コトバJapan! 旬wordウォッチ の 記事一覧


 日本人がお米を食べなくなったといわれる。米の年間1人あたりの消費量は、戦後のピークだった1962年の118.3㎏から2015年には54.6kgまで半減した(農林水産省の発表による)。人気のダウンということでいえば、昨今語られることの多い「糖質制限」も農家にとっては痛い。こうなると、「ほかほかごはん」にこだわっていられない。お米を使ったパンや麺など、これまで存在感の低かった加工食品にも期待が寄せられているのだ。

 いまのところ好調な「お米もの」の一つに、ドリンクが挙げられる。山梨県北杜市のメーカー・白州屋まめ吉が2013年から販売している『ライスオーラ』は、良質のコシヒカリ「梨北米(りほくまい)」を使っているとあってファンが多い。こうした飲料は欧米では「ライスミルク」と総称され、すでにポピュラーなようだ。日本でもキッコーマンの「玄米でつくったライスミルク」などが、商品として存在感を増しつつある。

 家族連れの確保が重要な回転寿司のくら寿司では、米の炭酸飲料「シャリコーラ」を投入。これが実際子どもに受けた。お米ドリンクには自然な甘さとヘルシーなイメージがある。親が我が子に飲ませるにはぴったりだ。このあたりに、お米ドリンクがいまよりも普及する突破口があるのではないだろうか。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 2016年の出版界を席巻したキーワードは、なぜか「開脚」であった。

 『どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法』(サンマーク出版)が、4月の発売から順調に版を重ね、2016年末の時点で累計100万部に至っている。長いタイトルなので、マスコミでは「開脚本」と通称されることが多い。ご多分にもれず類似本も出たが、本書の勢いにはかなわない。

 その売れ行きは、「開脚の女王」と呼ばれるヨガインストラクター・Eiko氏の開脚メソッドのシンプルさと、たくみな指導力によるところが大きい。一応「著者」という扱いになるのだろうが、おそらく編集部側でした仕事が大半のはずだ。しかし、本の内容はじつに実践的。多くの読者にとって体のかたさを改善するきっかけになるのではないか。Eiko氏みずからが複数のテレビ番組に出演してタレントたちを指導、結果を残したことも人気に拍車をかけた。

 本書自体は「商社のサラリーマンが開脚をめざす小説」(タイトルは「開脚もできないやつが、何かを成せると思うな」)に多くのページ数が割かれている不思議な構成の本で、賛否両論あるようだ。開脚のプログラムじたいも動画サイトで以前から公開されていたもの。とはいえ、本書がネットに興味のない層に開脚の成功体験をもたらしている事実は、功績といっていい。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 素人目にも気になるダンスのムーブメントは、彼女が牽引しているといっていいだろう。振付師のMIKIKOこそ、現在のエンタメを語る上で欠かせない存在だ。海外での評価が高いメタルアイドルユニット・BABYMETAL(ベビーメタル)やリオデジャネイロオリンピック閉会式におけるダンスパフォーマンス、そしてドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』から一世を風靡した「恋ダンス」。これらはすべてひとりの振付師の仕事だ。

 MIKIKOの名を高らしめたのは、まずはPerfumeである。じつはPerfumeが人気アーティストになる前から振付を担当していた(それどころか、メンバーのアクターズスクール広島時代からの縁という)。これは象徴的でもある。Perfumeがバーチャルな世界に入り込んだかのようなライブパフォーマンスでブレイクを果たした過程と、MIKIKOの活躍がシンクロしている。最近のショー演出は、映像とダンスが融合した表現がトレンド。まさに現在のMIKIKOの得意なフィールドなのだ。今後、ますます活躍が期待されるところだろう。

 またMIKIKOは、2010年からダンサー兼振付師のTomomi Yoshimuraとともにダンスカンパニー・ELEVENPLAY(イレブンプレイ)を主宰している。星野源の『恋』のミュージックビデオで、キレキレに踊っている女性たちがそのメンバーである。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高