前回でも語ったとおり、熟女ブームが一部のマニアから、いわゆる健全な性癖しか持ち合わせていないノーマル男子層にまで、猛烈な速度ですそ野を広げている。

　そんな「30～50代の成熟した色気の漂う（キレイな）女性」がもてはやされるなか、かつてのアイドルや、女子高生と偽り、なんらかのかたちで銭を稼ぐ高卒以上のギャルのような「公称年齢を実年齢より下に設定する」従来のサバ読みは、もはや時代遅れとなりつつある。

　ゆえに、昨今の出会い系業界や水商売業界や性産業界などでは、20代後半の女性が30代を、30代半ばから後半の女性が40代を、40代ならいっそ50代を……といった「公称年齢を実年齢より上に設定する」サバ読みをトップダウンで強要されるケースも珍しくはなく、そういう“年齢詐称の逆転現象”を「逆サバ（逆サバ読みの略）」と呼ぶ。

　一昔前、未成年の若者がディスコやクラブに入りたい一心からエントランス前で「ハタチです」などと逆サバすることもなくはなかったが、市場の論理を背景にする逆サバは極めてイマドキ風の、不思議なロジックかと思われる。