結婚式は人生における一大イベント。楽しき思い出にしたいものだが、互いのイエ同士のしがらみ、面倒なしきたりのせいで、気疲れする例も多かっただろう。主役はあくまで新郎と新婦。近年においては、ふたりの「らしさ」の感覚を大事に、必要最小限で式を済ませるカップルも少なくない。「ジミ婚」という言葉も一般化している。

 ところが現在、式における「家族」の存在感が増しているそうだ。これは時代の逆戻りなのかと思いきや、さにあらず。せっかくの機会なのだから、家族みんなでイベントを楽しもうではないか、というカジュアルな感覚によるものらしい。人呼んで「ファミリーウェディング」、略して「ファミ婚」である。たとえばケーキ入刀も、いまどきは両家の両親とともに行なう趣向が多いとか。親と仲のよい若者が多い(とされる)時代を象徴しているのかもしれない。

 ファミ婚では、これまで親族席で座りっぱなしの地味な役回りであった母親が、前に出るようになった。「最後のお世話」といった意味を込めて、ケーキを新郎新婦に食べさせる「ラストバイト」。純潔の象徴たるウェディングドレスのベールを下ろす「ベールダウン」。いずれも母親に任せられる重要な儀式である。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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