コトバJapan! 読んだ気になる!週刊誌 の 記事一覧


 先週の月曜日(5月15日)の夜だったと思う。『週刊新潮』(以下、『新潮』)編集部から電話がかってきた。若い女性で、『(週刊)文春』(以下、『文春』)が『新潮』の中吊りを火曜日の午後に不正に入手していた件について、コメントをもらいたいというのである。

 3時から友人たちと蕎麦屋で一杯飲んで、6時過ぎにオフィスへ戻ってウトウトしていたこともあるが、彼女が「そんなことが許されるのでしょうか」と息せき切っている訳がよくわからず、校了日の夕方に中吊りを手に入れて、それから取材しても、ろくな記事はできない。それに、私が編集長のときは、ライバル誌の『週刊ポスト』の情報を手に入れようと、あらゆる手を尽くして集めたものだ。週刊誌も一企業と同じだから、ライバルの情報を探るのは当然の「企業努力」ではないか

 そう答えたものだから、当然ながら、『新潮』の当該の記事に私のコメントは入っていない

 『新潮』(5/25号)は5月17日水曜日の夕方、某週刊誌編集長から見せてもらった。「『文春砲』汚れた銃弾」というタイトルもすごいが、巻頭10ページ特集というのにも驚いた。

 『新潮』側の怒りはよく見て取れる。新聞もテレビも、平素『文春』にしてやられているからか、大騒ぎしている。私はこの記事を2回読み直した。だが、識者といわれる大谷昭宏や佐藤優(まさる)、中森明夫たちが、「ライバル誌の広告を抜くという行為は、週刊誌という媒体にとって自殺行為」(大谷)などと非難しているのが、よくわからない。

 その理由は後で触れるとして、『新潮』を見てみよう。『新潮』が、『文春』側に情報が洩れているのではないかとの「疑念」を抱いたのは14年9月11日号。『新潮』は朝日新聞の「慰安婦誤報」をめぐって、朝日で連載していた池上彰が「(朝日は)謝罪すべきだ」と書こうとした原稿を掲載しないとしたことで、連載引き上げを決めたという記事を掲載し、中吊りにもかなり大きく打った。

 この週の『文春』の中吊りは池上の件には触れていない。だが、新聞広告には「『池上彰』朝日連載中止へ『謝罪すべき』原稿を封殺」のタイトルがあり、「記事中の池上氏のコメントはわずか6行で、急遽差し挟まれたような不自然な印象を読む者に与えるのだ」(『新潮』)

 その上、『文春』は校了日である火曜日の午後7時57分に「スクープ速報」としてこの記事をネット上にアップしたため、「それは週刊文春のスクープネタとしてまたたくまに拡散されたのだ」(同)

 池上も、『新潮』の取材に対して、『文春』から電話があったのは『新潮』の取材があった後で、校了日の午後5時半だったと話している。『文春』の新谷学(しんたに・まなぶ)編集長は最近、『「週刊文春」編集長の仕事術』(ダイヤモンド社)という本を出しているが(彼が書いたとは思えないほど読みどころのない本だが)、その中でも、

 「池上彰さんのコラムを朝日新聞が掲載拒否した件では、同日発売の週刊新潮も同様の記事を掲載していることがわかったので、校了日である火曜日の夜に『スクープ速報』を配信した」

 と書き、その結果、「週刊文春デジタル」の会員が爆発的に増えたとしている。

 そのほかにも、『文春』に中吊りが流れている疑惑があると考えた『新潮』は、『文春』側に「不正を止めろ」と通告するのではなく、漏洩ルートを突き止めるための調査を続けた

 『新潮』が誇る調査力で、漏洩しているのは新聞広告ではなく中吊り広告だった。『新潮』の中吊り広告の画像データから、そのPDFファイルがコピーされたのは、『週刊文春』編集部にあるコピー機であることが判明したのだ。

 さらに、漏洩元はどこかを突き止めると、出版取次会社「トーハン」が、『文春』の人間に渡していることがわかり、『文春』の「雑誌営業部兼販売促進チーム」に属する30代の男性が、トーハンの人間から『新潮』の中吊り広告を受け取り、コンビニでそのコピーを取っているところを「激写」した。動かぬ証拠を手に入れた『新潮』が、大々的に『文春』の悪事を特集したというわけである。

 『新潮』に直撃された新谷編集長は、いつもの歯切れの良さはなく、「入手しているかどうかの事実関係も含めて、情報収集活動については一切お答えしていないので」「うーん……。ま、だからさ……(苦笑)。あー。……難しい問題だよな、これはな。確かにな……」と要領を得ない。

 たしかに佐藤優の言うように「中吊りを見て誌面を作るのは、道徳的に大きな問題」があるのは間違いない。

 だが、先ほども触れたが、週刊誌といえども編集部員の数からして中規模企業ぐらいはある。梶山季之(としゆき)が書いた『黒の試走車』ではないが、ライバルが何をやっているのか、どんな情報を持っているのかを探ることは雑誌の浮沈、そこで生活しているフリーの記者、筆者たちの生存にかかわるのだから、あらゆる手を尽くして情報を取ることが一方的に悪いといえるのだろうか

 新聞も昔は、抜いた抜かれたで一喜一憂したものである。ここで私が編集長時代の経験を話してみよう。

 こんなことがあった。ライバルの『ポスト』に大物女優のヘアヌード写真集が独占でグラビアに載ることが校了日にわかった。ネタ元は某印刷会社の人間。こういう時のために、その人間とは酒を飲み、ゴルフをやり、親交を深めていた。

 『ポスト』も同じ印刷所だった。私は件の印刷所の人間に電話して、その写真集が手に入らないだろうかと頼んだ。何とかしましょうと言ってくれた。

 数時間後、写真集が手に入った。だがその時間からグラビアに入れることはできない。写真集の版元との交渉もしなければならない。そこで考えた。活版の自社広告を2ページ落とし、見開きに写真集を開いて見ている(顔は出さない)人間を、後ろから撮った写真を大きく載せる。

 キャプションには「○○女優のヘアヌード写真集が凄い話題!」。中吊り広告は間に合わないので、新聞広告を差し替えてもらって、左トップに「これが女優○○のヘアヌード写真集だ!」と特筆大書する。

 当時、ライバルだが、『ポスト』の編集長とは気が合ってよく飲んだ。私より少し下で人柄の素晴らしい温厚な人物だった。その週末も、夜、2人で飲んだ。

 人の悪い私は、『ポスト』の編集長に「あんたんとこ何かでっかいスクープでもあるんじゃないか?」。彼は「そんなのがあったらいいですけど、ないですよ」ととぼける。

 翌週の月曜日、新聞広告を見た彼から怒りの電話がかかってくる。「元木さんひどいじゃないか」。私はこう答える。「怒るのはもっともだけど、こちらも普段から企業努力をしてきて、あんたんとこに大スクープが載るのを黙って見ているわけにはいかないんだよ」

