この数年、新顔の家電が立て続けにヒット、ないし普及に至っている。ノンフライヤー、ヨナナスメーカー、ルンバに代表されるお掃除ロボットなど、枚挙にいとまがない。韓国のブカンセムズ社が開発したふとん専用のダニクリーナー(掃除機)、「レイコップ」もその一つだ。紫外線の光を照射して細菌を取り除く機能が売り(テレビで紹介された影響もあって、ダニまで死んでしまうイメージがあるが、実際には「弱らせる」といったところではないか。あくまで「除菌」なのである)。この「レイ(光線)」と、「家族の健康を守る警察」を意味するところの「コップ」が商品名の由来だ。

 「ふとん」に特化した視点がニーズを引き出した。共働きの多い現在の日本では、忙しくて「ふとんを干す」ことすらままならない。レイコップに決して安いイメージはないが、期待される効果を考えれば問題ない対価というわけだ。2012年2月から2013年8月までの日本での累計販売台数は50万を超えるという。それまで代理店を通して販売されてきたレイコップだが、2013年には日本法人「レイコップ・ジャパン」も設立され、まだまだ順調に推移しそうだ。

 

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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