コトバJapan! 暮らし の 記事一覧


 新米のママは、寝かしつけや夜泣きに悩まされるもの。最近の若い世代は親戚づきあいなどが少なく、育児の知恵が継承されにくいようで、昔ながらの「おくるみ」もよく知らない世代が増えた。

 赤ちゃんはそれまでずっとママのお腹にいたので、少し動きにくいほうがかえって安心するという。だから、全身を布で包んであげると、眠りに誘いやすい。突然ビクッとなる「モロー反射」を抑えて、夜泣きを止める効果もある。

 こうしたテクニックは日本だけの話ではない。欧米版のおくるみは「スワドリング(swaddling)」と呼ばれている。赤ちゃんの腕が下がった状態で、スワドルと呼ばれる布をしっかりと巻き込み、腕を動かなくするのがコツだ(見た目が可哀想だからとゆるくしては意味がない)。近年ではaden+anais(エイデンアンドアネイ)のスワドルが人気となっている。イギリスのキャサリン妃がロイヤルベビーに用いてからだ。

 ちなみにいま、このスワドリングのオトナ版が健康法として話題を呼んでいるという。その名も「おとなまき」(おくるみの一種、「おひなまき」から来ている)。育児中のママは肩や腰の痛みに悩まされるということで、その解消をはかるものだ。おとなが全身布にくるまれてユラユラする様子は、さながらミイラのようで一瞬ギョッとしてしまう。が、そのユニークさは海外でもちょっとした話題になっているらしい。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 今年4月にスタートした「都市ガスの小売り全面自由化」を受け、7月から東京電力ホールディングスが都市ガス事業に新規参入した。

 調理をしたり、お湯を沸かしたりするガスは、今や暮らしに欠かせないインフラのひとつ。家庭で使われているガスには、おもに都市ガスとプロパンガス(LPガス)があるが、今回、全面自由化されたのは前者の都市ガスだ(プロパンガスは自由化済み)。

 都市ガスの原料である液化天然ガス(LNG)は、海外から船で運ばれた後タンクで貯蔵され、地下に埋められた導管を通じて工場や一般家庭に供給される。導管設備がなければ利用できないこともあり、一部のガス会社が地域のガス供給を独占する状態が続いていた。

 だが、ガス事業法が見直され、1995年に巨大工場へのガスの供給が自由化されたのを皮切りに、徐々に供給先が広げられてきた。そして、2017年4月からは一般家庭への小売りも解禁され、全面的に都市ガス販売が自由化される運びとなった。

 電気の自由化のときは電気使用量などを遠隔で確認できるスマートメーターへの付け替え工事が必要だったが、都市ガスの自由化にはメーター等の交換は必要ない。導管の管理、メーターの検針などはこれまで通りに都市ガス会社が行ない、その導管を通じてその他の事業者も一般家庭にガスを販売することができる。

 新しいガス会社への切り替えは、とくに工事などは必要なく事務手続きだけで済む。ガス代の支払い先が変わるだけで、ガスの使用方法などはとくに変わらない。

 だが、顧客獲得を目指して新規参入企業は価格競争をして割安な価格設定をしているため、一般消費者は契約するガス会社を切り替えると、これまでよりもガス料金が安くなる可能性があるのだ。

 ただし、都市ガスの原料であるLNGを海外から調達できる事業者は限られており、今回、都市ガスの小売り事業に新規参入したのは、東京電力のほか、関西電力、九州電力などの電力会社が中心。電気とのセット販売によって価格を引き下げて顧客獲得を狙っているようだ。

 参入企業が限られているため、都市ガスの自由化は、電力自由化に比べていまいち盛り上がりに欠けている。資源エネルギー庁によれば、切り替えの申し込みは6月30日現在で29万106件。都市ガスの利用世帯に占める比率は、わずか1%だ。

 ガス料金が安くなるのに切り替えが広がらないのは、都市ガス自由化の認知度が低いこともあるが、新規参入した事業者が電力会社が中心ということも無関係ではないだろう。

 東日本大震災によって東京電力の福島第一原子力発電所は、未曽有の原子力災害を引き起こした。その事故処理も終わっていないのに、次々と原子力発電所を再稼働していく電力会社と国に対して不信感を抱いている国民も少なくない。自分のお金をどのように使うかは、自分が望む社会をつくることにもつながる。

 今回、都市ガスの切り替えの反応が鈍いのは、価格が安いことだけが事業者選びのポイントではないことを国や事業者に知らしめる無言のアピールなのかもしれない。
   

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   



 カギや電子機器、財布などの貴重品……、よくモノを落っことして困るタイプには、福音となったことであろう。紛失物の追跡ができる無線タグ「MAMORIO(マモリオ)」が話題だ。「なくすを、なくす」がキャッチコピーとなっている。

 MAMORIOは重さ3gで縦35.5mm×横19mm×厚さ3.4mとごく小さいので、財布やキーケースなどの中に入れておくのもわけがない。スマホのアプリと同期して、タグとのあいだに一定の距離ができる(無線の接続が切れる)と、自動的に通知が届く仕組みだ。紛失に至った場合でも、GPS機能を使ってその場所が地図上に示される。

 ただし、位置情報はあくまで「最後になくしたときの場所」。いまタグが実際にある位置ではない。警察に届けられる、持ち去られるなど、忘れ物の位置が変わった場合には当然わからなくなる。こういうとき、「みんなで探す」機能(クラウドトラッキング機能)を活用することもできる。ほかのMAMORIOユーザーが忘れ物に取り付けたMAMORIOとすれ違った場合、現在の位置情報が更新されるのだ。「誰か」と協力する感じがユニークなアイディアだ。

 その機能性には鉄道会社も飛びついた。現在、首都圏の東京メトロや小田急では、忘れ物自動通知サービスの実証実験が行なわれている。忘れ物センターに届いた荷物にMAMORIOのタグが付いていた場合、その旨を知らせてくれるのだ。鉄道会社において忘れ物の管理は甚大なコストになり、今回の試みで一定数を減らせるのでは、と期待されている。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高