類は友を呼ぶ。安倍首相と親しい人間たちの質の悪さは稲田朋美防衛大臣を見ればわかろうというものである。

 国有地売却問題をめぐり安倍首相夫妻の関与疑惑が浮上している森友学園だが、稲田防衛大臣も籠池(かごいけ)前理事長とは懇意で、顧問弁護士をしていたにもかかわらず、国会で質問されると、最近は会っていない、顧問などしていないと言い張った。

 籠池本人から2年前にも会っていると言われ、顧問弁護士をしていた証拠書類が出てくると、いけしゃあしゃあと謝る姿は醜悪というしかない。

 森友学園がつくる小学校の名誉校長を安倍首相の妻・昭恵が務めていたことも含めて、疑惑が山盛りだが、そこに今度は安倍の「刎頚(ふんけい)之友」である学校グループ・学校法人加計(かけ)学園のトップ、加計孝太郎にまつわる大疑惑が噴出したのだ。

 『週刊現代』(3/25・4/1号、以下『現代』)によれば、問題のその建物は田んぼの中に民家とため池が点在するのどかな淡路島の南部にあるという。

 土地と建物を合わせた評価額は30億円近いという公有地だから、8億といわれる森友学園とはケタが違うのだが、それを加計学園は12年にタダで手に入れたそうだ。

 加計氏と安倍首相の交友は30年以上前から。「安倍総理は大学卒業後、アメリカへ留学した時に加計氏と知り合ったと聞いています。加計学園が運営する大学に千葉科学大学(銚子市)があるのですが、この開学記念式典(05年)、そして10周年記念式典(14年)に総理は出席し、『私と加計さんは、どんな時も心の奥でつながっている腹心の友』とまで話している」と、自民党ベテラン議員が証言している。

 この大学は日本で初めて危機管理学部を開設したことで有名だそうだが、それも北朝鮮の拉致問題に熱心だった安倍が、「これからは日本にも危機管理のプロが必要だ」と公言していたのと関係があるのではないかと言われているようである。

 このグループの中で最も歴史の古い大学、岡山理科大学の新校舎が完成した際には、安倍はビデオレターで祝辞を寄せた。

 また、妻の昭恵は、ここが運営する神戸市の保育施設「御影(みかげ)インターナショナルこども園」の名誉園長に就任しているのも、森友学園疑惑と似た構図である。

 冒頭の物件は『現代』によると、もともと兵庫県立志知(しち)高校があったが、生徒数減少のために廃校となった。

 その後、大阪府に本社があるパチンコ機器メーカーがこの「跡地を買って、工場か倉庫を建てたい」と手を挙げた。

 その社長は南あわじ市の出身で、故郷に利益を還元したいという思いもあったそうだ。市の担当者とは20回以上もやり取りをしていたそうだが、その交渉の最中に突然、地元紙の神戸新聞に「志知高校跡地に吉備国際大が候補に」という記事が11年10月に出たのだ。

 吉備国際大学というのは加計氏の姉が理事長を務め、グループの学校法人順正学園が経営する。主なキャンパスは岡山県高梁(たかはし)市にあるそうだ。

 『現代』によれば、当時の南あわじ市長と順正学園は水面下で交渉を始めていて、完全にトップダウンの決定だったという。第一、岡山県にある大学のキャンパスがなぜ兵庫県の淡路島にできるのか? 首を傾げざるを得ないが、不可解なのはそれだけではなかった。

 ある市政関係者が匿名を条件にこう明かす。

 「順正学園に土地をタダで使わせ、建物と設備を無償譲渡して、市が共同で校舎を整備する、という計画書が市長からいきなり出てきた。しかも費用20億円のうち、13億円強を市が負担することになっているうえ、学生が南あわじ市に住民票を移せば、1人あたり30万円まで補助金も出すと」

 しかも計画書に書かれている「教育・研究設備(図書含む)」費が5億円とあるのは、水増しではないかと訝る声もあったが、市議会で圧倒的に強い自民党と市長が押し切り、アッという間に通ってしまったそうだ。

 さらに不可思議なのは、南あわじ市は豊かな自治体ではないことだ。当時の市税収入は年間およそ60億円で、土地と建物をタダで提供するばかりか、税収の6分の1以上を順正学園に補助金として「献上」しようというのだから解せない。

