『週刊ポスト』(7/8号、以下『ポスト』)が、2020年までには全国紙が3紙になるという特集を組んでいる。

 私から見れば編集部に危機意識がない生ぬるい記事だが、その理由は後で触れるとして『ポスト』の内容を紹介しよう。

 全国紙3紙化のきっかけは時事通信の不振だという。現在紙面を持たない通信社は共同通信と時事だが、戦時中の同盟通信が戦後、占領軍に解体されてできたものである。

 共同が比較的順調なのに対して時事は「17期連続で営業赤字を記録」していて、電通株の配当収入や同株の切り売りで糊口を凌いでいるという。

 時事の身売りはかなり以前から言われていることだが、ここへきて現実感が増してきているのは、大新聞の凋落が顕著になってきたからである。

 かつて世界一の部数を誇っていた読売新聞は公称1000万部から900万部に落ち込んできている。朝日新聞も600万部台、毎日新聞は300万部台と言われる。

 この部数も「押し紙(新聞社が販売店に実際の宅配部数以上の新聞を押し付けて買い取らせること)」を入れているから、実部数は2~3割減るのではないかといわれる。

 部数が落ちれば広告収入も減るのは当然だ。2000年に1兆2000億円を超えていた新聞全体の広告収入は15年には半分以下の5679億円にまで激減しているのだ。

 時事を傘下に入れるのではと言われているのは読売新聞だが、『文藝春秋』(7月号)で「新聞の大再編」を執筆した元全国紙記者・幸田泉氏はこう話す。

 「もし読売が時事を傘下に収めれば、読売新聞に掲載している記事を時事のネットワークに乗せることで、配信記事としておカネを生む“商品”に変えることができる。通信社機能を取り込むことで、読売は新たな販路を獲得できるのです」

 読売が時事と手を組めば、共同と組む新聞が出てくる。『ポスト』によれば、これまた経営難を言われ続けている毎日と産経ではないかと見ている。

 毎日新聞社内では「支局の統廃合などの抜本的な改革も可能になると囁かれています」(毎日新聞40代記者)。産経はいわずもがなだが、それに加えて大株主のフジテレビの絶不調が重なり、存続できるか瀬戸際にあると言われる。

 では読売と覇を競う朝日新聞はどうなるのか。こちらは「本業の減収分は不動産事業で稼ぐからどことも組む必要はない」(朝日関係者)と考えているそうだ。これが朝日のホンネだとしたら、時代を見る眼が曇っているのではないか。これでは朝日が生き残るのは難しいと言わざるを得ない。

 かくして読売・時事、毎日・産経・共同、朝日の3つになり、これに経済紙の日経という形になっていくのではないかと『ポスト』は言うのである。

 これから数年の過渡期にはこうした再編も考えられるかもしれないが、新聞を含めたメディアの凋落に歯止めをかけられる妙手になるはずはないと、私は考える。

 最近業界で話題になっている本がある。『デジタル・ジャーナリズムは稼げるか』(東洋経済新報社)がそれである。

 著者のジェフ・ジャービス氏はニューヨーク市立大学大学院教授で起業ジャーナリズムを主導してきた人だ。彼の思索と実践をまとめたものだが、これからのメディアはどうすれば生き残り、デジタル化で収益を得ることができるか、さまざまな示唆を与えてくれる刺激的な本である。

 彼は、既存メディアは今のビジネスモデルをゼロから見直せと主張する。新聞社ならスポーツ欄や株式欄など、ネットで簡単に探せるものはすぐ撤廃せよ。校正とかアンカーもいらない。印刷機からトラック、オフィスビルも売却しろ。紙媒体に関わる部署は縮小して、収益の大部分をデジタルから得る「デジタル・ファースト」にしろ。

 また、メディアの経営者たちは、印刷媒体の維持が不可能になるのは何年何月何日か具体的に示せと言う。

 ジャービス氏は残されている時間は2年だと言い切る。彼の考えをまとめるとこうなる。

 「ジャ-ナリズムはマスメディアであることもやめるべきである。そして、個人、コミュニティとの緊密な関係、協力関係を基礎としたサービス業になるべきだ。
 ジャーナリストは自分が何かを言う前にまず、人々の声に耳を傾ける。ニーズを満たし、人々が目標を達成する手助けをする。
 過去の常識、定説はことごとく疑うべきだ。グーテンベルク以来続いてきた文化はもはや時代遅れとなり、大量生産、大量消費時代のメディアのあり方はもう通用しない。ただコンテンツを作り、同じものを皆一斉に提供すればいいという時代は終わった。
 今後の情報化社会で使命を果たすためのものはギーク(インターネット技術に精通していて深い知識を有する者)たちが数多く提供してくれている。彼らの提供する新技術を積極的に利用するつもりになれば、ビジネスチャンスはいくらでもあるだろう」

