コトバJapan! 結城靖高 の 記事一覧

結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。


 驚きの情報かもしれない。先頃、アメリカ耳鼻咽喉科・頭頸部(とうけいぶ)外科学会が新しく発表したガイドラインによれば、「耳掃除はあまりしないほうがいい」らしいのだ。

 そもそも耳アカには、外部からのゴミをブロックする、耳の内部を適度に保湿するなど、れっきとした役割がある。単なるアカではないわけだ。しかも、日常の生活を送っていれば、自動的に新しい耳アカが古い耳アカを外に追いやるサイクルになるという。つまり、何もしないのがいちばんよい。……という理屈だ。この耳掃除不要論、今回の発表の前からずっと指摘されてきてはいる。にわかに注目を浴びたというだけである。

 過剰な耳掃除をすることで、本来耳アカが担っている仕事が果たせなくなるばかりか、耳の穴を傷つけて感染症を引き起こしたり、サイクルが狂って耳アカが必要以上にたまったりする可能性があるという。耳アカが詰まって穴をふさぐ、専門的に「耳垢栓塞(じこうせんそく)」と呼ばれる状態は、じつは不潔によるものではなく、過度の耳掃除によって引き起こされるようだ。

 もちろん、日本人の中で習慣化している耳掃除をいますぐやめるのも難しいだろう。が、耳の奧にじつは耳アカがたまることはない(だから、あまり穴の奧を「掘って」はいけない)など、知っておくべきポイントは多い。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 1979年の発売以来、子どもたちだけでなく幅広い年代に愛されているお菓子「うまい棒」(販売元:リスカ、製造元:やおきん)。コンビニ流通のおかげで、いまや気軽に手に取りやすいスナックの代名詞的存在である。

 「うまい棒」といえば、パッケージのナゾのキャラクターが印象的だ。宇宙人という設定はあるが、その正体は不明。ファンのあいだでは「うまえもん」と呼ばれていたものの、これは正式名称ではなかった。明らかに「あの国民的キャラ」をイメージした呼び名で、そのビジュアルとともに、いろいろ大人の事情がささやかれていたのだ。ところが、2014年10月に開催されたイベント『第1回うまい棒祭り』にて、うまえもんというネーミングをメーカー側が使用、ついに公式認定されたと考えられる。

 このうまえもん、新たな展開を迎えている。2017年2月、妹の「うまみちゃん」が登場したのだ(うまみちゃんのオリジナルパッケージうまい棒の販売開始は3月25日から)。だが、兄とはまったく似ていない。「地球年齢17歳でウマイアミ州から帰ってきた帰国子女」という設定で、美少女キャラなのである。これにネットがザワついた。もともと2000年代ごろから、各ジャンルの著名人がうまい棒愛を語る場面が増えており、一つのカルチャーと化している。最近の一連の動きは、メーカー側がこれに乗っかる結論に至ったのだろう。
   

   

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 格安スマホ、UQモバイルの「三姉妹CM」がウケている。これまで映画・ドラマでコメディエンヌとしての才能を見せてきた旬の女優、深田恭子・多部未華子(たべ・みかこ)・永野芽郁(ながの・めい)が出演。一つのポージングのまま動かない演出が視聴者の目をひく。着飾った役柄はさほど多くなかった三人だけに、おしゃれ感がいっそう際立っている。幅広い世代に耳慣れたピンク・レディーの『UFO』のメロディーにのせて、「UQ!」とキメる内容はキャッチーだ。

 このCMを手掛けているのは、業界ではヒットメーカーとして名高い篠原誠氏。じつはauの「三太郎」シリーズも担当している(桐谷健太の『海の声』の作詞も行なった)。雑誌『日経エンタテインメント!』2017年3月号によれば、「(家電量販店における地味な通信コーナーで)化粧品の広告を作るつもりで」三人をキャスティングしたという。さすが、「目立たせること」のプロフェッショナルといえよう。また、「三太郎」も「三姉妹」も、ストーリー仕立てで、新作が流れると見たくなる。そのうちにキャラクターそれぞれに安心感・安定感のようなものを感じるようになる。こうなれば広告としてはしめたものだろう。
   

   

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