 当時の市議会で反対意見を述べた蛭子(えびす)智彦市議がこう言う。

 「調べてみると、これまでに順正学園は、高梁市で約60億円、系列の九州保健福祉大学がある宮崎県延岡市でも約90億円の支援を受けています。(中略)なぜ200億円も資産を持っている学校法人に対して、カネのない南あわじ市が巨額の支援をしなくてはいけないのか」

 もっともだと思うが、工事内容の資料開示請求をしても出してこない。12年10月には物件の返還を求める監査請求が市民から兵庫県に出されたが、あっさり棄却されてしまった。

 1年半後にオープンしたが、1学年の定員60名に対して入学者は初年度56名、翌年50名、その次が49名、昨年は43名と減少するばかり

 さらに愛媛県今治市に開設予定の岡山理科大学獣医学部の用地も、約37億円相当の市有地がやはりタダ同然でこの学園に渡ることが、3月3日に今治市議会で決まり、波紋を呼んでいる。

 なぜ加計学園が獣医学部にこだわるのか。それは加計氏の息子が獣医学部を出ているからだと言われているそうである。

 文科省はこれまで頑なに獣医学部の新設申請を却下してきた。麻生太郎が議連の会長を務める日本獣医師会も、学校法人のビジネス拡大だと猛反対していたそうだが、安倍首相の「強い意向」で決まり、麻生もいつの間にか黙り込んでしまったという。

 さらに192億円の施設整備費を市・県と加計学園とで折半する取り決めになっているというのだ。

 だが、県議会の自民党が割れ始めていて、何で何十億も出さなければいけないのかという議員が増えているのだそうだ。

 当然であろう。自治体にも思惑があろうが、獣医学部をつくったところで学生が大挙してきてくれるわけではない。税収は増えるかもしれないが、それだけの費用を負担するとなれば赤字になるかもしれない

 いくら安倍様のお友達でも度が過ぎると思わないほうがおかしい。こうした声を裸の王様である安倍首相は聞く耳を持たないのだろう。

 最近は、国会答弁でも、バカヤロー解散をした吉田茂も唖然とするような高飛車な発言が目に付く。

 『週刊文春』(3/23号)のコラム「新聞不信」は、そうした目に余る態度を新聞は書いていないと叱っている。

 「各紙を読んでも、“一強”をバックにした傲岸不遜な実像は全く見えてこない。政治記者が臨場感溢れる記事を書いていないのだ。生中継を見られない現役世代にとって新聞は無用の長物でしかない媒体になっている」
 水戸黄門の印籠のように、お友達たちが「われは安倍のお友達であるぞ」とやりたい放題なのを、知っていて放任しているとすれば、安倍首相の責任は重大で、即刻腹を斬るか辞任すべきだと思う。

元木昌彦が選ぶ週刊誌気になる記事ベスト3
 私は林真理子という作家はあまり体質に合わないが、『文春』の連載「夜ふけのなわとび」はときどき目を通す。今週は小池百合子に叩かれまくっている石原慎太郎について書いていた。
 「『池に落ちた犬を叩く』という言葉があるが、今の石原さんを見ているとその言葉を思い出す。池に落ちた老犬という感じ。叩くんだったら、石原さんが現役でハツラツとしていた時にすべきだったのではないだろうか」
 その通りである。記憶にない、浜渦(はまうず)副知事に一任していたという責任逃れは見苦しいが、年の割には病のせいか老いさらばえ老残をさらしている石原には、哀れを感じる。本人が一番悔しく情けないだろう。もうほっといてやれ、そう思う。

第1位 「小池百合子激白 石原慎太郎のウソを告発する!」(『週刊文春』3/23号)
第2位 「中居正広の結婚観を変えた女 秘めた6年同棲」(『女性セブン』3/30・4/6号)
第3位 「従順な『レトリバー』が狂暴化する『5つの引き金』」(『週刊新潮』3/23号)

