いま、フリーマーケットアプリ、略して「フリマアプリ」が人気だという。品物をスマホで撮影し、自由に値付けして、そのまま出品する気軽さがウケているのだ。その「気軽さ」は、ネットオークションと比べるとより明確になる。オークションでは予想外に高く売れることもあるが、時間がかかったり、利益が気になってしまうなどの要素がついてまわる。これはデメリットだ。また、いまのネットオークションではプロの業者が多く、ジャンルによっては一般ユーザーの利用を遠のかせているようなところもある。

 そもそもオークションは稀少品の出品に向いていて、フリマは普段使いのアイテムの出品に向いているという性質の違いがある。売る側と買う側の両方にとって、フリマアプリはかなりハードルの低い取引といえるのではないか。

 トップランナーの「メルカリ」は1300万ダウンロード。これはフリマアプリの先駆であり、女性限定で注目された「フリル」の300万をはるかに凌駕するヒットだ。ここにはゲームと同じレベルでの鉱脈があるとみて、新規業者の参入が続いたが、そうは甘くない。「メルカリ」だけが飛び抜けている印象だ。今後フリマアプリで成功するためには、あるジャンルのアイテムに特化するなど、何らかのアイデアが必要になるだろう。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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