しなびかかった野菜が、50度前後の湯で洗うと鮮度が復活する。そんな不思議な「50℃洗い」が話題となっている。蒸気工学の専門家としてテレビ出演も多い平山一政(ひらやま・いっせい)氏が考案した。50度のお湯で葉の表面にある気孔が開いて、水分を取り込むという理屈らしい。氏は野菜を低温で蒸す「低温スチーミング」を長年にわたって研究しており、その過程で“発見”した現象である。
 特に葉野菜でその効果はてきめんだ。水で洗うよりも汚れが落ちやすい、アクも消える、などといった多くのメリットも指摘されている。食材が美味しくなるという意見まである。野菜だけではなく、肉や魚にも有効とされるが、これは臭いのもとになる脂分が50度前後で洗うとうまく抜けるから。ただし野菜とは違ってその後の保存はきかず、早めに調理する必要があるという。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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