 第3位。わが家にはもうすぐ17歳になる老犬がいる。Moeというメス犬だ。体の衰えと認知症があるようだが、顔だけ見ているとなかなかの美形である。今流でいうと「美熟女」というところか。
 ヨタヨタしてはいるが食欲は旺盛で、私が食事をしていると、横に来て「何かくれ」と吠え続ける。目も鼻もバカになってきているから、手で何かあげようとすると、気を付けないと噛まれる。
 私も2度、カミさんも2度、娘は3度噛まれている。そのたびに医者へ行って注射を打ってもらうのだ。体重は8キロの中型犬だから、こちらが気を付けていればいいのだが、ゴールデンレトリバーのような大型犬に噛まれたら大変だろう。
 3月9日の夕刻、東京・八王子市で、生後10か月の女児が、祖父母が飼っていたゴールデンレトリバーに頭を噛まれて死亡するという事件が起きた。
 『新潮』によれば、その家では4匹のレトリバーを飼っていたという。この事件は愛犬家の間で衝撃が走ったそうだ。なぜなら、この犬は「飼いやすい犬」として知られ、性格は「従順で利口で優しく友好的」なことで知られているからだ。
 たしかにレトリバーは盲導犬や高齢者などと触れ合うセラピー犬として知られる。ではなぜ今回、こうした悲劇が起こったのか。

 「本来は感情をコントロールできる犬でも、突発的に攻撃衝動を得る状態というのがある。これは条件が揃えば、どんな犬でも程度の差こそあれ、起こる可能性があるのです」(野村動物病院の野村道之院長)

 赤ちゃんは二足歩行ではなく、四足でハイハイしたりし、時々奇声を上げたりするから、怖がったのではないかという見方があるようだ。
 そうさせないためには、事前に子どもの匂いのついたタオルなどの匂いをかがせる「準備」や、万が一のことを考えてケージの中に入れておくことが必要だという。
 いくらかわいい犬でも、野生に戻ったような瞬間がある。気をつけねば。

 第2位。さて、今週スクープといえるのは、『女性セブン』が中居正広(44)とAKB48グループの振り付けを担当している12歳下のダンサー・武田舞香(32)が6年「同棲愛」しているという報道だけだろう。
 中居に関しては「結婚しない男」と言われていたが、長年一緒に同棲する彼女がいるという噂は以前からあり、『セブン』が見事それを裏付けた。

 「彼女は振付師やダンサーとして活躍する武田舞香(32)。安室奈美恵(39)や加藤ミリヤ(28)のツアーのバックダンサーなどを務めた実力派ダンサーとして注目され、2010年からはAKBグループの振付師やダンス指導を務めている。昨年、NHK連続ドラマ小説『あさが来た』の主題歌として大ヒットした『365日の紙飛行機』の振り付けも担当した」(「NEWS ポストセブン」3月15日付)

