女子の視点が、焼肉の世界を変えつつあるようだ。これまで牛肉といえば、疑いようもなく霜降りが人気であった。和牛のうまみはこれに尽きるだろう。ところがいま、赤身の支持層が特に女性のあいだでグンと増えた。脂肪分は好みじゃないというわけだ。彼女たちは「アカミニスト」と呼ばれている。

 最近のダイエットでは、炭水化物を減らす一方で、肉を食べることは問題がないとされている。ならば、ビタミンも豊富で「美容によい(と言っても、おそらく語弊がない)」赤身肉に注目が集まるのは当然だ。単純に、海外産の赤身のビーフはお手頃価格である、という点も大きい。

 女性おひとり様の焼肉を楽しめる店が増えた現代は、文字通り「肉食女子」の時代と言えるのかも知れない。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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