いま、競争の激しいコンビニにおいて、サバイブし続けているジャンルがある。「レッドブル」に代表される「エナジードリンク」だ。念のため、「栄養ドリンク」との違いを確認しておきたい。茶色の小瓶の栄養ドリンクは、基本的には「医薬部外品」(例外もある)。1999年の規制緩和によってコンビニでも購入できるようになったが、本来ドラッグストアで売るような商品だ。一方、エナジードリンクはあくまで清涼飲料水。「栄養補給」といった効能を言い切るには心もとない。実際、法律上「効果」をうたうことはできず、レッドブルが「翼をさずける」のようなキャッチコピーを用いるのは、ここに理由がある。

  お疲れのサラリーマンよりも、手っ取り早くテンションを上げていきたい若者にアピールしているという。「バーン」「モンスターエナジー」など、海外発のブランドが多いのも特徴だ。ちなみに、ブームの文脈で言う「エナジードリンク」とは「レッドブルのようなドリンク」であるが、日本では昔から「オロナミンCのようなドリンク」も定番商品となっている(じつは、オロナミンCもリアルゴールドも、分類上は「エナジードリンク」なのだ)。もともと、消費者が受け入れる素地があったといえる。

 最近では、栄養ドリンクがそのブランド力を足がかりにエナジードリンクに進出するという動きも出ている。こうした競合状態で、いったんコンビニの一角を占めると強い。市場規模はさらに拡大しそうな勢いである。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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