 両事務所とも交際を否定していないから、結婚は早いのではないかと見られているようだ。
 今年はジャーニーズ事務所所属タレントたちの結婚ラッシュになりそうだ。

 第1位。小池都知事が『文春』で「石原慎太郎のウソを告発する!」と激白している。3月3日に石原が「巌流島に向かう気持ち」で記者会見を行ない、10日に発売された『文藝春秋』4月号に手記を書いたことへの反論という設定である。
 3度読み返してみた。石原の記者会見はたしかに「私は素人」「自分一人の責任ではなく行政全体の責任」「東京ガスとの契約書にサインした覚えがない」など、自分が4期13年も都知事として君臨してきたにもかかわらず、責任回避とボケたふり(いや、本当に痴ほうなのかもしれない)をすることに終始し、見苦しいこと、はなはだしかった。
 だがこの小池の激白も「なんだかな~」という内容でしかない。石原手記には事実と異なる点がいくつかあるとし、その一つが、小池から都知事選の応援を石原に頼んだという箇所だそうだが、当事者にとっては大事な問題かもしれないが、都民にとってはもはやどうでもいいことだ。
 件の記者会見についても小池は、「あそこで『責任は全て私にあります』と言い切っていたら、どれだけ株が上がったでしょうか」と批判しているが、それを石原に求めるのはハナから無理というものだ。
 東京ガスとの契約書にサインした覚えがないという点に関しては、小池が「大きな金額を決済する時には、きちんと聞きますよ。確認して、説明を受けるのは当たり前のことです」と言っているが、その通りだろう。
 石原が再三、「豊洲に移転しないのは小池氏の不作為」で、自身の証人喚問(3月20日)を終えた後、小池への法的措置に踏み切ると言っていることについては、「それを言うなら、『築地は古い。狭い、汚い』と言っておきながら、なぜ知事になってから今に至るまで十八年間も放置していたのか。そのことのほうが不作為ではないですか」と反論。
 豊洲は安全と言っておきながら、土壌汚染が次々に発覚して、豊洲移転経費は6000億円を超えてしまっている。「都民のお金が使われているにもかかわらず、コスト感覚がないままに、移転を推進してきたことの裏返しではないでしょうか」(小池)。これももっともだが、もともと豊洲移転は青島時代に始まり、石原、猪瀬、舛添と続いてきたのだから、猪瀬、舛添も喚問する必要があるのではないか。
 小池は、豊洲移転問題が長引いているのは、石原や当時の関係者が言い逃れをして引き延ばしているからで、再調査の結果や、食を扱う市場そのもののあり方の見直し、経営的な問題も考えなくてはいけないからで、「私はずっと総合的な判断で決めると言っています」と主張する。
 しかし、石原や彼の元腹心である浜渦副知事の責任を明確にすることと、豊洲か築地かを決断することは別ではないのかと、都民の一人として私は考える。
 小池都知事の頭の中には、都議選挙で小池新党を大勝させることしかないのではないかと、思わざるを得ない。どうだろう。石原や内田茂都議の悪行を暴くのとは別に、5月いっぱいで豊洲か築地かを決断すると表明したら。
 そうしたうえで都議選に臨めば、都民はその都知事の判断にYESかNOかを選択することができる。豊洲は築地より衛生面では勝っているはずだが、築地という名前も残したい。カネに糸目をつけないのなら、一時豊洲へ移転して、築地を大改装した後に戻すという案が、私はいいと思うが、どちらにしても難問である。都民に丸投げすることだけはやめてほしいものだ。
 20日に石原が百条委員会に出て都議たちの質問に答えている姿を見て、「老残」という思いを強くした。
 たしかに「覚えていない」「浜渦に一任していた」など、責任逃れの発言に終始したが、あのカッコよかった慎太郎が、あのようになるとはと、涙が出た。
 彼は昔の彼ならず。それに、石原を問い詰めるはずの都議たちの質問の切っ先の鈍さ。石原でなくとも、お前たちはオレに何を聞きたいのかと言いたくもなる。
 メディアは、何ら解明につながらなかったと書いているが、浜渦や石原を呼んで、何と自白したら拍手喝さいしたのか?
 小池は、豊洲のベンゼンのことをあげつらうが、築地の汚さ、不衛生さと豊洲のそれとを比較したデータを即刻出すべきだ。
 汚さを競い合っていても仕方あるまい。どうしたら東京都民の食卓に載るものを安全・安心に提供できるのか。もう時間はない。
   

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   



 1979年の発売以来、子どもたちだけでなく幅広い年代に愛されているお菓子「うまい棒」(販売元:リスカ、製造元:やおきん)。コンビニ流通のおかげで、いまや気軽に手に取りやすいスナックの代名詞的存在である。

 「うまい棒」といえば、パッケージのナゾのキャラクターが印象的だ。宇宙人という設定はあるが、その正体は不明。ファンのあいだでは「うまえもん」と呼ばれていたものの、これは正式名称ではなかった。明らかに「あの国民的キャラ」をイメージした呼び名で、そのビジュアルとともに、いろいろ大人の事情がささやかれていたのだ。ところが、2014年10月に開催されたイベント『第1回うまい棒祭り』にて、うまえもんというネーミングをメーカー側が使用、ついに公式認定されたと考えられる。

 このうまえもん、新たな展開を迎えている。2017年2月、妹の「うまみちゃん」が登場したのだ(うまみちゃんのオリジナルパッケージうまい棒の販売開始は3月25日から)。だが、兄とはまったく似ていない。「地球年齢17歳でウマイアミ州から帰ってきた帰国子女」という設定で、美少女キャラなのである。これにネットがザワついた。もともと2000年代ごろから、各ジャンルの著名人がうまい棒愛を語る場面が増えており、一つのカルチャーと化している。最近の一連の動きは、メーカー側がこれに乗っかる結論に至ったのだろう。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 観光とホテル、旅先までの飛行機や新幹線などがセットになった旅行会社のパッケージツアー。旅行の当日、参加者は決められた時間までに、空港や駅の待ち合わせ場所に集合する。ただ、多くの飛行機や列車が発着する空港や主要駅は、敷地も広く、通路も入り組んでいるため、慣れていないと集合場所をなかなか見つけられないこともある。また、道に迷って集合時間に遅れてツアーが出発してしまったということにもなりかねない。

 そんな不安を抱えている人は案外多いのか、このところ、空港や駅でのパック旅行の集合場所を事前に確認する下見ツアーが人気となっている。

 「集合場所確認ツアー」を提供しているのは、旅行会社の「クラブツーリズム」で、ひとり旅限定プランのプレ企画として2015年に始められた。羽田空港や成田空港、東京駅、関西国際空港などの集合場所を事前に確認してもらうことで、不安を解消し、安心してひとり旅に参加してもらうのがツアーの目的だ。参加者の年齢層は、20~80歳代までと幅広い。