 彼とはしばらく会わなくなるが、そのうちまた銀座の場末のバーで飲むことになる。彼は編集長を辞めて50歳の若さで亡くなってしまった。

 「ライバルは憎さも憎し懐かしき」である。

 『文春』のやり方に違和感があるのは、自分のところのスクープでもないものを、速報として流してしまうことだろう。それはやってはいけない。

 私が現役中に一番腹が立って喧嘩したのは新聞社だった。『現代』は月曜発売なのに、新聞広告を自分のところで作り、新聞社に渡すのは、記憶では水曜日か木曜日午前中だったと思う。

 なぜ、新聞社に事前に情報提供しなくてはいけないのか。新聞社から各方面に情報が流れていることはわかっているのだ。それに、自社の悪口を書かれていないかを見るのは事前検閲にあたる。セックスがだめでSEXがいい根拠を示せ。

 『現代』で朝日新聞のある「疑惑」をトップでやったら、朝日新聞は何の通告もなしに月曜日の朝刊で、大きく誌面を使って反論記事を載せたことがあった。

 芸能人がツーショットを撮られると、雑誌の発売前に会見を開いてしまうのも、新聞広告の情報が流れるからである。

 『新潮』の言うように、フェアにやろうというのはその通りである。それに『新潮』は『文春』に部数でだいぶ差をつけられている。

 だが、きれいごとだけでは情報戦争を生き抜いていけないことも事実である。新潮社はあまりデジタルに熱心ではないが、情報を取るだけではなく情報を流す方法も考えたほうがいいと思う。

 『文春』が出版取次のトーハンから『新潮』の中吊りをもらっていた問題は、まだ尾を引きそうである。新谷編集長が「情報を不正、不法に入手したり、それをもって記事を書き換えたり、盗用したりした事実は一切ない」とし、「他メディアの動向を把握するのは日常的なこと」だと反論している。

 『新潮』側は当然ながら盗人猛々しいと批判している。また、どうして『新潮』は長年にわたり中吊りを渡していたトーハンの責任を問わないのかという声も多くある。

 私は、お行儀はよくないが、他誌の動向を掴むのも取材活動の一環だと思う。『文春』も、乙武5人不倫や山口敬之(のりゆき)の準強姦罪など、『新潮』の大スクープを載せていないのは、そこまでやってはまずいという判断があったのではないかと、私は思う。

 ここは『文春』側は潔く『新潮』に詫びて、お互い、火曜日の午後に中吊りを交換することにしたらどうだろうか。それは無理か?

 『ポスト』に私のコメントが載っている。「新潮が怒るのもわからなくはないけど、ほかに追っかけるニュースがあるだろうと。ちなみに新潮から今回の件でコメントを求められたのでそう話したら、ボツになったけどね(笑い)」

元木昌彦が選ぶ週刊誌気になる記事ベスト3
 昔の大女優たちが老人ホームを舞台に、素顔をさらけ出して演じる『やすらぎの郷(さと)』という昼のドラマが人気だ。昔は有名女優が老け役をやるというのは一大決心を要した。子持ちの母親役をやる吉永小百合は、私と同じ年。老婆役をやってもおかしくない年齢だが、引退するまでやらないだろう。だが時代は変わってきた。往年の大スターたちが同年代の役に挑戦し始めたのである。楽しみだ。

第1位 「燃える怨恨『アントニオ猪木』独占インタビュー 小池都知事『都民ファーストの会』代表は公金1100万円を横領した!」(『週刊新潮』5/25号)
第2位 「ドラマ『やすらぎの郷』撮影現場はリアル老人ホーム」(『週刊新潮』5/25号)
第3位 「この夏、『阿波おどり』に中止の危機」(『週刊現代』6/3号)

 第3位。地方新聞というのは、ほかの県では知られていなくても、その県では大変な力を持ち、傘下にテレビ局を入れ、地元の政治家も取り込んでいることが多い。
 私が昔よくお付き合いした「北國新聞」(石川県金沢市に本社)もそうだった。部数は少ないがコングロマリット化して、石川県では絶大な力を持っていた。
 夏の風物詩「阿波おどり」は徳島の名産品と言ってもいいくらい、県外でも知られている。
 その踊りが、慢性的な赤字体質が改善せず4億3000万円もの巨額な借金が積み上がり、中止の危機に追い込まれていると『現代』が報じている。
 その元凶ともいうべきが「徳島新聞」だと、市観光協会幹部が憤っている。要は、徳島新聞は、口は出すがカネは出さず、それどころか阿波おどりを収入源にしているというのだ。
 おどりの期間中、鑑賞できる桟敷席が10万席ほどあるのだが、徳島新聞が市の中心部にある人気の席を取ってしまい、それも2~3万枚も持って行ってしまうというのである。
 チケットをオープンにして販売したいと言うと、「おまはん、何を言うとんぞ! そんなことをしたら徳島におられんようになるぞ」と脅されたそうだ。
 阿波おどりでは企業名の入った広告看板が沿道を埋め、その作成は徳島新聞のグループ企業に大半発注される。その手数料でも徳島新聞は多大な利益を上げているという。
 さらに徳島新聞は、自社の社員をアルバイトと称して阿波おどりに参加させ、日当1万円以上を観光協会に請求するそうだ。
 徳島新聞は県内シェア7割を誇る。そうした力を自分たちが甘い汁を吸うために使うのでは、批判されても仕方あるまい。
 全国に知られている阿波おどりが、こんなことで中止にでもなったら県の恥だろう。徳島新聞もそうなれば、甘い汁を吸うこともできなくなる。
 両者と、県民を交えて、早急に話し合うべきだ。

 第2位。4月から放送が始まった倉本聰(82)脚本のテレビ朝日系のドラマ『やすらぎの郷』。テレ朝が「シルバータイムドラマ枠」と名付けた高齢者世代向けの昼の時間帯(毎週月曜~金曜12:30~12:50)だが、平均視聴率は6.3%と大健闘していると『新潮』が報じている。
 倉本の脚本もだが、出演する俳優たちが話題を集めている。舞台はテレビ業界に貢献した人間だけが入居できる老人ホーム「やすらぎの郷 La Strada(イタリア語で道という意味)」。
 『水戸黄門』以来約15年ぶりの連ドラ出演になる石坂浩二(75)が一世を風靡したシナリオライター役になり、彼を振り回す大女優に、元女房だった浅丘ルリ子(76)、石坂の元カノだった加賀まりこ(73)が共演することが注目を集めた。
 それ以外にも五月みどり(77)、野際陽子(81)、八千草薫(86)、有馬稲子(85)、冨士眞奈美(79)。風吹ジュン(64)が石坂の亡くなった妻役で出ている(石坂の部屋には風吹の若い頃の水着写真が飾ってあるが、これがすごくいい!)。
 男優も藤竜也(75)、山本圭(76)、ミッキー・カーチス(78)と、存在感のある年寄りだらけである。
 やはり見どころはかつて夫婦だった石坂と浅丘の「演技」だ。序盤にこんなシーンがある。

