日本語、どうでしょう?~知れば楽しくなることばのお話~

辞書編集者を悩ます日本語とはなにか?──『日本国語大辞典』など37年国語辞典ひとすじの辞書編集者がおくる、とっておきのことばのお話。隔週月曜日にお届けします。

第12回
梅雨・つゆ・ばいう・Bai-u

 「梅雨」と書いて「つゆ」とも「ばいう」とも読む。夏至(げし)前後の雨や曇りの日が多く現れる時期、つまりちょうど今頃のことである。
 この時期をなぜ「つゆ」と言うのか、実はあまりよくわかっていない。
・露の多い時節の意味
・「ツユ(露)」の意味
・物がしめりくさるところから「ツイユ(潰)」の意味
・梅が熟すところから「ツハル」の意味でそれが縮まった
・梅の熟する意で「ツヒユ(潰)」の意味
等々、諸説あるのだがこれといった決定打はない。水滴の意味の「露(つゆ)」と関連があるのかどうかもわからない。
 古くから「梅雨」と書かれてきたが、これはウメの実の熟するころに降る雨なのでこのように書かれてきたと言われている。また、カビ(黴)の生える時期でもあるので「黴雨(ばいう)」と書かれたこともあったらしい。
 「バイウ」は国際的にも立派に通用する語で、オックスフォード英語大辞典にもBai-uという見出し語がある。同辞書には、日本の初夏に降る雨といった意味の解説が簡略にほどこされている。ジメジメした日本の「梅雨」は、世界的にも知られているようだ。

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