 下見ツアーでは、たんに集合場所を確認するだけではなく、羽田空港の第1ターミナルと第2ターミナルを歩いて移動したり、空港につながるモノレールの駅の名称がそれぞれのターミナルと対応していることを確認したりする。旅なれた添乗員が空港や駅を利用するときに役立つ知恵を教えてくれるので、知っておけば個人で旅行するときにも応用できる。

 集合という旅のスタートで失敗すると、落ち込む人もいるし、せっかくの楽しい旅が台無しになることもある。何事も準備万端に整えておきたい人には、願ったり叶ったりの下見ツアーだ。

 ふだん自分が暮らしている場所を離れ、非日常を過ごすのが旅というものだ。自分が知らない場所では、迷ったり、道を聞いたりするのも醍醐味で、そうしたふれあいから旅の思い出が生まれたりする。下見をして準備しておけば、失敗はなくなるかもしれないが、思い出をつくるきっかけが減るのは寂しい気もする。

 集合場所確認ツアーが人気となる背景には、失敗が許されない社会と生真面目な日本人の気質があるのかもしれない。
   

   

ニッポン生活ジャーナル / 早川幸子   



 格安スマホ、UQモバイルの「三姉妹CM」がウケている。これまで映画・ドラマでコメディエンヌとしての才能を見せてきた旬の女優、深田恭子・多部未華子(たべ・みかこ)・永野芽郁(ながの・めい)が出演。一つのポージングのまま動かない演出が視聴者の目をひく。着飾った役柄はさほど多くなかった三人だけに、おしゃれ感がいっそう際立っている。幅広い世代に耳慣れたピンク・レディーの『UFO』のメロディーにのせて、「UQ!」とキメる内容はキャッチーだ。

 このCMを手掛けているのは、業界ではヒットメーカーとして名高い篠原誠氏。じつはauの「三太郎」シリーズも担当している(桐谷健太の『海の声』の作詞も行なった)。雑誌『日経エンタテインメント!』2017年3月号によれば、「(家電量販店における地味な通信コーナーで)化粧品の広告を作るつもりで」三人をキャスティングしたという。さすが、「目立たせること」のプロフェッショナルといえよう。また、「三太郎」も「三姉妹」も、ストーリー仕立てで、新作が流れると見たくなる。そのうちにキャラクターそれぞれに安心感・安定感のようなものを感じるようになる。こうなれば広告としてはしめたものだろう。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 中国の立法機関。憲法上は「最高国家権力機関」との位置づけで、日本の国会に相当する。毎年3月の開催。2017年は3月5日に開幕した。構成するのは省、直轄市などの地方自治体、軍などから選出された代表(任期5年)で総数は約3000人。

 では何をするかというと、立法機関として憲法改正、法律制定・改正、予算の審議・承認などを行なうほか、国家主席、首相などを選出する権限がある。もっとも、中国共産党の追認機関でしかないのが実情だ。

 とはいえ、内外のメディアに注目されるのは、首相による政治活動報告が行なわれ、中国政府の施政方針や経済成長率の目標値が公表されるからだ。

 今年の全人代の政府活動報告では、2017年の成長率目標をGDP(国内総生産)比「6.5%前後」に設定すると発表した。

 2016年の「6.5~7%」から引き下げたことになる。従来の「高度成長路線」から「安定成長路線」への政策転換を改めて明確にした形だ。

 政府活動報告でとりわけ目を引いたのは、習近平総書記を中国共産党の「核心」と位置づけたことだ。これまで中国共産党政権で、最高指導者を「核心」と呼んだのは、毛沢東、鄧小平、江沢民の3氏だけ。このことは、習近平総書記への権力集中がさらに進んだことを意味する。

 このほか政府活動報告では、軍事力を強化し、「海洋強国」のさらなる推進を目標に掲げた。これまで軍事予算は予算案報告に明記していたが、2017年については、中国財政省がメディアの問い合わせに個別に口答で回答する形を取った。異例のことだが、前年比7.0%増の1兆443億9700万元(約17兆2000億円)と報じられた。経済成長率より軍事予算の伸びが上回ったことになる。

