西暦でいえば、おもに1960〜80年代に日本で流行った歌謡曲を、けっこう大きめな音量でBGMとして流すバーやスナックのこと。この時代に多感な思春期を過ごした30代半ばから60歳くらいの世代がメインの客層だが、最近はそれより下の世代である20代の男女も、チラホラ店内で目にすることもある。

 その理由としては、「日本語を洋楽っぽく英語調に発声するJ-POPと比べ、昭和歌謡は歌詞が聴き取りやすいのでメッセージ性が明確」「メロディーがシンプルなので、耳に残りやすい」などが挙げられ、カラオケにおいて沢田研二を当たり前のようにリクエストしたり、初期の松田聖子や中森明菜の曲を見事に唄いあげるハタチそこそこのギャルも実在する。

 ちなみに筆者も、ロックを基調とした、「Jリーグ」の派生語としてカテゴライズされた昨今のJ-POPより、圧倒的な演奏テクニックを擁する、ビッグバンドジャズを基調とした昭和歌謡を好んで聴く傾向が強い。バックミュージシャンの完成度の高さという観点では、キャンディーズが一番のお気に入りだ。

   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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