心残りのないように人生を終えるための活動、「終活」はすっかり有名になったが、誰もがパソコンやスマホを使うこの時代らしく、最近では「デジタル終活」なるものが注目を浴びている。

 ユーザーがこの世を去ったあと、パソコンの保存ファイルの中の画像やデータをいかに処分するか、という問題がある。遺族は当然にして、思い出の写真などを残しておきたいだろう。一方、旅立った本人にしてみれば、デリケートな情報の一つや二つはあるはず。ならば、他人様にさぐられるのはあまり気持ちがよくない。最近は遺族が専門の業者にデータ整理を依頼する事例が増えているが、できることならば、やはり本人が生前のうちにデータを整理しておく「デジタル終活」が重要なのだ。

 2014年から始まった「Yahoo!エンディング」は、利用者が亡くなったことが確認されると、利用者本人があらかじめ登録しておいたメールアドレスに自動的にメッセージが送信されるほか、ヤフーの各種サービスが停止され、Yahoo!ボックス内のデータも削除される。今後はこういったサービスが目立って増えていくことだろう。ネットユーザーの先達たちもそろそろ人生の黄昏を迎える。パソコン内の「遺品整理」で、あとから思わぬトラブルが起きぬように、意識しておくべきことは多い。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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