 全人代の次に関心が集まるのは、2017年秋に開かれる中国党大会。毎年開催の全人代と違ってこちらは5年に1度の開催だ。

 予想されるのは指導部メンバーの大幅な入れ替えだ。「核心」となった習近平総書記が人事でどんな差配を行なうのだろうか。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   



 2017年WBC「侍ジャパン公認サポートキャプテン」として、激闘続きの全6試合をベンチ横からライブリポートしている中居正広(44)の“仕事”が、マニア・にわかを問わず大絶賛されている。

 少しでもリラックスできるようワイヤレスヘッドフォン(4万円相当)を全選手に贈ったり、かつての盟友・キムタクのドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』が裏で放送されている時間は発言を控えたり……と、さまざまな“さり気ない気配り”も「美談」と呼ぶに相応しいが、なにより野球に詳しい、さらにはその知識を最大限に活かしつつ、あくまで“素人のスタンス”に徹した、プロ解説者にはない独自の視点が素晴らしい。

 一般的に、「中居リポート」が日本全国レベルで“公認”となったのは、2015年の『世界野球プレミア』の対ベネズエラ戦とされている。その試合中、中居はベネズエラが外野手を一人内野に入れて、解説の中畑清や佐々木主浩(かづひろ)も気づかなかった“内野5人シフト”を指摘。以降、このことが「神リポート」と評判となり、野球ファンから全面的に受け入れられるようになった……という。

 もちろん、今回のWBCでも、いぶし銀的な発言

 「(キューバに)点が入っているのは偶数回だけなんですよ」(3月14日キューバ戦)

 「こうした場面で連続してフォークを要求する胸中はどんなものですか?」(3月12日オランダ戦・9回に同点に追いつかれて、あわや逆転負けという大ピンチのなか、捕手の小林誠司に注目し、解説の古田敦也に投げた質問)

……ほかを連発し、お茶の間とチームの橋渡し役として大いなる貢献を果たしている。コメントを発する“出過ぎない”タイミング、試合の邪魔をしない低めの声にゆっくりとした口調、そして溢れんばかりの野球愛……芸能人によるスポーツ国際大会のサポート役として、ピカイチであるのは言うまでもない。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   



 円顔で鼻が低く、おでこと頬がふっくらとした愛嬌のある顔。いつ見てもほっこりする面立ちは、福を呼ぶ福相の典型といわれている。この独特の愛嬌のある顔はよほど日本人好みなのだろうか。関西では「お福」という呼び名で、店の入り口などに人形を飾る習慣がある。阿亀と似た面立ちは、狂言面の「乙御前(おとごぜ)」や、近世芸能の「ひょっとこ」と対の人気者「お多福」としても登場する。ところ変われば、ほかにもいろいろな名前があるそうで、あまりにあちこちで見かけるものだから、それぞれどんな由来があるのか、気になっていた人も多いはずだ。

 「阿亀」の発祥は、「千本釈迦堂」の通称で知られる大報恩寺(上京区)。「阿亀」とは、この寺の本堂を建てた大工、長井飛騨守高次(ながいひだのかみたかつぐ)の妻のことで、千本釈迦堂には逸話が残っている。あるとき高次は、大報恩寺の本堂建立という大仕事を任されるが、大切な柱を短く切ってしまう。そんな夫の窮状を見かねた阿亀は、柱を継ぐ枡組(ますぐみ)という技法を提案する。これが成功し、夫は窮地から救われるのだが、この美談はそのままでは終わらない。阿亀は安堵の一方で、棟梁ともあろうものが妻の助言で大仕事を成し遂げた、といわれては夫の恥だと憚り、上棟式を前に自害してしまうのだ。そして、上棟式の日。夫は亡き阿亀を偲んで「阿亀」のお面を扇御幣(おうぎごへい)に飾り、祈願感謝をしたという。この話が徐々に広がり、家を建てる棟上げのときに、阿亀の面とともに鏡や櫛など七品を飾って祈願するようになったそうだ。この風習は今も、建前の餅まきなどのお祝いとともに受け継がれている。

 千本釈迦堂の境内には、「おかめ塚」と大きくかわいらしい「おかめ像」がある。2月の節分会には、あでやかな西陣織の着物と赤い番傘で飾り立てたおかめ像が見られる。お参りすると、縁結びや夫婦円満、子授けの御利益が得られるといわれている。


千本釈迦堂の阿亀の像。


   

京都の暮らしことば / 池仁太   


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