言い出したもの勝ち、という点があるのは否めないが、これまで一般に「日本三大夜景」とは、函館の夜景、六甲山地・摩耶山(まやさん)の掬星台(きくせいだい)から眺める神戸の夜景、長崎の夜景の三つとされてきた。2003年には、「新日本三大夜景・夜景100選事務局」という団体が新たに「北九州市・奈良市・甲府盆地」の夜景を選出。こちらは「新日本三大夜景」と銘打つにはいささか知名度が低いかもしれないが、たしかにいずれも素晴らしい夜景として評価が高い。

 そして2015年10月に開催された「夜景サミット2015」において、また新たに「日本新三大夜景都市」を選ぶ企画が行なわれた(「夜景」でなく「夜景都市」であることに注目されたし)。一般社団法人「夜景観光コンベンション・ビューロー」が認定する約4500人の「夜景鑑賞士」たちが投票するもので、1位が長崎市、2位が札幌市、3位が神戸市となった。有名な函館市は残念ながら4位に甘んじている。札幌市は今回、藻岩山(もいわやま)、大倉山展望台、さっぽろテレビ塔など、夜景スポットが複合的であることが高く評価された。ちなみに、この企画は3年に一度のペースで投票を行なって、「三大」を更新していく方針となっているそうだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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