 彼が提唱している小さなコミュニティに密着して信頼されるメディアになれば、ユーザーから情報提供や投資してもらえるからビジネスになるという考え方にはやや違和感がある。

 だが、全体を通して彼が言っている、既存メディアは読者や国民の信頼を失ってしまっているという批判には肯けるところが多い。

 今の日本のジャ-ナリズムは、国民が知らなければいけない情報を何としてでも伝えるという本来の役割を放棄し、権力に擦り寄り、言うがままになる権力のポチへと成り下がっている。

 こんなジャ-ナリズムと呼べないものが生き延びていけると考えるほうがおかしい。どんな小細工をしようと既存メディアの終焉が近いことは間違いない。

 コダックは写真のデジタル化をいち早く掴み研究していたにもかかわらず、世界中にある写真屋から非難されるのを怖れてデジタル化に後れを取り、潰れてしまった。

 新聞は販売店、出版社は書店に気兼ねして本格的にデジタル化に取り組もうとはしていない。だが、嫌でもあと数年か十数年後にはデジタル化された新聞や書籍、雑誌が中心になることは間違いない。

 グーテンベルクが印刷機を発明してから新聞が出されるまでに150年かかったが、現代ではさほど時間はかかるまい。紙は間違いなく残るが、収益のほとんどをデジタルで上げなければならない時代が来る。既存のメディアに蛮勇を振るう人間が出てきて「デジタル・ファースト」をやり遂げられれば、そこが次代のメディア企業になるであろう。

 そうなった時、私は部屋の隅でぼろぼろになった紙の本を読んで「やっぱり本は紙に限る」と独りごちていると思う。

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 今一番関心があるのは、参議院選でも英国のEU離脱でも高島礼子でもない。配偶者の片一方が認知症になったらどう介護するのかという切実な問題である。老老介護、親子介護破産などで行き詰まり、衝動的に相手の首を絞めたり、心中する事件が多発している。他人事ではない。どちらかが認知症になったら、そう思うと冷や汗が出てくる。こういう問題こそ参院選の争点になるべきだと思うが、安倍首相はアベノミクスの言い訳ばかりして党首討論もほとんど行なわずに逃げ続けた。これで自民党大勝なんてことになれば、社会保障費はますます削られ、年寄り排斥の機運はますます高まるのだろう。

第1位 「高島礼子の“付き人夫”は“7年愛人”の胸で啼く」(『週刊文春』7/7号)/「『高知東生』と『高島礼子』の夫婦生活」(『週刊新潮』7/7号)
第2位 「まさかの英国『EU離脱』20の疑問」(『週刊新潮』7/7号)
第3位 「介護殺人と老後破産」(『週刊ポスト』7/15号)

 第3位。君は7月3日のNHKスペシャル『私は家族を殺した “介護殺人”当事者たちの告白』を見たか?
 重いテーマだったが、Nスペならではのいい番組であった。だが、当事者たちの追い詰められた心境や、介護の難しさは身につまされたが、自分の身に起こったとき、どうすれば「介護殺人」に至らないようにできるのかがわからない。そこが物足りなかった。
 『ポスト』はこうしたテーマを時折取り上げている。今週もNスペを放送したという前提で、「今すべきこと、考えておくべきこと」を特集している。
 だがここでも、こうした悲劇をなくすための十分な方策を提示できてはいない。それだけ難しいということだが。

 「ここ数年の間に『介護殺人』は頻発している。
5月10日には、東京・町田市で87歳の妻が92歳の夫を絞殺した後、首を吊って自殺した。夫は数年前から認知症の症状が現われ始め、体力が落ちて車椅子なしでは動けない状態だった。(中略)
 夫がようやく介護施設への入所に同意し、手続きがほぼ済んだ矢先に起きた事件だ。妻の遺書には夫に宛てたこんな言葉があった。『一緒にあの世へ行きましょう。じいじ。苦しかったよね。大変だったよね。かんにん。ばあばも一緒になるからね』」(『ポスト』)