 「≪『先生──ッ!』といきなり栄(石坂=筆者注)にハグする冴子(浅丘)。二人、結構長時間抱き合う。じろりと白い目で見るマヤ(加賀)。冴子、やっと離れて大納言(山本)に、『そっちにつめて。私ここに坐る』。マヤもマロ(ミッキー・カーチス)に『あなたもつめて。私ここに坐る』≫
 と、栄を取り合うように冴子とマヤがカウンターで両隣に陣取るのだ」(『週刊ポスト』5/19号)

 2人は71年にドラマ『2丁目3番地』の共演をきっかけに恋に落ち結ばれる。だが29年間連れ添ったが、石坂が浮気していたことが発覚して離婚。石坂の再婚相手はその不倫女性だそうだ。
 以来16年、2人は会ったことがなかったという。様々な思いを込めて「長いこと抱き合わせていただきました」と浅丘は制作発表の記者会見でユーモアたっぷりに語り、隣に座っていた石坂は居心地が悪そうだった。
 現在のドラマが斜陽になった原因は視聴率主義に走ったテレビ局にあるとか、枕営業が行なわれているという、業界のタブーや裏話が随所に出てくるなど、倉本ならではの隠し味もたっぷりある。
 また半年間という長丁場で高齢者が多いため、看護婦が撮影現場で待機していて、体調に変化がないか、あればすぐに対応できる万全の体制を取っているという。
 それにセリフが多いと覚えられずにカンニングペーパーを用意したりする老優も多いようだ。

 「倉本さんの脚本ですから、台詞がとても多いというのも確かにありますが、ミッキー・カーチスさんと五月みどりさんは、記憶力が落ちていて、台詞を覚えられなくて大変だそうです」(テレ朝関係者、『新潮』)

 五月のマネージャーもこう言っている。

 「ドラマのレギュラー出演は20年ぶりでして、久しぶりの上に、台詞が覚えられなくて大変でした。(中略)休憩中も撮影ギリギリまで台詞を覚えるので精一杯。一度くらいは、カンペを見ながら撮ったカットもあったかもしれません」

 さらに「野際さんは、3年前に肺がんを患い、現在も治療を続けています。やはり、体調があまりすぐれないようで、撮影シーンを大幅に減らしたほどです」(同)
 命がけの迫真の演技が見られるのも、このドラマの魅力であろう。そして一番の楽しみは、かつての大女優たちがどういう人生を辿ってきたかが、失礼ながら、どう顔や身体に現れているかを観察することである。
 浅丘の地肌が見えないぐらいの厚化粧は、寅さんのマドンナを演じた「リリー」そっくりだし、和製ブリジット・バルドーといわれた加賀からは「コケティッシュ」な魅力が残念ながらやや失われた。
 台詞覚えは別にして、五月の妖艶な雰囲気は健在だし、何といっても八千草の可愛いお婆ちゃんは、魅力たっぷりである。
 しかし、残念なのは、倉本作品にかつてのような切れがないことである。俳優たちの動きが多少鈍くても、台詞回しがたどたどしくても、毎日ドラマチックなことが起きなくても仕方ない。
 だが、かつての大俳優を演じる藤竜也がぎっくり腰で寝たきりになり、女たちが大勢であれこれ面倒を見てくれることに腹を立て、部屋を逃げ出し石坂の部屋に籠ったため、失踪したと大騒ぎになるシーンはいささか白けた。
 倉本は、藤竜也の役は高倉健を想定して書いたそうだが、健さんが失踪すればたしかに女性たちは大騒ぎするのだろうが、あまり出来のいいエピソードではないと、私は思う。
 ともあれ、日本にもようやく年寄りたちが主人公になるドラマや映画が出てきたが、外国には老人たちを主人公にした名画がいくつもある。
 70代半ばのヘンリー・フォンダとキャサリン・ヘプバーンが共演した『黄昏』は、今観ると感動は若い頃の10倍になる。この映画で2人はアカデミー賞主演男優賞と女優賞を受賞している。
 『カルテット! 人生のオペラハウス』という映画もいい。
 ダスティン・ホフマンの初監督作品で、引退した音楽家たちが暮らす老人ホームが舞台というのは『やすらぎの郷』と似ている。
 この映画にはイギリスが誇る著名な老アーティストたちが多く出演して名曲を演奏している。役者が音楽家を演じるのでなく音楽家が音楽家を演じるのだ。
 ホフマンは、演技経験のない音楽家たちにこういったという。「演技は全くしないでいいから、今感じていることをそのまま撮りましょう」。「年をとるとはどういうことか、そのまま見せたかった」そうだ。
 この『やすらぎの郷』をきっかけに、高齢者たちの愛や性を描いた名作が出てくることを期待したい。

 第1位。5月19日付の朝日新聞が、小池百合子・東京都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」(以下、「都ファ」)の野田数(かずさ)代表(43)が、公金を横領したとする『新潮』とアントニオ猪木参院議員に慰謝料などを求める民事訴訟を起こしたと報じていた。
 このところ人気下降気味の小池都知事にとっては頭の痛いことであろう。『新潮』の記事はこうだ。13年に日本維新の会から参院選に立候補して当選した猪木だが、18年ぶりの国政復帰だから、秘書が見つからなかった。
 そこへ維新の会の事務局から野田を推薦され政策秘書にした。野田は、小池が保守党時代に秘書を務め、その後市議、09年からは都議を務め、現在は小池の名代として「都ファ」の代表を務め、小池からの信頼も厚いという。
 なかなかできる男だと、最初、猪木は全幅の信頼をしていたそうだ。だがそのうち、野田が銀座などで派手に飲み歩いているという噂が耳に入った。そこで内々に調べたら、クラブやキャバクラでかなりの金を使っていることが判明した。
 そのほかにも、野田は「文書通信交通滞在費」は月50万円と説明していたのに、まったくの嘘で、実際は月100万円だった。それを猪木名義の別の口座を開設して、そこへ月末に支払われる分が振り込まれるようにしていたという。
 そこで出納関係の業務をしていた女性秘書と野田に辞めてくれるよう伝えたそうだ。だが、解雇に納得せず、事務所にあった実印や預金通帳、現金をすべて持ち出し、パソコンのデータもすべて消去してしまったという。
 猪木に言わせると横領された金額は4000万円にも及ぶそうだが、すべてを裁判で立証するのは困難と判断して、1120万円を横領したと記載して、警視庁に告訴状を出したという。
 野田側は、そうした事実もないし、これまで一度も警察や検察から事情聴取はもちろん、連絡を受けたこともないと否定している。
 猪木側の弁護士は、告訴状を出してから2年以上になるのに、警察は動かないという。
 読む限りは、猪木のほうに理があるように思えるが、このところ都議選を控えて小池バッシングが激しい中で、ある種の「思惑」があっての告発のようにも思える。どちらにしても、裁判で白黒、決着をつけるべきである。
 『ポスト』(6/2号)、件の野田が、5月15日、高級和食屋、座っただけで5万は取られる六本木のクラブ、ショーパブなどを次々飲み歩いている様子をレポートしている。
 この豪遊資金はどこから拠出されているのだろうと、野田に質問状を送ると、代理人の弁護士から、野田のポケットマネーから払っているとの答えが返ってきたという。
 だが、この御仁、何やら小池のアキレス腱になりそうな気がするが。
 『文春』(5/25号)は、官邸、森元総理、ドン内田側の攻勢が激しい中、小池都知事のインタビューをやっている。そこで小池は、

