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 熱帯魚などを水槽で飼育するアクアリウム。癒やし系の美しさにはたしかに魅了されるものの、予算も手間もわりとハードな趣味といえる。それを花瓶のようなガラスの容器(ボトル)で気軽に楽しむものが「ボトリウム」(ボトルとアクアリウムを合わせた造語)だ。業界では有名な「てっちゃん先生」こと水草作家の田畑哲生氏が考案した。

 単に「小さい」というだけでなく、水草を入れることで一つのささやかな生態系を作り出すところがポイントである。ボトリウムに入れる魚と貝は一匹だけにしておくとよい。水草が魚のための酸素を生み出し、魚のふんは水草の養分や貝のエサとなって水をきれいにする。

 田畑氏のホームページによれば、ボトリウムの「お約束」は三つ。「水かえは週に1回」「えさやりは1日おきにほんの少し」「直射日光のあたらない明るい場所に置く(本を読めるぐらいの明るさがベスト)」。なるほど、手間いらずというよりも、過剰な手間を加えないことが重要であるようだ。暑い時期、涼を感じるには絶好の趣味である。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 歴史の楽しみ方は人それぞれだが、教科書を読むお勉強だけではつまらないだろう。武将ゆかりの地を訪れたり、貴重な刀剣を見たりする(ゲームの影響で昨今の流行りとか)ことで、紙の上だけの存在ではない、実際に生を営んだ人間たちの歴史が実感できるはずだ。

 ではたとえば、「食」というアプローチから歴史を知るのはどうか。室町時代、周防(山口)の大名・大内義興(おおうち・よしおき)が時の将軍・足利義稙(あしかが・よしたね)を大いにもてなした記録が残っている。ここから、山口商工会議所・山口名物料理創出推進会議が開発、地元の湯田温泉などに提供した料理が「平成大内御膳」だ。2010年のことである。全国各地にはこのような歴史的な食がまだまだあるはずだ。そのネットワークを作るべく、同商工会議所が提唱したのが「歴食」なる言葉の始まりとされている。

 公式サイト「歴食JAPAN」によれば、歴食は「歴史的なストーリーを有した、価値ある食」と定義される。文献などをもとに当時の味を再現したもの、またインスパイアされたメニュー(鹿児島・琴鳴堂の「縄文どんぐりクッキー」など)を食する。2016年に山口市、2017年に島根県益田市で「歴食JAPANサミット」も開催された。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   



 糖質制限が基本的なダイエットのキーワードになってしまった昨今(再三このコーナーで触れているが、炭水化物をまったく摂らないことには栄養学的に異論も多いので注意されたし)、おからやこんにゃくで製造した麺など、代替となる食品が注目されている。この流れでブレイクのきざしが語られているのが、「クラウドブレッド」である。

 小麦系の食品を食べない「グルテンフリー」派の欧米人のあいだで、クラウドブレッドはすでに確固たる地位を築いている。基本的にタマゴとクリームチーズ、ベーキングパウダーだけで作るパンで、小麦粉をまったく使わない。発酵の段階を踏まず、比較的気軽に作れるというところもポイントが高いだろう。「クラウド(雲)」という名称は、そのふわふわとした生地の状態から来ている。

 日本ではサンドイッチやパンケーキのイメージで食べられることが多い。こうしたレシピが写真映えするので、SNS上ではそれなりに拡散しているが、一般的な浸透度はまだこれからといった状況のようである。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高