サラリーマンとして一生懸命に働くだけでは、妻や世間からの親としての評価はなかなか高まらない。子育てに積極的に参加する「イクメン」で、ようやく「立派な」パパの扱いとなるようだ。この時代の雰囲気は、一部の親にとってはなかなかストレスにもなるだろう。仕事の性質上、どうしても子どもとの時間がつくれない父親は、ある種の「罪悪感」を抱いてしまうことになる。
父親の育児参加が成立するためには、所属する企業、また直属の上司の理解が不可欠だ。残念ながらいまの日本において、イクメンは個人で主張して通る権利ではない。そこで、社員が「イクメン」となれる職場環境を具体化する管理職、「イクボス」も注目されるようになった。利益確保を課せられている管理職が、子育てという個人の事情を斟酌(しんしゃく)して業務をまわすのは、現実的にはなかなかしんどい話だ。誤解を恐れずに言えば、とにかく営業成績だけを考えていた過去よりも、いまどきの「ボス」は仕事上の悩みも複雑であろう。
ただでさえ、景気の上向きが実感として感じられず、まずは働きに働いてかたちにしなくてはならないという時代だ。会社の求める仕事量が多すぎて、育児どころか休む時間すら満足にとれない環境もあろう。また、イクボスであるがゆえに、部下のイクメンが担うはずの雑事も背負い込み、自らは子どもとの時間が少なくなるパターンもあるのではないか。やがては、子育てしながらこなす仕事量の「落としどころ」が見えてくる時代は来るはずだ。しかしそれまでは、ボスの悩みも尽きない。
父親の育児参加が成立するためには、所属する企業、また直属の上司の理解が不可欠だ。残念ながらいまの日本において、イクメンは個人で主張して通る権利ではない。そこで、社員が「イクメン」となれる職場環境を具体化する管理職、「イクボス」も注目されるようになった。利益確保を課せられている管理職が、子育てという個人の事情を斟酌(しんしゃく)して業務をまわすのは、現実的にはなかなかしんどい話だ。誤解を恐れずに言えば、とにかく営業成績だけを考えていた過去よりも、いまどきの「ボス」は仕事上の悩みも複雑であろう。
ただでさえ、景気の上向きが実感として感じられず、まずは働きに働いてかたちにしなくてはならないという時代だ。会社の求める仕事量が多すぎて、育児どころか休む時間すら満足にとれない環境もあろう。また、イクボスであるがゆえに、部下のイクメンが担うはずの雑事も背負い込み、自らは子どもとの時間が少なくなるパターンもあるのではないか。やがては、子育てしながらこなす仕事量の「落としどころ」が見えてくる時代は来るはずだ。しかしそれまでは、ボスの悩みも尽きない。