 「都知事選に立候補した昨年七月の状況にすごく似ています。束になって潰しにかかる流れですね。でも、都民セカンドだった人たちに言われたくない。待機児童問題はこれまでにないスピード感でやっています。女性の皆さんはかなり評価してくれています」

 いじめられる小池VS.都民をないがしろにする悪党どもという構図を作りたいようだが、今度はそううまくいくか。
 『文春』で連載している元小泉首相の秘書・飯島勲(いいじま・いさお)が都議選を予測している。自民党は50議席を超える。「都ファ」はマックスで47から48議席。公明は13議席で、民進党はゼロか1議席と読んでいる。そうなれば蓮舫は辞任か。次もいないがね。
   

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   



 新聞やテレビの政治部記者は特定の政治家や今は多くはないが派閥担当をやらされる。

 私が編集者になった頃は、田中角栄が「今太閤」などと言われ、角栄率いる田中派が隆盛を極めていた。田中派を担当する記者たちも、他の派閥担当より誇らしげで、いかに自分が角栄と親しいかを滔々(とうとう)と述べる番記者も多かった。

 角栄が凄いのは、海外へ視察などに行くと、番記者全員に土産を買ってくるのだ。葉巻やネクタイ、中には時計をもらったと私に見せびらかす輩もいた。こうした連中は立花隆が『文藝春秋』で田中の金脈研究をやり、それがきっかけになって角栄が首相を辞めることになると、口々に「あんなことオレはとうに知っていた」と嘯(うそぶ)いたが、何のことはない、たとえ知っていたとしても書く気はまったくなかったのである。

 なぜなら、親分が失脚してしまったら甘い汁が吸えなくなるからである。

 為政者はそんな記者をうまく操り、自分に都合のいいことを書いたり喋ったりしてもらう。安倍首相は、そうした操縦術が巧みだと言われているが、角栄ほど人間的魅力がないため、それほど数は多くない。

 NHKの岩田明子、時事通信の田崎史郎、それに産経新聞の何人かの記者が「安倍御用達記者」といわれているようだ。

 TBSを辞めてフリージャーナリストになり、各局のワイドショーでコメンテーターをしている山口敬之も、安倍や菅官房長官と極めて親しいといわれている。

 1990年にTBSに入社。報道カメラマン、臨時プノンペン支局、社会部などを経て2000年から政治部所属、13年からワシントン支局長を務めていた。

 彼が出した『総理』(幻冬舎文庫)によると、小泉政権時代、官房副長官の時、安倍番になった。山口は安倍とは一回り違いで、政策を語り合ったりしたが、「時には山に登ったりゴルフに興じたりした」そうだ。

 親しい証拠に、第一次安倍政権の時、「安倍辞任」をスクープしたのは自分だと誇らしげに書いている。この本を書いたのも、安倍政権に対して繰り返される批判の多くが、特定のイデオロギーを支持し特定の政治集団に属する勢力によるプロパガンダの類で、安倍がどのように国家運営に向き合い、何を悩み何を目標としているのか知らない人間が大多数だから、至近距離で安倍を見てきた私が、安倍のやっている大変な苦労を知ってもらうために、この本を書いたと「まえがき」で述べている。

 これを読む限り、取材対象と一定の距離を置くという、ジャーナリストの基本が抜け落ちているような気がするが、本稿はそれを追及するものではないので、このへんに留めておく。

 その安倍首相とベッタリの彼に「準強姦逮捕状」が出ていたと『週刊新潮』(5/18号、以下『新潮』)が報じたのである。

 『新潮』によると、山口が海外でジャーナリスト活動をしている27歳の女性から、レイプされたと訴えられていたというのである。

 彼女はニューヨークの大学でジャーナリズムと写真を専攻していた。山口と出会ったのは2013年の秋頃。報道の仕事をしたいと言うとTBSのNY支局長に会わせてくれてランチを3人でしたというのだから、山口が支局長になる少し前のことのようだ。

 その後、彼女は帰国してトムソン・ロイターでインターンとして働きながら、就活していたという。英語力を生かしてアメリカで働けないかと考えたのであろう。15年の3月にワシントン支局長になっていた山口にメールをすると、しばらくこちらで仕事をしてもらいながら、その後正式に採用するということなら、自分が決済できるというような内容の返事があったそうだ。

 その後、「ヤボ用で一時帰国する事になった。空いてる夜ある?」というメールが来た。東京・恵比寿で会う約束をしたのが4月3日。

 その頃、山口は『週刊文春』に、ベトナム戦争時でも韓国軍に慰安婦がいたという原稿を寄稿した。だが、それをTBS側が問題にして、支局長の任を解かれ結局、退社することになるのだが、その辺は省く。

 二人だけで焼き鳥屋に入り、串焼き5本と瓶ビール2本をシェア、グラスのワインを1杯ほど、彼女は飲んだという。

 そこを出て、もう一軒付き合ってくれと言われ鮨屋へ入る。そこであなたの「良い評判を聞いていたので一緒に働きたいと思っていた」と山口が言ってくれたそうだ。

 だが、それまで頭がクリアだった彼女が、2度目にトイレへ行ったところでクラクラとして、給水タンクに頭を持たせかけ休んだきり、記憶がなくなったというのだ。

 彼女が覚えている限りでは、その店で刺身と日本酒2合をシェアしただけ。彼女は左党で、2人でワインのボトルを3本あけても平気なのに、あれぐらいの酒で記憶をなくすわけはないと話す。

