第139回
「話し」の話
2012年12月17日
辞書の編集をしていると、社内からもことばの使い方について質問を受けることがある。先日は、「おはなしする」と書くとき、「お話しする」と書くべきなのか、「お話する」と書くべきなのか、どちらであろうかという質問を受けた。「はなし」を漢字で書いたとき、「し」という送り仮名を付けるかどうかという問題である。
正解は「お話しする」で、送り仮名のルールが完全にわかっている人は、どうしてそんなことで悩むのだろうと思うかもしれないが、よくよく考えてみるとちょっとわかりにくいルールなのである。実を言うと筆者も声に出して読もうとすると「し」が2つ並んでいるようで落ち着かず、わかってはいるのだが「お話しする」ではなく「お話する」と書きたくなる。
送り仮名の付け方は昭和48年(1973年)に告示された「送り仮名の付け方」が元になっているのだが、それによれば「活用のある語から転じたもの」の送り仮名は、「もとの語の送り仮名の付け方によって送る」とある。これに従えば名詞「話」は動詞「話す」から生じた語なので、「話し」と「し」を送ることになるのだが、何事にも例外はあるもので 別に「送り仮名を付けない。」という欄も設けられていて、「話」は「恥」「光」などと並んでそこに掲げられている。
つまり、名詞「話」は送り仮名なし、動詞「話す」は送り仮名を付けるのが本則ということになる。動詞「話す」は「話さ~」「話し~」「話す~」「話せ~」「話そ(う)」となる活用語尾すべてに送り仮名が必要となる。
冒頭の質問者の疑問は、動詞「話す」の活用形のうち、連用形「はなし~」が名詞と同じ語形になることから生じたものである。
「はなし」を名詞か動詞か判断する方法は後にどのような語が付くかで判断するとよい。たとえば「に・を・が・の」などの助詞が下に付けば名詞、「た・ます・たい」などの助動詞や「あう・かける・こむ」などの動詞が下に付けば動詞である。
「お話しする」は、「お話し/する」と分解できて、「する」は動詞なので、「(お)話し」は動詞ということになる。したがって「話し」と「し」を送るのが確かに正しい。ただし、「お話をする」であったら、後に「を」という助詞がつくことから「話」は名詞となるので、「し」を送る必要はないのである。ああ、やっぱりややこしい。
正解は「お話しする」で、送り仮名のルールが完全にわかっている人は、どうしてそんなことで悩むのだろうと思うかもしれないが、よくよく考えてみるとちょっとわかりにくいルールなのである。実を言うと筆者も声に出して読もうとすると「し」が2つ並んでいるようで落ち着かず、わかってはいるのだが「お話しする」ではなく「お話する」と書きたくなる。
送り仮名の付け方は昭和48年(1973年)に告示された「送り仮名の付け方」が元になっているのだが、それによれば「活用のある語から転じたもの」の送り仮名は、「もとの語の送り仮名の付け方によって送る」とある。これに従えば名詞「話」は動詞「話す」から生じた語なので、「話し」と「し」を送ることになるのだが、何事にも例外はあるもので 別に「送り仮名を付けない。」という欄も設けられていて、「話」は「恥」「光」などと並んでそこに掲げられている。
つまり、名詞「話」は送り仮名なし、動詞「話す」は送り仮名を付けるのが本則ということになる。動詞「話す」は「話さ~」「話し~」「話す~」「話せ~」「話そ(う)」となる活用語尾すべてに送り仮名が必要となる。
冒頭の質問者の疑問は、動詞「話す」の活用形のうち、連用形「はなし~」が名詞と同じ語形になることから生じたものである。
「はなし」を名詞か動詞か判断する方法は後にどのような語が付くかで判断するとよい。たとえば「に・を・が・の」などの助詞が下に付けば名詞、「た・ます・たい」などの助動詞や「あう・かける・こむ」などの動詞が下に付けば動詞である。
「お話しする」は、「お話し/する」と分解できて、「する」は動詞なので、「(お)話し」は動詞ということになる。したがって「話し」と「し」を送るのが確かに正しい。ただし、「お話をする」であったら、後に「を」という助詞がつくことから「話」は名詞となるので、「し」を送る必要はないのである。ああ、やっぱりややこしい。
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