 15年1月17日、千葉・野田市で77歳の妻が72歳の夫を刺殺した事件では、介護施設への入所費用の捻出が引き金となったという。

 「夫婦は息子家族と同居していたが、夫を介護施設に入れるための費用がなく、自宅を売却しなければならないと考えていた。そのことで息子夫婦との仲が悪化したことも、妻を追い詰めたようだ」(大手紙記者)

 日本福祉大学の湯原悦子准教授は、介護殺人の原因は、介護疲れと将来への悲観の2つに大別されるという。

 「埼玉・小川町や栃木・那須町の事件などは、典型的な介護疲れによるものだ。『配偶者の気持ちを汲んで施設に入所させず、自らが介護を一身に背負うことになった。老老介護なので、自分自身の体調も思わしくなくなる。仲のよい夫婦であればあるほど、相手を不憫に思い、行き詰まって殺害に至るというパターンは多い」

 老後破産とは高齢者が貧困のために破産状態に追い込まれることで、今全国で約200万人以上がこの状態にあると言われているそうである。
 湯原氏がこう続ける。

 「高齢者の場合、たとえお金を持っていても、それが減ることに対して強い恐怖心を抱いてしまう。『この先、生活が困窮するかもしれない』という不安から、介護サービスの利用を控えるケースもあるのです」

 そうした高齢者たちをさらに追い込むのは「働かない子ども」の存在だ。職を失った息子や娘が実家に寄生し、親の年金を頼りに生活する。親の老後資金を食いつぶして共倒れになってしまう「親子老後破産」が起きるのも、近年の特徴のようだ。
 東京・大田区の事件では、無職だった同居中の息子の出費も、殺害の動機のひとつになった。

 「親がまだ現役の間は子供が働かなくてもなんとかなりますが、親がリタイアした後は貯金や年金を食いつぶすばかりで、親子で貧困に陥りやすい。しかもそのような子供には介護能力もないから、親が弱っていってもどうすることもできない」(湯原氏)

 老後破産は将来の悲観に直結し、最悪の場合、介護殺人にまで至ってしまう深刻なものなのだ。ではどうすればいいのか。

 「老後破産に陥ってしまったら、ためらうことなく生活保護を受けることです。生活保護を受給できれば介護保険料もタダになり、自己負担はゼロですから」(淑徳大学結城康博教授)

 年金生活の親と非正規雇用の子どもが同居している場合、世帯分離という方法で生活保護を分けてもらうこともできるそうだから、まずは相談窓口に連絡することだという。
 しかし、配偶者が認知症になり、それでも介護認定2程度にしか認定されないと、配偶者が認知症患者の面倒を見なくてはいけない。そこに悲劇が生まれるのである。
 湯原氏が言うように社会のサポート体制が必要だと、私も考える。

 「心中事件の場合、介護者がうつであることが多い。周囲が早めに気づいてサポートするだけで介護殺人はかなり減少すると思います」(湯原氏)

 『ポスト』は「将来、自分が介護殺人を招かないためにも、今から老後破産を回避するべく、老後に備えることが必須である」と結ぶ。だが、できた当初は歓迎された介護制度もどんどん改変され、使う側にとってありがたさがなくなってきた。
 特別養護老人ホームへ入れようと思っても、待っている人が多すぎて入るのは至難である。先ほどの相談窓口へ行っても、デイサービスなどを利用しなさい、近所の人たちに相談して助けてもらいなさい程度しかアドバイスすることはできないのではないか。
 こうした問題を参議院選で論じ合ってもらいたいが、アホの麻生副総理などは「年寄りは長生きするな」と言わんばかりの暴言を繰り返し、メディアはそれを大声で批判することさえしない。
 こうした悲劇はこれからも繰り返す。親も子どもも元気で働けるうちはいいが、どちらかが病気や認知症にでもなったら、たちまち小さな幸せさえ崩壊してしまう。それがこの国の実態である。そんな状況を少しでも変えるために、参議院選で年寄りや弱者に冷たい自公に勝たせてはいけないのだ。いいかね、皆の衆。