 「私は薬(デートレイプドラッグ)を入れられたんだと思っています。身体に痛みを感じて目覚めた時、あの人が身体の上に乗っている状態でした」

 ここまではよくある男と女の痴話話だと読んでいたが、さすが報道の仕事をやりたいと言っていた彼女だけに、泣き寝入りはしない

 後日、その日2人を乗せたタクシーの運転手を見つけ出し、証言させているのだ。

 「その女性のことなら、よく憶えています。後部座席の奥側に彼女が座らされていたのですが、男性は彼女に“もっといい仕事を紹介する”と話していました。女性は何度か“駅の近くで降ろしてください”と訴えたのですが、男性が“何もしないから。ホテルに行って”と。(中略)到着しても彼女はなかなか降りようとしませんでした。けれど最終的には彼女は体ごと抱えられて、座席から降ろされたのです」

 それが午後11時22分。彼女が痛みを感じて意識が戻ったのは早朝5時頃。裸にされ相手が自分にまたがっているので、抵抗してトイレに逃げ込んだという。その際、避妊具をしていない相手の陰茎を見たそうだ。

 逃げようとしたがすごい勢いでベッドに顔と身体を押さえつけられた。激しく抵抗して2度目のレイプだけはやっと逃れたそうだ。

 気丈な彼女は、仕事を一緒にしようという話だったのに、なぜこんなことをするのか? しかもコンドームも着けずに。妊娠だって病気だってあるのにと言うと、山口は謝り、好きになってしまったから一緒にこのままワシントンへ行こう。途中でピルを買おうと言ったそうだ。

 彼女はすぐに警察に行こうと考えたが、捜査当局へ行ったところでもみ消されるのではないか、これが知られたらジャーナリストとして仕事ができなくなるのではと悩み、警察に行くまでに5日を要したという。

 高輪署の警部補に面会したが型通り、こういうことはよくある話なので難しいと言われた。だが、ホテルのエントランスとロビーについた監視カメラの画像を確認してもらうなどしたところ、「警部補の方も徐々に捜査に積極的になっていきました」(被害女性)

 そこからタクシーを特定し、ホテルのベルボーイの証言などを積み上げ、当夜、パソコンで裸を撮られているかもしれないという彼女の訴えに、証拠隠滅、逃亡の可能性もあるからと、「準強姦」の逮捕状が発付されたというのである。

 彼女が警部補から連絡をもらったのが6月4日。そして山口が異動のために帰国する6月8日、担当の警部補とその上司を含めた複数の警察官が逮捕しようと成田空港で待ち構えているところに、「山口逮捕は取りやめ!」という上層部からの連絡が入ったというのだ。

 TBSの記者を逮捕するのはオオゴトだと本部の広報課長が考え、刑事部長、警視総監に話が行き、なかでも菅の秘書官として辣腕をふるっていた中村格(なかむら・いたる、刑事部長・当時)が隠ぺいを指示したのではないかという「可能性が取り沙汰されてきました」(事件をよく知る警視庁担当記者)

 その中村は『新潮』の取材に対して、「事件の中身として、(逮捕は必要ないと)私が決済した。(捜査の中止については)指揮として当然だと思います」と、中止させたことを認めている。

 しかし、刑事部長が現場に口をはさむことに関しては、鹿児島県警本部長などを歴任した小野次郎前参院議員は、準強姦罪事件の逮捕は管轄の署長の判断で行なわれるものだから、そうしたケースは異例だと話している。

 山口は『新潮』の取材に対して、彼女に飲酒を強要したことはないし、デートレイプドラッグなど見たことも触ったこともない。彼女が酔っていて、自力で帰れるか心配だったので、やむなく宿泊施設へ来てもらったと話す。

 一切法に触れることはしていないし、任意の調査には全面的に協力した。安倍をはじめとする官邸首脳には相談していないと否定している。

 だが、コンドームを着けないで性行為をしたことを難じる彼女のメールに、自分は「精子の活動が著しく低調だという病気です」という弁明をしている。精子が働かないから、妊娠はしない。だから安心してくれということか。

 彼女は検察審査会に不服の申し立てをするつもりだという。山口は自身のフェイスブックで「6月8日の帰国段階で私は、当該案件について逮捕状はおろか、被害届が出されている事も内偵調査が行われている事も全く知りませんでした。出ているかどうか知りもしない逮捕状を握りつぶすために何かアクションを起こす事は誰にもできません」と反論している。

 だが『新潮』を読む限り、警視庁担当記者は山口が帰国する以前の段階で知っていたようだし、山口は、一切法に触れることはしていないと言っているが、酔った女性をホテルに無理やり連れ込み、彼女の自覚がないのをいいことに、防具なしで無理やりセックスするというのは、安倍首相のお友達ジャーナリストとしては褒められた行為ではない。

 山口がよく出ていたフジテレビの朝の「とくダネ!」でも、姿を見なくなった。

 『総理』の文庫版の解説を『週刊文春』の新谷学(しんたに・まなぶ)編集長が書いている。そこで「徹底的に(安倍首相の=筆者注)ディテールを書き込んでいる。そこに彼のプロフェッショナルとしての凄みを感じる」とべた褒めしているが、女性との距離感の取り方はわかっていなかったようである。

元木昌彦が選ぶ週刊誌気になる記事ベスト3
 美人はなぜ、しょうもない男に惚れるのか。細木数子でなくても、このカップル、すぐ別れるというのは私でもわかる。フジテレビ朝のワイドショー「とくダネ!」は、毎日朝飯を食べながら見ているから、菊川怜の結婚はわが娘が嫁ぐような気がする。幸せになってほしいと思うが、週刊誌の報道通りなら、ちと心配やな

第1位 「『菊川怜』を射止めた女難花婿」(『週刊新潮』5/18号)/「菊川怜(39)と再婚IT長者穐田誉輝(48)には婚外子が3人」(『週刊文春』5/18号)
第2位 「『うんこ漢字ドリル』の社会的考現学」(『週刊新潮』5/18号)
第3位 「山下智久・石原さとみ『半同棲生活』撮った!」(『フライデー』5/26号)

 第3位。『フライデー』によると、山下智久(ともひさ)と石原さとみが「半同棲生活」を送っているという。山下はともかく、石原さとみは今一番いい。

 「4月下旬のある日のこと。
 石原さとみ(30)の自宅マンション裏口に、所属事務所の送迎車が停まった。時間は夕方6時過ぎ。これから仕事なのだろう。と、ほぼ同時に『迎車』のタクシーが登場。送迎車の後ろにつけた。
 送迎車は石原をピックアップすると、すぐに発進。後を追うようにして、マンションから出てきた男がタクシーに乗り込み、発車した。タクシーの後部座席には、シートにもたれながら、スマホをイジる山下智久(32)の姿があった。
 その後、タクシーは山下の自宅へ──」

