わりと昔からあった手法ではあるのだが、NHKの大河ドラマ『真田丸』に登場する藤岡弘、(70)演じる本多忠勝や、新井浩文(37)演じる加藤清正……だけじゃなく、織田信長や明智光秀といった名だたる武将の最期までが、次々とナレーションだけでアッサリ簡単に片付けられてしまったことから、「急上昇ワード」となったらしい。ちなみに、当ドラマのナレーションはNHKの有働由美子アナが担当しているが、神のごとき位置から発せられるその御言葉から、物語の武将たちに死を与える「死神」と恐れられている……のだそう。

 「ナレ死」には「死の場面という重い描写を避ける(とくに“殺害”による死の場合は、流血シーンを描かなくて済む)」「ストーリーをポンポンとテンポ良く進めることができる」……などのメリットがあるが、一方で、欠かさず集中して観ていないと「アレ? このヒトいつ死んじゃったの?」と、それこそちょっとトイレで中座しただけで視聴者が置いてきぼりにされてしまう危険性も孕んでいる点は否定できない。

 アガサ・クリスティーの名作『そして誰もいなくなった』だとか『デスノート』だとかのドラマ化・映画化でコイツをヤラれたら、おそらくとんでもない混乱を招いてしまうのではなかろうか? ナレーターも大忙しである(笑)。一度そーいうのを観てみたい気もしなくはないけど……。
   

   

ゴメスの日曜俗語館 / 山田ゴメス   


山田ゴメス(やまだ・ごめす)
日曜日「ゴメスの日曜俗語館」を担当。大阪府生まれ。エロからファッション、学年誌、音楽&美術評論、漫画原作まで、記名・無記名を問わず幅広く精通するマルチライター。『現代用語の基礎知識』2005年版では「おとなの現代用語」項目、2007年版では「生活スタイル事典」項目一部を担当。現在「日刊SPA!」「All About」の連載やバラエティ番組『解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ)の相談員で活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など。趣味は草野球と阪神タイガース。
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