タイなどのエスニック料理に欠かせないパクチーは、好みが分かれる食材といっていいだろう。どうしても苦手な場合、もしかしたら味覚遺伝子によるものかもしれない。最近の研究で、独特の香りを「石鹸のようだ」と感じる遺伝子が判明したらしい。

 とはいえ、パクチー入りの料理をたいへん好む者も一方ではいる。都内では専門のレストランもオープンしており、ビジネス的に成立しているのだ。SNSなどで、毎日パクチーを食べていると表明する猛者も現れている。そんな「パクチー中毒」たちを、「パクチスト」と称するそうだ。おもに若者が多く、やはり高齢者ほど香りなどが苦手という意見は目立つ。これは遺伝子ではなく単純に食文化の慣れの問題だろう。生まれたときからパクチーがある世代は、独特の香りも受け入れやすいはずだ。

 なお、外食だけでなく家庭でもパクチーを楽しむことを「うちパク」というらしい。新語が次々と現れることは、ブームになっている証拠。この勢いで、日本におけるパクチーの存在感は増していきそうだ。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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