コトバJapan! 板津久作 の 記事一覧

板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。


 インターネットなど情報通信技術(ICT)を活用し、自宅など会社以外の場所で働くことをさす。「tele」(離れた)、「work」(働く)を合わせた造語である。2016年、政府の「働き方改革実現会議」(議長・安倍晋三首相)がその推進を、目玉として掲げた。

 テレワークが普及することで、子育てや介護に携わる人が働きやすくなる。また、会社への通勤が不要になることで、通勤ラッシュや交通渋滞も解消することが期待される。自宅でリラックスして仕事をするためか、労働生産性も向上するとのデータもある。総務省によると、100人以上の企業でその導入率は13.3%。政府は2020年までに30%超の導入を目指す。

 働く身にとって期待度が大きいテレワークだが課題も少なくない。

 経営者側からすれば、労務管理をどうやって行なえばいいかの問題がある。上司の目が届かないことから「さぼろうと思えば、さぼり放題だし、一生懸命仕事をしていても評価してもらえないかも」との指摘がある。普及のためには、労働実績をどう評価するか、仕組みをつくっておく必要がある。

 上司や部下、同僚のコミュニケーションをどうやって確保するかも課題だろう。日頃、テレビ会議などで意見交換などをやっていても、やっぱり顔を突き合わせて話し合うことが欠かせない。

 社外の通信回線を使うことで機密情報が流出するリスクもある。セキュリティー対策も必要だ。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   



 政府が導入する新たな大型連休。公立小中高校の長期休暇を自治体ごとに分散させる方式をとる。導入は来年度(2018年4月)から予定している。一部自治体では、2017年中にも試験的に実施し、18年度から全国展開を目指す。

 新たな大型連休といっても子どもたちの「年間総休暇日数」が増えるわけではない。

 例えば、夏休みを5日間減らし、その分を春や秋などの平日にまわすだけだ。しかし、前後の土日を合わせると9連休ができあがる。「キッズウィーク」に合わせ親が休暇を取得すれば、家族でちょっとした旅行も可能だ。自治体ごとに休日を分散化させることで、夏の観光混雑も回避できる。

 政府は2017年の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)にキッズウィークを盛り込んだ。安倍内閣の看板政策である「働き方改革」の一環との位置づけ、導入促進に向け懸命に旗振りする。経済界にもキッズウィークに合わせた親の有給休暇消化促進を後押しするよう要請する方針だ。

 キッズウィーク導入の背景には景気対策の側面も見逃せない。新たな大型連休の導入で観光産業を中心に内需が上向くとの期待も大きい。観光以外にも新たに「キッズウィーク商戦」が起こるだろう。

 例えば塾産業。キッズウィークに合わせて受験対策の集中合宿のプランを設け、休暇のキッズたちを囲い込むことも考えられる。

 もっとも、自営業を営む親や零細企業のサラリーマンは満足に休暇をとれないのが実情だ。その場合、家で誰が子どもの面倒を見るのか。結局、小学生の子どもなら学童保育で休暇を過ごすことになりやしないか。
   

   

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 現在、世界各国で開発が進められている携帯電話などの新たな通信方式(規格)。

 スマートフォンなどに使われている現在の方式に比べて、通信速度は100倍。通信容量は1000倍に高まるとされる。例えばDVD画質の2時間の映画をネットでダウンロードする際、現行のLTEという方式なら、5分程度かかるが、これが5Gだと数秒で済む、といった具合だ。日本では、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年を目途にサービスが始まる予定だ。

 あらゆるモノがインターネットに繋がる「IoT」の普及が進んでいるが、これに5Gが加われば、可能になるサービス、用途は広がるだろう。我々の暮らしや働き方もずいぶんと変わるはずだ。

 例えば土木現場。ブルドーザーなど建機(建設機械)に搭載したカメラで現場を撮影し、遠く離れたオフィスでその映像を見ながら作業員が建機を操縦する。正確な位置情報は日本版GPSで入手できる。

 テロ対策で言えば、監視カメラや空中のドローンに搭載したカメラのデータを5G経由で解析センターに送り、テロリストの怪しい動きを把握するなどしてテロ活動を未然に防ぐこともできる。

 スポーツ観戦やコンサートでは、会場の観客はこれまで以上にスリリングなスポーツ観戦、コンサート鑑賞を楽しむことができる。例えばサッカーのゴールシーン。ゴールポストに設置したカメラから送信された、臨場感いっぱいの映像を観客は手元のスマホで楽しめる。AR(拡張現実)やVR(仮想現実)を送信することも可能で、コンサートではより凝った演出が行なえる。車を5Gでつなぎ、渋滞緩和に役立てることもできるだろう。

 5Gが経済分野で新たな市場を作り出すのは間違いない。

 その際、留意すべきことがある。かつて日本の規格やサービスが国外に広がらず「ガラパゴス化」して国際市場から排除された苦い経験がある。5G実用化に向け、世界的な規格統一などの作業は必須だ。
   

   

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