現在、教育をめぐる環境には多くの問題があるが、地方と都市部では異なった事情があり、日本の社会全体ではなかなかややこしい話となっている。地方では、少子化の影響をもろに受けて、幼稚園も保育園も園児不足に苦しんでいる。一方、大都市圏では待機児童の解消が急務だ。せっかく生まれた認定こども園という制度も、多くの改善の余地が残されている。

 そこで2015年度から、子ども・子育て支援新制度がスタートする予定だ。2013年8月に成立した「子ども・子育て関連3法」に基づく。新制度に先駆けて、内閣府ではシンボルマークを発表した。モチーフとなっているのは、かわいい子どもの鼓笛隊。「みんなが、子育てしやすい国へ。」というサブキャッチとともに、子どもたちに囲まれて「すくすくジャパン!」の文字がおどる。

 作成を手がけた絵本作家の「のぶみ」氏は、『しんかんくん』シリーズや、NHK Eテレの番組『みいつけた!』の「おててえほん」で知られている。親ならば我が子といっしょに絵柄を目にしたこともあるかもしれない。親しみやすいマークとともに、はたして新制度がうまく機能するか、まずは乞うご期待といったところだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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