 第2位。イギリスが国民投票でEU離脱を選択したが、まだまだ先行きは不透明なようだ。この問題を『新潮』がコンパクトにまとめてくれている。
 離脱を選択した瞬間から、「ポンドが急落したことで、すぐにその判断を悔やんだ」「離脱派の嘘を信じて票を投じた自分に嫌気がさしている」と、後悔しているというコメントがツイッターに溢れているというのだ。
 キャメロンを打ち負かしたボリス・ジョンソン前ロンドン市長は、「人の心を掴むのがうまかった。(中略)離脱派に回ったのは、いまが首相を目指すチャンスで、キャメロンと同じことを言っていてはダメだと思ったからでしょう」(ロンドン在住のジャーナリスト・鈴木雅子氏)。だが彼を含む離脱派は、EUへの拠出金が週3億5000万ポンド(約480億円)に達すると主張していたが、実際の拠出金は英国に分配される補助金などを差し引くと週1億数千万ポンドだったと、嘘を認めた。
 そのためもあってかジョンソン氏は6月30日、保守党の次期党首選に立候補しないことを明らかにした。
 今回の離脱派の大逆転劇に力を与えたのはエリザベス女王のあるひと言だったという。
 「英国が欧州(連合)の一部であるべき理由を3つ挙げてください」

 保守系新聞や大衆紙が女王の言葉として報じたことで、女王陛下は英国のEU残留に疑義をお持ちであるという空気が広がったというのだ。
 英国王室は発言自体は認めたが、会食の席での発言だと説明したようだが、離脱派に利用されてしまったようだ。
 またアーティストたちも離脱派、残留派で喧(かまびす)しかった。離脱派はローリング・ストーンズのミック・ジャガー。残留派は女優のエマ・トンプソン、『ハリー・ポッター』の原作者J・K・ローリング、サッカーのデヴィッド・ベッカムなど。残留派が優勢のようだが、結果はご覧の通り。
 EUにはさまざまな規制があり、それが反発を招いていたという側面もあるようだ。

 「イギリスで問題となっているのは、EUによる雇用条件や労働時間の縛りです。週当たりの労働時間を45時間としたり、年間4週間の有給休暇が定められた『労働時間指令』があり、産業界からは労働時間を硬直化させていると改善を求める声が出ていました」(ロンドン在住のジャーナリスト・木村正人氏)

 移民への反発も強かったと言われるが、移民の多くはポーランドなどの東欧系で、建設現場の作業員など、3K職場で真面目に働くのが大半だった。彼らが凶暴で犯罪を多発させているということはなかったそうだ。
 だが、現在のロンドンでは英国籍の白人の割合は5割を切ったそうだから、このままでは移民大国になってしまうという不安があったのではないかと言われているようだ。
 離脱は、スコットランドや北アイルランドの独立に向けた動きにつながっていくのだろうか。スコットランドは離脱決定直後の世論調査で59%の住民がイギリスからの独立を支持したというから、この流れは止まりそうにない。
 イギリスに進出している日本企業は900から1000社ぐらいあるという。なかでも高速鉄道や原発の軽水炉を受注しているといわれる日立製作所と、約8000人の労働者を雇用して年間約50万台を生産している日産自動車はどうなるのか。
 日立はイギリス国内だからさほど影響はなさそうだが、日産の輸出先はEUだから、10%の関税がかけられることになる。今はポンド安だからいいが、これからどうなるか心配のようだ。
 イギリスが離脱したことによって、次はどこか? フランス、フィンランド、オーストリア、オランダ、ハンガリーあたりが離れるのではないかとドイツは怯えているという。
 離脱でイギリスが頭を抱えているのが、世界の金融街「シティ」から大手投資銀行のモルガン・スタンレーなどが次々に移転の準備をはじめていることだろう。EU離脱で「パスポート制度」が使えなくなるからだ。これはEU内のどこか1か国で免許を取得すれば、EU加盟国ならどこでも自由に支店を開くことができるというものだが、そのメリットがなくなってしまうからだ。
 離脱決定で日本でも株価が大幅に下がり、円高が急激に進んだが、第一生命経済研究所の永濱利廣主席エコノミストは、1ドル95円を割ってくることは大いにあり得るし、株も最大で1万4000円台半ばまで売り込まれることもあると予測する。
 経済のグローバル化を推し進めた結果、遙か遠い国であるイギリスのEU離脱が日本経済を直撃する時代だ。EU崩壊、トランプ大統領誕生などがあれば日本経済は吹っ飛ぶ。
 アベノミクスなど風の中のチリのようなものであったことが、安倍首相も黒田日銀総裁も嫌というほどわかったことだろう。

