明治天皇の誕生日は11月3日だった。明治時代はその日を天長節、その後は明治節と呼んでいた。戦後、1948年に施行された祝日法は、明治節を廃止し、かわりに11月3日を「文化の日」と改めた。祝日法はその趣旨を、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」としている。ちなみに11月3日は、1946年に日本国憲法が公布された日である。その意味で、文化の日は、戦後の文化国家の礎を築いた現憲法と深く関わっているのは言うまでもない。

 明治維新から150年目の2018年を前に、祝日法を改正し、11月3日を「明治の日」にしようとする動きがある。

 2016年11月1日、都内で、保守系の市民団体「明治の日推進協議会」(塚本三郎会長)の会合が開かれ、「明治の日」の実現を訴えた。報道によると、約140人が参加し、自民党を中心に国会議員も14人が出席したという。出席した議員の顔ぶれをみると、稲田朋美防衛大臣や古屋圭司自民党選対委員長ら安倍晋三総理に近い人脈が目立つ。

 それにしてもなぜ、「明治」なのか。

 前出の推進協議会は声明で、「明治の日」を設ける趣旨に関連し、「明治時代を振り返ることを通じて国民としてなすべきことを考える」と強調。その上で、「年に一度は明治時代の意義を必ず振り返ることができるよう『明治の日』を制定することが施策の中心とされねばならない」としている。

 推進協議会は、祝日法の改正実現に向け、超党派の国会議員による議員連盟を発足させたい考えだという。

 こうした動きに対し、「今さらなぜ明治なのか。復古主義ではないか」「国民の間に定着した『文化の日』はどうするんだ」と、冷ややかな指摘も少なくない。
   

   

マンデー政経塾 / 板津久作   


板津久作(いたづ・きゅうさく)
月曜日「マンデー政経塾」担当。政治ジャーナリスト。永田町取材歴は20年。ただいま、糖質制限ダイエットに挑戦中。
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