 山下は現在、連ドラ『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)に出演中。次クールのフジの月9『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~』新シリーズへの出演も決まっている。とにかく忙しいはずなのだが……現在、山下はガッツリ、石原と一緒に過ごしているのだった。たまのオフなら、この熱量も理解できよう。だが、翌日もその次の日も、山Pは石原宅で密会を重ねていた

 『山Pと石原は15年にフジの月9で共演。最終回の長く、甘いキスシーンが「キュンキュンする」「こんなんされたら惚れてまうやろ!」と話題になりました。で、実際に恋仲になったんですが、それはドラマが終わってしばらくたってから。ここ1年くらいのはずです』(中堅スタイリスト)

 「4月9日の山下の誕生日には、原宿駅近くで誕生日デートをしたと『女性セブン』が報じている。
 その直後から、二人の密会場所が山下宅から石原宅に変わったところを見ると、マスコミの目を気にしたのだろう。
 だが──通い愛が終わるどころか、『時間が許す限り一緒に過ごす』という、半同棲状態へ二人の仲は進化した。
 次の段階、すなわち結婚への発展に障害は、いまのところ見当たらない」(『フライデー』)

 うらやましいけど、まあいいか。

 第2位。わが家には17歳のモエという老犬がいる。目はだいぶ見えなくなっている。耳はほとんど聞こえない。おまけに認知症がかなり進んでいる。
 だが食欲だけは衰えない。食事時になると、私の横にベッタリ座って、何かよこせとうるさい。キャベツが好きで、誕生日には丸ごと与えるが、ほとんど残さない。食べていなければ寝ている。最近困るのは、足の踏ん張りがきかないから、真後ろにばたりと倒れる。それと同時にうんちを漏らすのである。食事時でも、部屋のあちこちで滑ったり倒れたりする。あちこちにコンモリとうんちの小山ができる。そのたびに食事を中断してふき取るのだ。さほど匂いがしないので助かっているが。
 彼女が、オマエももう少ししたらこうなるのよと教えてくれているのだと思うと愛おしい、まだ長生きしてもらいたいと思う。これはペットロスの歌。

椅子を見る いつでも不在肘掛けに鼻面のせる犬を欲しけり(佐藤南壬子(なみこ))

 ところで、ちんぽの次はうんちだそうだ。『うんこ漢字ドリル』(文響社)という小学生向け教材が5刷り84万部だと『新潮』が報じている。
 小学校で習う漢字は1006字だそうだ。一つひとつに書き順などの解説文を添えて読み書きを学べるそうだが、すべての例文に「うんこ」の3文字が入っているのだ。例えば、

 「ぼくは、六月になるまでうんこをしないぞ」「田んぼのどまん中でうんこをひろった」「大学生が、うんこを□小(しゅくしょう)コピーしている」「うんこで前が見えないので、一度車から□(お)りる」(□は書き取り用の空欄)

 教育評論家の尾木直樹によると、小学校低学年の男子はおしりとかうんこという言葉が大好き。一方で母親はうんこを忌み嫌うので、子供はますます興味を持つそうだ。「自分の体から異物が出てくることの意外性に、子供は反応するわけです」
 評論家の唐沢俊一によると、フロイトは、性的感覚が目覚める2~4歳ぐらいの幼児期を「肛門期」と名付け、排せつ時に味わう快感は大人になって味わうセックスの前兆ととらえたそうだし、『東海道中膝栗毛』の原典にはセックスやスカトロの話が出てくる。これは堅苦しい武家社会に対する庶民の反骨心の表れだそうだ。
 アニメに『うんこさん』、映画にも『東京うんこ』というのがあるそうだ。永六輔はうんこの話が好きだった。こんなものいらないと思っても、一日一回はしゃがまなくてはならない。うんことちんぽ、どちらが……いや、やめておこう。今年の出版界はこの二つが引っ張っていくのかもしれない。

 第1位。フジの朝の顔「とくダネ!」に出ている菊川怜(39)が発表した結婚相手に、「婚外子が3人」(『文春』)いると『新潮』も報じている(編集部注:『文春』5/25号の続報で第4の婚外子の存在が明らかにされた)。
 こういうものをやらせたら『新潮』に一日の長があるので、『新潮』から引用する。
 菊川は、桜蔭高校から東大工学部を出た才媛。才色兼備で、小泉進次郎などと噂にはなったが、とんと浮いた話はないようだった。
 それが4月28日、自分が出ている「とくダネ!」で突然、結婚したことを報告したのだから、相手は誰だと大騒ぎ。
 元クックパッド社長で現オウチーノ(不動産・住宅情報サイト運営会社)会長、個人資産230億円超ともいわれるIT長者の穐田誉輝(あきた・よしてる、48)だと判明して、お祝いムードかと思ったらそうでもないようだ。
 一枚のペーパーが週刊誌魂に火をつけてしまったのである。そこには「通知人(註・穐田氏)としては、平穏な生活を送ることを希望しており、私生活上の事実を取材されること及び報道されることを望んでおりません」とあり、もし書くのなら、実名ではなく、プライバシー侵害をしないでくれ。これを守らないならば法的措置を取ると加えてあった。
 こりゃダメだ。私には隠したい過去がありますから、どうぞ取材してくださいというようなものである。
 彼は青山学院大学を出てベンチャーキャピタルなどを経て、2000年に商品の比較サイト「カカクコム」を上場させるために入社、後に社長。07年に料理のレシピサイト「クックパッド」の取締役に入り、同社を上場させた。
 同社が上場すると巨万の富を得たという。だが、社長になったが、創業者と意見が合わず、昨年3月に退社させられてしまう。「オウチーノ」を買収して現在に至っているそうだ。
 ITバブル紳士というところか。しかもイケメンだからよくモテたようだ。10数年前に最初の結婚。「クックパッド」では、社内の女性とのことが話題になり、奥さんが弁護士を連れて会社に乗り込んできたという。
 その後妻とは別れて、新しい女性と結婚したのが12年10月。その女性との間には2人の子供がいる。当然、菊川と結婚するのだからこの女性とも別れてしまったのだろう。
 だが「クックパッド」で芸術関係の仕事をしている女性とも懇ろになり、子供までできた。生活費を払っていたが認知はしていないそうだ。そして、この女性とも別れたようだ。
 『文春』によれば、菊川と入籍したのが4月27日。その入籍した日に穐田は、内縁関係にあった件の女性との間の子供と、月に1度の面会日だったがドタキャンしたそうだ。
 その女性は、その後菊川と結婚したことを知り、大きなショックを受けた。『文春』によれば、彼女が妊娠中にも穐田が「話がある」と言い、前に付き合っている女性がいて生活の面倒を見ているが、その人が妊娠したと打ち明けられたというのだ。そのときは自殺も考え、精神科に通院したという。
 彼女が明かすには、穐田は避妊をしないそうだ。「子供ができたら産めばいい」。そういうセックスだから、あちこちに子供をつくってしまうのだろうか。
 バブルで儲けたアブク銭があるから、子供ができたって生活費と養育費を払えばいいんだろ。そう考えてはいないだろうが、こちらもあまり褒められた生き方ではない。
 賢い菊川のことだから、こうしたことまで知ったうえで、この男が人生の伴侶としてふさわしいと決断したのだろう。世の中には、こんなダメ男がどうしてこんないい女と結婚しているのかと思わせる不思議なカップルが大勢いる。
 決してあなたたちがそうだというわけではないがね。
   