 第1位。女優・高島礼子(51)の夫で、元俳優の高知東生(たかち・のぼる)(51)が、6月24日、覚醒剤取締法違反などの容疑で、厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部(以下、麻取)に現行犯逮捕されてしまった。
 それも横浜のラブホテルでクラブホステス・五十川(いそかわ)敦子(33)と寝ている現場に踏み込まれたのだから、高島の心中いかばかりか。
 高知は昨年6月、俳優として限界を感じ、妻を内助すると高らかに「主夫宣言」したのである。パーキンソン病を患っている高島の父親の介護もするとも言っていたのだが、年下の愛人との覚せい剤SEXに溺れていたのだから、呆れ果てる。
 『新潮』によれば、麻取が高知をマークしていたのは1年ぐらい前からだったという。

 「逮捕前日も捜査チームが2人のクルマをマークしていたところ、女が密売人とコンタクト。当日の朝2時頃になって、相次いでラブホへチェックインしたということなんだ。クスリはもちろん、体液のついたタオルや包まれた形のティッシュを押収したけど、そのなかにコンドームは見当たらなかったと聞いているよ」(捜査関係者)

 高知は高知県出身で、明徳義塾の頃は高校球児だった。『文春』で芸能デスクがこう話している。

 「上京後は水商売を転々。AV女優のスカウトマンをしながら自慢のベンツを乗り回していたこともあった。俳優になってからも話題になるのは“女優との交際発覚”だけ。一九九一年から約五年間、人気AV女優のあいだもも(46)と結婚していましたが、結婚中から、かとうれいこ(47)、宮崎ますみ(48)、井上晴美(41)らと浮き名を流しています。(中略)高島と再婚したのは九九年二月。彼は狙った女を『お前が一番だ』とホメ殺ししていくんです。高島だって出会った頃から『日本一の女優なんだ』と大はしゃぎで周囲に吹聴していた」

 また同誌で高知と高島が結婚する前に高知と半同棲していたという元交際相手がこう話す。

 「高島さんに言い寄っていた時には『俺はこの結婚に人生賭けてる。これが成功すれば一生安泰だ』と語るなど、ハナから“ビジネス結婚”だったのです」

 高知とともに逮捕された五十川は、横浜市で歯科医師会会長を務める父親のもとで裕福な少女時代を過ごしていたようだが、十代の頃都内でスカウトされて大手芸能事務所に所属していたこともある。だが、タレントとしては芽が出ず「あつこ」という芸名でレースクィーンをしていたという。
 ちなみに高島も元レースクィーンだった。五十川を知る芸能関係者が『文春』でこう語る。

 「報道ではクラブホステスとなっていますが、彼女の本当の姿は、本名を捨てた芸能人専門の“プロ彼女”『あつこ』なんです。芸能人と接点を持つと“枕”ができる子を揃えて合コンを開く。そうすることで芸能人に気に入られ、人脈が広がっていく。まるで芸能人と寝ることが一番のステイタスと思っているようでした」

 高知とは10年ぐらいの付き合いになるそうだ。『文春』でレースクィーン仲間が、五十川からシャブの話を聞いたのは08年頃だと話しているから、高知とのシャブを使った爛(ただ)れたSEXも長く続いた“お楽しみ”だったようである。
 逮捕後、当局は高知を伴って自宅をガサ入れして、ストロー1本と空の「パケ(覚醒剤を保管するビニールの小袋)」を押収したと『文春』が報じている。その時高島は、東映京都撮影所にいた。高知逮捕の報を受けて、高島はテレ朝や東映のスタッフに「降板させてほしい」と平謝りし、覚せい剤については「私は大丈夫。いつ検査されても平気だから」と話したという。
 自宅にまで覚せい剤関連の品々を残していたというのだから、妻である高島がまったく知らなかったのかという“疑惑”は当然ながら出てくる。それもシャブ中になって長いから、亭主の異変に気づかなかったのだろうか。“小股の切れ上がったいい女”高島に人生最大の試練が襲いかかる。
 彼女が主演した映画『極道の妻たち』のタンカのように「渡世のケジメつけさせてもらうで。高知死ね!」と、いくのだろうか。
   

   

読んだ気になる!週刊誌 / 元木昌彦   


元木昌彦(もとき・まさひこ)
金曜日「読んだ気になる!週刊誌」担当。1945年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社に入社。『FRIDAY』『週刊現代』の編集長をつとめる。「サイゾー」「J-CASTニュース」「週刊金曜日」で連載記事を執筆、また上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで「編集学」の講師もつとめている。2013年6月、「eBook Japan」で元木昌彦責任編集『e-ノンフィクション文庫』を創刊。著書に『週刊誌は死なず』(朝日新書)など。
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