世界的には「クール」と評価されるらしいアニメなどの日本のカルチャーだが、実際のところ、「モテ度」が低い趣味には違いない。オタクというものは意外と社交性があり、所属できるコミュニティも多いのだが、それは共通のホビーに対する感性を共有できるから。ホビーを離れてしまうと、人間関係、ことに異性に対してなかなか臆病になってしまう。

 だからこそ、「モノ」に愛情をそそげるわけなので、この根っこはいたずらに否定してはいけないだろう(この不況下でビジネス的に大きなものを生み出しているのは事実であり、いまや日本経済にとって重要なファクターなのだから)。しかし、結果的にオタクのサークルには、「異性に対する耐性」ができていない男子が多く集まることが多い。そこに数少ない女子のメンバーが入ってくるとどうなるか。人間関係がギクシャクする可能性は高い。最悪、恋愛をめぐる修羅場がサークルの存続自体をあやうくしてしまうのである。このような女子の存在を「サークルクラッシャー」と呼ぶ。

 もちろん、女性の側でも、わざわざ男子のグループに入っていくことは勇気が要る。だから、必然的に「強心臓」といえるキャラクターが多くなるので、男子の扱いもなんとなく理解しており、必ずしも「クラッシャー」になるとは限らない。ただし、男子たちから大事に扱われ過ぎて、もはや「お姫さま」と化すこともあるとか。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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