総務省の有識者検討会が携帯電話料金の引き下げ策について議論し、2015年中にその方策について結論を出すという。

 総務省に引き下げについて指示を出したのは安倍晋三総理大臣である。2015年9月の経済財政諮問会議で「携帯料金等の家計負担の軽減は大きな課題だ」と述べ、引き下げ方策の検討を求めた。

 いまや1人1台時代となった携帯電話だが、スマートフォンの普及でその利用料金は右肩上がりだ。ある調査会社によると、スマホの月額利用料金の平均は大手3社で約6300円。例えば4人家族の場合、それぞれにスマホを持てば2万5000円を超える。安倍総理に指摘されるまでもなく、家計にとっては大きな負担だ。

 安倍総理としては、家計に大きなしわ寄せとなっている携帯利用料金を抑えることで沈み込んだ消費を活性化させたいとの思いがある。

 さらに言えば、政治的な思惑も。「2016年夏の参院選をにらんだみえみえの人気取りではないか」(大手紙政治部記者)というのだ。

 これに対し、引き下げを求められた携帯大手3社は「民間企業の携帯料金に政府が口を挟むのはいかがなものか」というのが本音だろう。しかし、2015年3月期連結決算をみると、大手3社は軒並み数千億円~1兆円規模の営業利益をあげている。3社は「儲けすぎじゃないか」との批判を避ける意味でも引き下げに応じるとの見方がもっぱらだ。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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