「アラサー=アラウンド・サーティー」からいろいろと派生して、「アラ還(還暦)」という言葉まで現れ、アラウンド系の新語も出尽くしたかと思いきや、まだあった。電通総研のプロジェクト「ママラボ」が提唱するところの新語「アラママ」は、「3年以内に出産したい」という「アラウンド・ママ」のことだ。さりとて家庭に入りたいわけでもなく、子どもが手を離れたら働きたいと、人生をアクティブに捉えている。この傾向は30代よりも20代の未婚女性に多いという。

 少子化の時代が続いたのは、「行政による育児の環境が整っていない」「ゆえに理性的に考えるならば子育てはキャリアを狭めるのでは」という不安感が影響しているだろうが、それでも昨今は「ベビーがいる生活は楽しそう」という意識の変化も見られる。おそらく、芸能界でママさんタレントが多いことも影響している。(実際のところは相当な苦労をしているにせよ)セレブ然としたママたちは輝いていて、そのスタイルが単純にオシャレに映っているはずだ。ただ、こうしたアラママたちの憧れは、どちらかというと子ども主体で、そこに至る前の結婚、あるいは夫の影が薄いのがふしぎな特徴である。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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