「『しまむら』をパトロール」の略で、日本全国に店舗を持つ衣料品チェーンストア『しまむら』をチェック(=パトロール)する行為のことを指す。一般的に「『しまむら』の品揃えは低価格でファッション性が(値段のわりには)高く、トレンド商品やキャラクターデザインの商品も置かれているため、求めているモノが安く手に入りやすい」と言われている。

 ユニ○ロやH&○と比べて『しまむら』の品揃えはやや傾向性に欠ける印象だが、逆にその“雑多なカオス感”が庶民のパトロール魂をよりいっそう掻き立てているという見方もできる。「し」と「ま」と「む」と「ら」のオール平仮名で構成される、もっさい雰囲気の店舗名が、結果として“親しみやすさ”に通じている点も見逃せない。

 先行きの見えない不景気のせいなのか、昨今はそこそこ名のある女性ファッション誌でも「しまむらコーデ」的な特集が続々と組まれているが、下手すりゃ1000円を割るペラペラの洋服でお洒落をして、デートや女子会で話題のビストロを予約し、4000円くらいの「熟成赤身牛肉のグリル」とかを食する光景には、やはり少々の“いびつさ”というか、矛盾を感じてしまう……のは、もう50歳を越えた筆者だけであろうか? たしかに「衣食住」のどこに一番の重点を置くかは、個人の自由なのだが……?
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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