コトバJapan! ゴメスの日曜俗語館 の 記事一覧


 最近、JK(=女子高生)を中心とする若者のあいだから流行り出した……そうな相づちの一種。

 「JKを中心とする〜」からには、とても解読不可能な難解ワードかと思いきや(※実際、字面だけを見れば意味深な雰囲気をかもし出していなくもない?)……よくよく調べてみると、なんてことはない「そうだね!」「たしかに!」「それいいね!」「そのとおり!」……といった賛同の意を伝えるカジュアルな台詞の一種であるらしい。

 ちなみに、自慢じゃないが、筆者は「それな!」をもう20年ほど前から、わりと頻繁に使用しており、これが今さら流行語としてフィーチャーされていることに、今ひとつピンと来ていない。

 一度、電車のなかで大学生風の男女が会話ごとに「それな」「それな」……を連発しているのを目の当たりにしたんだが、「それな!」の「!(=ビックリマーク)」を感じさせるイントネーションの強弱、メリハリはほとんど確認できず、どちらかと言えば「それな」「それな」……と、平淡な語感の相づちっぽく、あえて例えるなら「ほう…」だとか「ふぅ〜ん…」程度の覇気がないニュアンスでしかなかった気がする。

 「JKを中心とする若者発の言葉」とするよりは、「昔からあった常用語を、若者風の使い方にアレンジした」と“解説”したほうが、より正確なのではなかろうか?
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   



 2012年、ポプラ社より発刊されて以降、幼児から小学校低学年を中心に絶大な人気を誇り、シリーズ累計150万部を超える大ヒットとなっている児童書のこと。漢字で表記すれば「お尻探偵」。

 臀部に似ている顔をもつ名探偵「おしりたんてい」は「フーム、においますね」が決め台詞。ユーモアたっぷりの見かけによらず、とても上品、かつレディーに優しい紳士で、そのうえ、難事件をププッと解決しちゃうほど推理はキレキレの人気探偵……なのだそう。

 あまりの話題沸騰ぶりにアニメ化プロジェクトまでが今年5月末からスタートしており、すでにYouTubeから全世界に向けて「3分でププッとわかる!『おしりたんてい』予告編」が無料配信されているらしい。

 それにしても、『おしりたんてい』にせよ『うんこ漢字ドリル』にせよ、子どもはなぜこうも「お尻まわり」が好きなのか──を考える前に、児童書とは元来「子ども本人が買うものではなく、大人が買い与えるものである」という点に筆者は注目したい。

 もしかすると、子どもは内心、お尻より「お○んちん」とかのほうが、もっともっと好きなのかもしれない。が、“そこ”にはやはり、大人の検閲の目が光り、結果として“それ”よりは多少無難な、しかし子ども受けする「お下劣」の許容ラインギリギリ、すなわち「お尻まわり」へと、ヒットのコンセプトがおのずと行き着いたのではなかろうか? 単純に言葉尻が可愛いというのも売れている要因の、間違いない一つではあると思うが……?
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   



 アメリカで大ブームとなった玩具で、日本でもじわじわとブームが巻き起こっているという。

 手のひらに収まる大きさで、中央が丸く、そこから放射線状に3枚ないし2枚の突起があって、中央部を指で挟み、突起部を弾くと滑らかに勢いよく回転する仕組みとなっている。

 『日本ハンドスピナークラブ』の言によると、遊び方は「勢いよく回して、どのハンドスピナーが一番長く回転するかを競い合う」「ハンドスピナーを一度回しては止め、回しては止め……の作業を繰り返し、無意識状態へと到る」の2つがスタンダードらしいが、指や膝の上に乗せたり、回したまま右手から左手へと移動させたり……と、器用な遊び方をする子どもも多いと聞く。

 さっそく筆者も購入して試してみたが、勢いよく弾けば下手すりゃ5分以上も回転し続け、それをずーっと眺めていると頭がボーッとしてきて、徐々にさまざまな思考・雑念が一時停止していくのが自覚できる。個人的主観であえて言うなら「パチンコ」と効果は似ているのかもしれないけれど、唯一決定的に違うのは、パチンコの場合、台を“回して”大当たりを引けなければ「ヤバイ…」とストレスが、より増していく点にある。

 あと、「禁煙にも良い」との噂もあるが、たしかに煙草一本を我慢してハンドスピナーを弾けば、一日5本くらいは喫煙量が減った……ような気もする。しかし、コレだけで完全禁煙を目指すのは、さすがに虫が良すぎ……なのではなかろうか。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス