「セカオワ」と略されるバンド、SEKAI NO OWARI(せかいのおわり)。「若い世代の圧倒的な支持を受けている」とも、「中二病的な楽曲の世界観にアンチが多い」とも評され、好き嫌いが分かれているが、それでこそ人気者というものだろう。

 その楽曲、『Dragon Night』は2014年10月にリリースされたシングルで、ヴォーカルのFukaseがトランシーバーのようなマイクで歌うパフォーマンスが有名だ。これにインパクトがあったのか、「トランシーバーを持っている画像(特に既存の人物像を好き勝手に加工したもの、いわゆる「コラ」)」がネット上では「ドラゲナイ」のスラングで流行することになった。歌詞の「Dragon Night」が「ドラゲナイ」と聴こえることから来ているという(Fukaseがおもしろがってその響きに寄せて発音しているという説もある)。

 さらに、「アイ~ン」「ラッスンゴレライ」のような、ナンセンスなギャグフレーズ的な使い方もされていて、おそらく若者であろうツイートの文に突如として登場し、どんな意味を持つのか判然としないことも多い。「つまらない」のような「~ない」とつく語につなげて韻を踏むなど、言葉遊びも目立つ。悪く言えば楽曲自体が茶化されている、良く言えば語感としての魅力があるわけだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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