都会の住宅事情は厳しい。現代的な間取りでは、代々受け継いだ立派なお仏壇を置く場所もない。幸いにしてスペースの余裕があっても、修繕や手入れの仕方がわからない。できれば粗末に扱いたくはないのだが……。こうした悩みを受けて、「お仏壇リフォーム」が存在感を増している。

 傷みのひどいお仏壇がもとの姿を取り戻すには、解体から箔の張り直しまで、専門的な職人の技が必要だ。お金もばかにならない。そこで部分的な直しなどで、リーズナブルな価格設定をしたリフォームが注目されることになる。

 また、大きさをコンパクトにするリサイズ、リメイクという選択肢もある。お仏壇の外装のイメージをなるべく残してリサイズしたり、いまどきの洋風の部屋になじむようにリメイクしたり、注文も様々だ。いままでのものは魂(たま)抜きをして処分し、小さな仏壇を新しく購入して予算を抑える選択肢もあろうが、これは気持ちの問題なのだ。

 また、お仏壇の作り替えは、やがて子どもが成長したときの「お荷物」になることを避ける、との親世代の配慮もある。世代間でライフスタイルが隔絶している昨今、お仏壇の在りようもまた、変化を遂げていく。
   

   

旬wordウォッチ / 結城靖高   


結城靖高(ゆうき・やすたか)
火曜・木曜「旬Wordウォッチ」担当。STUDIO BEANS代表。出版社勤務を経て独立。新語・流行語の紹介からトリビアネタまで幅広い執筆活動を行う。雑誌・書籍の編集もフィールドの一つ。クイズ・パズルプランナーとしては、様々なプロジェクトに企画段階から参加。テレビ番組やソーシャルゲームにも作品を提供している。『書けそうで書けない小学校の漢字』(永岡書店)など著書・編著多数。
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