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   



 マリーヌ・ル・ペン(48、以下ルペン)は1968年、パリ郊外ヌイイ=シュル=セーヌに生まれた。

 父親ジャン=マリー・ルペンは1972年10月にアルジェリア独立反対派など右派勢力を結集して創設した国民戦線(FN)の初代党首で、その三女。

 「8歳の時に父を狙ったと思われる爆弾テロに姉と共に巻き込まれ、自宅をダイナマイトで爆破されたうえに溺愛していた犬が巻き込まれて死んでしまう悲劇に見舞われた(犯人は未だに捕まっていない)。またマリーヌは学校ではいじめられっ子であった。父が唱える意見は当時のフランスでは異端と捉えられており、学校では『悪魔の娘』とはやし立てられた。
 パリ第二大学で法学の学位を修得した後、弁護士として働いた。2002年『ルペンの世代』代表。『ルペンの世代』は、青年にルペンの思想と業績を宣伝・普及するために設立された組織である。2003年4月国民戦線副党首(定数8名)に選出される」(ウィキぺディア)

 2007年に父親は彼女を後継者に推薦し、2011年に党首に就任。反EUを掲げ、EU離脱を問う国民投票を実施すべきだと主張している。2005年の移民による暴動、2015年に起きたシャルリー・エブド事件などで、イスラーム系移民に対する反感が強まっているフランスで急速に支持を伸ばしてきた。

 4月23日に行なわれたフランスの大統領選では、左右の既成政党の候補を破り、オランド政権で大統領補佐官、経済相を務めたが議員経験はない39歳のエマニュエル・マクロン候補とともに決選投票に進んだ。

 アメリカに続いてフランス版トランプ誕生かと大きな話題になり、トランプ大統領はもちろん、ロシアのプーチン大統領も肩入れする姿勢を鮮明にしていた。

 10%超の高失業率と経済の低迷、相次ぐイスラム系テロリストによる爆破事件で、いまや「フランス病」とまでいわれる現状に不満を持った人たちが、「フランスファースト」を声高に叫ぶルペンに一票を投じたが、結果はマクロンが66.1%とルペンの33.9%を大きく引き離し、史上最年少の大統領に選ばれた。

 だがルペンは笑顔で敗北宣言をし、政界で異端児されてきた同党は一躍、主要野党の一角に台頭したのである。

 もし、ルペンが大統領になったら、日本にどのような影響があるのかについての報道は多くはなかったが、『週刊新潮』(5/4・11号)の「『ルペン』仏大統領なら日経平均大暴落でルンペン気分」は、『新潮』ならではのひねったタイトルの記事だった。

 同誌は5月7日の決選投票でルペン大統領誕生もありうる、としてこう続ける。彼女の政策は反イスラムと反EU。当選すれば日本も無傷ではすむまい。パリ特派員はルペンの戦略をこう評価している。

 「2年前にルペン女史は父親を党から追い出して、レイシストのイメージを薄めることに腐心して来ました。5年前の大統領選挙では3位となり、政権を脅かす存在になったのです。女史自身は弁護士出身で、これまで2回結婚しており、3人の子供がいる。現在は独身ですが、恋人は国民戦線の副党首です」

 フランスはEUの創設国だから、通貨もユーロ。離脱すると一気にユーロが不安定になる。円高ユーロ安が急激に進めば、日経平均株価は急落してしまいかねないと、シグマ・キャピタルの田代秀敏チーフエコノミストが解説している。

 マクロン大統領で、日経平均株価も大幅に値上がりした。まずは目出度し目出度しとなるのかというと、そうではないようだ。

 高校時代の恩師で25歳上の人妻と大恋愛の末に結婚したマクロン新大統領だが、テロ対策を含めて難問が山積していることはもちろんのこと、6月の総選挙で過半数を得て政権基盤を固めたいところだが、彼が自らの政治運動「前進」(編集部注:5月8日に政党として「前進する共和国」に名称変更)を立ち上げたのは1年前で、公表している公認候補はわずかに14人だけだと報じられている。

 前途多難を絵に描いたような新大統領だが、今、フランスで話題になっている本がある。『服従』(ミシェル・ウエルベック著、河出文庫)がそれである。

 小説の舞台は5年後の2022年の大統領選。決選投票でルペンとイスラーム同胞党のモアメド・ベン・アッベスが1位と2位になる。

 ファシストかイスラム主義者かという究極の選択をフランスの有権者は迫られるのである。

 左派社会党と保守中道派の国民運動連合は、ファシストよりイスラム主義者のほうがましだと考え、決選投票でアッベスを支持するように訴える。結果、アッベスが勝利するのだ。

 解説で作家の佐藤優(まさる)は、友人のイスラエルの友人の言葉として、フランスの反イスラム感情は根強いから、そんなことはあり得ないが、いずれの政権ができるにせよ、フランスはそれを打倒するレジスタンス運動が起きると答える。

 だが、この本がヨーロッパで大きな衝撃を与えているのはなぜか? 友人は「『イスラーム国』への恐怖心と、ヨーロッパ人のイスラーム世界に対する無理解だ」という。

 さらに「ギリシャ危機に象徴されるが、EUの通貨統合も危機的状況になっている。一〇年前ならば、EUに共通通貨ユーロが導入されたのだから、次は政治的統合と考えられていた。しかし、現在、EUが経済的、政治的に統合できると考えているヨーロッパ人はいない。EUは再び分解過程を歩み始めている。EUが分解し、ドイツとフランスが対立するようになると再び戦争が発生するのではないかという不安がヨーロッパ人の深層心理に潜んでいる」と加える。

 そうなるよりも、イスラム教のもとでヨーロッパの統一と平和が維持されるほうがいいのではないかと、この本の筆者は提示しているのではないか。

 こうした、いままでの価値観が崩れた時、たとえばソ連では、忠実な共産党員だったモスクワ国立大学や科学アカデミーの教授や研究者の大多数が、一瞬にして反共主義者になったと佐藤は話す。この本を読むと、人間の自己同一性を保つにあたって、知識や教養がいかに脆いものであるかということがわかる。

