今後、耳にする機会が間違いなく多くなるであろう「ドローン」という言葉。基本的には「無人の航空機」を指すものと理解しておくとよい。もとより軍事マニアには、偵察行動に用いられる「ドローン」はおなじみで、SFの世界ではなく、すでに実用化されている技術なのだ。ひとくちに「ドローン」といってもタイプも用途も様々だが、最近よく認識されているのは「空撮」を行なうドローンではないだろうか。日本では、2014年8月に広島で発生した土砂災害でドローンが活用され、一部ニュースにも取り上げられた。

 玩具としてのラジコンヘリも「ドローン」と呼ぶことがあるが、もともとはロボット的な意味を含む。遠隔操作だけでなく、プログラムに従って自動的にコントロールすることも可能だ。こうなると、ビジネスとしての可能性は無限大である。たとえば、通販大手のアマゾンは、注文から30分以内の配達をドローンが遂行する「Prime Air」というプロジェクトの実現に動いている。

 どんな用途にせよ、他の航空機とのニアミスなど、空の事故の心配は大きい。制御を失ったドローンが、突然空から落っこちてきたとしたら? また、カメラを搭載していることから、プライバシー上の問題が起こる可能性もある。とはいえ、我々の生活を革新的に変える可能性も秘めているドローン。いったい未来をどう変えてゆくのか、注視していきたい。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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