2020年東京オリンピックがいよいよ近付いてきた。その前に、来年は韓国での平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックを控えている。が、計画の遅れなどが報道され、どうもマイナスのニュアンスでとらえられることも多い。加えて北朝鮮情勢も厄介になってきた。2022年には北京でも冬季五輪が開催される。韓・日・中という五輪アジアリレーの先陣を切る韓国、その成否がアジア全体に及ぼす影響は大きいのだが。

 そんな平昌大会のマスコットキャラクターが、白虎の「スホラン」。白虎は現地では「守護」の象徴とされている。名前の「スホ」もその意味だ。加えて、トラを意味する「ホランイ」、開催自治体の江原道(カンウォンド)民謡「旌善(チョンソン)アリラン」から来た名前を持つ。そのデザインは、筆者の主観では、小つぶな目の癒やし系といった愛らしさがある。パラリンピックのマスコットであるツキノワグマの「バンダビ」とともに、五輪を盛り上げる……はずだった。

 古くはロス五輪の「イーグルサム」など、毎回、それなりに話題を集める五輪のマスコット。だが、今回は心なしかマスコミへの露出が少ないように思える。情報が少ないが、スホランを巡って組織内での協議が遅れ、この期に及んでも立ちゆかなくなっているらしい。ここはキャラクター活用をゴリゴリと推し進めるべきタイミングで、運営面での熱意のなさが残念といえよう。不安は大きいが、いまからの盛り上げに期待したいところだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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