コトバJapan! 旬wordウォッチ の 記事一覧


 2020年東京オリンピックがいよいよ近付いてきた。その前に、来年は韓国での平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックを控えている。が、計画の遅れなどが報道され、どうもマイナスのニュアンスでとらえられることも多い。加えて北朝鮮情勢も厄介になってきた。2022年には北京でも冬季五輪が開催される。韓・日・中という五輪アジアリレーの先陣を切る韓国、その成否がアジア全体に及ぼす影響は大きいのだが。

 そんな平昌大会のマスコットキャラクターが、白虎の「スホラン」。白虎は現地では「守護」の象徴とされている。名前の「スホ」もその意味だ。加えて、トラを意味する「ホランイ」、開催自治体の江原道(カンウォンド)民謡「旌善(チョンソン)アリラン」から来た名前を持つ。そのデザインは、筆者の主観では、小つぶな目の癒やし系といった愛らしさがある。パラリンピックのマスコットであるツキノワグマの「バンダビ」とともに、五輪を盛り上げる……はずだった。

 古くはロス五輪の「イーグルサム」など、毎回、それなりに話題を集める五輪のマスコット。だが、今回は心なしかマスコミへの露出が少ないように思える。情報が少ないが、スホランを巡って組織内での協議が遅れ、この期に及んでも立ちゆかなくなっているらしい。ここはキャラクター活用をゴリゴリと推し進めるべきタイミングで、運営面での熱意のなさが残念といえよう。不安は大きいが、いまからの盛り上げに期待したいところだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 「もったいない」という美しい日本語を、いま一度思い返したい。農水省によると、平成27年度の食品の食べ残し量は、食堂・レストランが3.6%であるのに対し、宴会では14.2%にも及ぶ(調査範囲は東京・大阪)。我々は、宴会のあとに料理が放っておかれた光景を、あまりに見慣れてしまったのではないだろうか。

 しかし、上司にお酌したり、会社の愚痴をがなっていたりするあいだに、食べるタイミングを失うことはままある。そこで2011年から長野県松本市が始めた取り組みが「30・10運動」だ。宴会の最初の30分間は席から離れずに料理を楽しむ、シメの前の10分間は席に戻って残りの料理をたいらげる。この「30分・10分」を、幹事などがコントロールして徹底しようというものだ。同様の発想の取り組みは他でも見られたが、ゴロもよく明快で、全国的に波及している。

 日本の食品ロス(年間約500~800万トン)は、世界全体の食料援助量の約2倍だ(消費者庁)。宴会のみならず、本来は食べられてしかるべきだった、家庭からの生ゴミの量も著しく多い。そこで松本市では、「おうちで残さず食べよう!30・10運動」も設定している。毎月30日は、賞味期限が近い食品などを使い切る「冷蔵庫クリーンアップデー」。毎月10日は、野菜の茎や葉など本来は食べられる部分を調理に用いる「もったいないクッキングデー」。これらの取り組みに注目が集まる。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 雑誌や新聞で、通常の記事と思って読んでいたら、ページの隅のほうに企業の営業日や地図、連絡先が記載されている。そうした体裁のお店紹介記事も多いから、なかなか気づかない場合もあるが、これはじつは「記事広告(記事体広告)」と呼ばれるものだ。「広告のように見えない広告」、もっと嫌らしい言い方をすると「記事に見せかける広告」と説明することができる。

 テレビやラジオでも、番組進行の流れになじませて商品の宣伝コーナーが始まるのを見たことがないだろうか。こうしたマスメディアの手法のことを、広告業界では総称して「ペイドパブリシティ」と呼んでいる。パブリシティは、マスコミの判断により無料で取材してもらうことが多いため、特に「ペイド(料金を払った)」と冠されるわけだ。

 企業が雑誌の一スペースを買い取った場合、執筆に必要な情報が提供され、それをもとに記者がまとめることが多い。この記事には客観的な視点も加えられる。企業に言われるままの、いわゆる「提灯記事」になるのでは、と思われるかもしれない。たしかに、執筆の際に情報の裏取りなどは通常行なわれない。だが一方で、おもねるような記事にもなりにくい。ペイドパブリシティは、それなりに読者側に立った内容のほうが、広告としての伝達性も高くなるからだ。ちなみに、問題のある提灯記事は、「ふつうの」記事の中にこそ紛れ込んでいるのでご注意(やたら取材元のご機嫌をうかがう記者がいるものだ)。

 ペイドパブリシティには様々なかたちがあり、取材をまじえた、広告とは思えない充実した内容もありうる。それでも、テレビなら尺(時間)、雑誌ならページを買い取って、扱いの大きさをコントロールできることは、企業にとって大きなメリットになる。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高