 それに比べて、イスラムが想定する超越神は強いと佐藤は結ぶ。

 トランプやルペンのような人間は時代のゆがみにたまたま出てきた泡のようなもので、その先は、人間が絶対服従する創造神を崇める勢力が世界を支配する時代が来るのかもしれない。どこへ行くにしても、今回のフランス大統領選は一つの通過点なのであろう。

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 安倍首相は二重人格者である。自分を応援してくれる「日本会議」へのビデオメッセージで、2020年までに憲法改正をやりたい、自衛隊を明文化したいと言い、読売新聞の単独インタビューでも同様のことを言った。そのことを国会で野党に追及されると、あれは自民党総裁としての意見。今は総理だから憲法についてはここでは話さない。自分のいい分は読売新聞に載っているから読んでくれと言ってのけた。これでは国会などいらない。そう思うのだが、いかがだろうか。

第1位 「北朝鮮・金正恩をなぜ暗殺しないのか」(『週刊現代』5/20号)
第2位 「小池都知事の『超豪華クルーザー』に都税20億円が消える!」(『週刊ポスト』5/19号)
第3位 「巨象・三菱重工が東芝みたいになってきた」(『週刊現代』5/20号)

 第3位。『現代』によると、巨象・三菱重工が東芝のようになってきているという。
 それは、去年、17年3月期には営業利益3500億円を確保すると言っていたのに、4月26日、東京証券取引所が運営する情報伝達システム上に三菱重工をめぐる情報が映し出され、「火力事業の売上高の減少」「商船のコスト悪化」「MRJ(三菱重工が開発している国産ジェット旅客機)の開発費増加」などの損失イベントが次々に起きているために、営業利益が従来予想を下回る1500億円程度になりそうだという見通しに、衝撃が走ったというのである。
 なかでも象徴的なのが、半世紀ぶりの国産旅客機と期待されたMRJが、08年の開発開始から5度も納入延期し、「飛ばないジェット機」と化しているそうだ。
 それに大株主の三菱UFJフィナンシャル・グループが、三菱重工の保有株数を大きく減らしてきているともいわれる。
 売却できる資産もあり、財務的な余力もあるが、本業で稼ぐ力が低下している可能性があり、ここ1年が三菱重工にとって収益力改善の正念場になると見る向きがある。どこもえらいこっちゃ。

 第2位。今週の『ポスト』で唯一読みごたえがあったのは、小池都知事と超豪華クルーザー問題である。
 このクルーザーはVIP接待用で、20億円もするという。
 計画されたのは舛添要一知事時代。来客を迎えるのに民間の施設では格が下がると、五輪に合わせて浜離宮庭園に約40億円かけて「延遼(えんりょう)館」(明治期の迎賓館)を再建することを決定し、来賓をクルーザーで羽田空港からそこまで送迎するため、クルーザー建造計画が持ち上がったという。
 だが小池知事になってから五輪予算に大ナタが振るわれ、「延遼館」は凍結されたが、クルーザーは計画通りに続行されたというのだ。
 都政を監視する「行政110番」主催者の後藤雄一元都議は、税金の無駄遣いの典型だと批判する。
 それに、豊洲や五輪施設については、細かいコストまで開示しているのに、このクルーザーに関しては一言も触れないのが不可解だという。
 東京五輪の期間は短い。その間、民間の豪華遊覧船でも借りて済ませることができるはずだ。
 まさか、小池にこうした貴族趣味のようなものがあるのではあるまいな。そのうち、私も都知事専用のプライベートジェット機でも欲しいと言い出すかもしれない。
 この豪華クルーザー建造も、都議選のテーマにしたらいい。私はもちろん反対だ。

 第1位。今週の第1位は『現代』の物騒な記事。アメリカは「金正恩(キム・ジョンウン)斬首計画」はとっくに練り終わっていて、トランプ大統領がゴーサインを出せば、議会の承認なしでいつでも実行できる状態にあるという。
 「トランプ政権が、4月上旬に開いたNSC(国家安全保障会議)で示された『有力プラン』は、以下の2つの作戦です」(クリントン大統領時代に米CIA長官を務めたシェームズ・ウールジー)
 1つは空爆による暗殺。2つ目は、北朝鮮内部の協力者に暗殺させる方法だという。
 この内部協力者に暗殺させる方法は金正日(キム・ジョンイル)時代に数回実行されているというのだ。
 04年4月、北朝鮮と中国の国境の街・龍川(リョンチョン)の駅で突如大爆発が起き、1500人以上が巻き込まれたが、これは、この駅を通るはずだった金正日専用列車を狙い、爆破させるものだった。
 事前に中国側がこの計画を察知し、列車の通過を早め、予定時刻にダミー列車を走らせたため、金正日は無事だったという。
 だがこの斬首計画、もし失敗すれば、金正恩は「即時にせん滅的攻撃を加え、核戦争には核攻撃戦で応じる」と言っているから、全面核戦争になる恐れがある。
 そうなれば韓国や日本は、大きな被害を受けること間違いない。
 『現代』によると、北朝鮮ではすでに2回も、金正恩を内部で暗殺しようという試みが行なわれているという。
 いずれも未遂に終わっているが、そうした内部のクーデターのような格好で金正恩体制が崩れる可能性は大いにあるだろう。
 こうした「金正恩斬首」という話は反北の国々で広がっているのかと思っていたら、今回のトランプの北朝鮮への恫喝に対抗するためだろうか、金正恩側から「俺を斬首しに来たアメリカ人を逮捕した」と言い出したのである。
 「北朝鮮は6日、米国市民のキム・ハクソン氏を北朝鮮への敵対行為を働いた容疑で拘束した。朝鮮中央通信が7日、伝えた。キム氏は平壌科学技術大学に運営関係者として勤務していたという。北朝鮮が抑留する米国人は計4人になった」(5月8日付朝日新聞より)
 北にいる米国籍の人間を「盾」にして、アメリカからの空爆や暗殺計画を防ごうというのだろうか。
 北とアメリカの緊張状態はいつまで続くのだろう。こうなれば北も核実験はおいそれとはできまい。トランプは振り上げたこぶしをどこへどのように降ろすのか。
 これほどの重大な危機なのに、日本はアメリカに追随するだけで、平和的な解決への道を探ろうという努力はほとんどしていないように見える。
 これが安倍政権の限界ということだろうが、日本人が黙ったままでいいのか。憲法改正よりも、日本という国が憲法で謳っている「平和主義」が御題目ではないことを、アジアに、世界に知らしめるために、声を上げようではないか。
   

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