ解説の合間に彼らに連絡を入れ、何が起きているのか、確認を続けていました」

 彼が、事故直後から報道現場で何が起きていたのかを本当に語ってくれれば、素晴らしい「証言記録」になるはずだが、それはできないのだろうな。

「政府は40年で廃炉を完了させると言っていますが、取り出した核燃料の最終処分も考えればもっと時間がかかる可能性もあります。今、生きている人で福島の廃炉を見届けられる人が、一体どれだけいるのか。私の先輩の解説員からは『お前、廃炉になった福島原発の前で最後のリポートをしろよ』と言われ、是非そうしたいと思ってはいますが、そこまで私が現役でいられるかどうか……。でも、誰に何と言われようが私はその過程を見届けていきたい

 こういう男が現場にいてくれると思うだけで、少しは気持ちが落ち着くではないか。
 原発事故はまだ収束していない。原発を再稼働させれば、また同じような、否、もっと大きな事故が起きることは必定であろう。
 政府は3.11を「原発事故を忘れない日」として祝日にしたらどうか。
   

   

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