第196回
「四」の読み
2014年02月03日
先日ある日本映画を見ていて、主演の女優さんがベートーヴェン作曲の弦楽四重奏曲のことを「げんがくヨンじゅうそうきょく」と言っているのを聞いて、驚いた。「四重奏曲」の「四」は「ヨン」ではなく、「げんがくシじゅうそうきょく」のように「シ」と読むのが一般的だからである。その映画は笑いとサスペンスに富んだしゃれた映画で、「四重奏」を何と読もうが映画そのものの出来とは何の関係もなかったのだが、ただそのベートーヴェンの曲が映画の中では重要な意味を持っていたため、悪い癖が出てすぐに反応してしまったというわけである。
漢字「四」の読みだが、常用漢字表を見ると以下のようになっている。
「四」 シ: 四角,四季,四十七
よ:四人,四日(よっか),四月目
よつ: 四つ角
よっつ: 四つ
よん: 四回,四階
見ておわかりのように、「四」を「シ」と読むのは音で、ちょっと意外だが「よん」と読むのは訓なのである。「四重奏」の場合は、「重(じゅう)」も「奏(そう)」も音なので、「四」も音、すなわち「シ」と読むのがふつうである。だが、物事には必ず例外があるもので、「四」を「し」「よん」または「よ」のいずれで読むかは、語によって異なる。
NHKのアナウンサーの発音やことばの用法の基準を示した『NHKことばのハンドブック 2』によれば、「四」が頭につく語の場合はほとんどが「ヨン」または「ヨ」と読み、「四月」「四条(「ヨンジョウ」とも)」「四分六分」「四分咲き」などは、「シガツ」「シジョウ」「シブロクブ」「シブザキ」のように、「シ」と読むとしている。
つまり「四」を何と読むかには、法則性は全くない。「四重奏」を「シじゅうそう」と読むのもそのように読み慣わしてきたからそうなっただけである。
ちなみに、酒好きの人間にしかなじみがないかもしれないが、「四斗樽(斗は約18リットル、現在は三斗二升の樽が多い)」「四合瓶(720ミリリットル)」というのがある。これらには「しとだる」「よんとだる」、「しごうびん」「よんごうびん」と両用の読み方が存在する。どちらも間違いではないのだが、NHKは「四斗樽」は「しとだる」と読ませている。「四合」も「しごう」が古い言い方だとしている。かくいう筆者もNHKに従っているわけではないが、「しとだる」「しごうびん」派である。
「四」を「シ」と読むのは「死(シ)」につながるので避ける向きもあるのかもしれないが、そのように読み慣わしてきたものはやはりそう読みたいと思うのである。
漢字「四」の読みだが、常用漢字表を見ると以下のようになっている。
「四」 シ: 四角,四季,四十七
よ:四人,四日(よっか),四月目
よつ: 四つ角
よっつ: 四つ
よん: 四回,四階
見ておわかりのように、「四」を「シ」と読むのは音で、ちょっと意外だが「よん」と読むのは訓なのである。「四重奏」の場合は、「重(じゅう)」も「奏(そう)」も音なので、「四」も音、すなわち「シ」と読むのがふつうである。だが、物事には必ず例外があるもので、「四」を「し」「よん」または「よ」のいずれで読むかは、語によって異なる。
NHKのアナウンサーの発音やことばの用法の基準を示した『NHKことばのハンドブック 2』によれば、「四」が頭につく語の場合はほとんどが「ヨン」または「ヨ」と読み、「四月」「四条(「ヨンジョウ」とも)」「四分六分」「四分咲き」などは、「シガツ」「シジョウ」「シブロクブ」「シブザキ」のように、「シ」と読むとしている。
つまり「四」を何と読むかには、法則性は全くない。「四重奏」を「シじゅうそう」と読むのもそのように読み慣わしてきたからそうなっただけである。
ちなみに、酒好きの人間にしかなじみがないかもしれないが、「四斗樽(斗は約18リットル、現在は三斗二升の樽が多い)」「四合瓶(720ミリリットル)」というのがある。これらには「しとだる」「よんとだる」、「しごうびん」「よんごうびん」と両用の読み方が存在する。どちらも間違いではないのだが、NHKは「四斗樽」は「しとだる」と読ませている。「四合」も「しごう」が古い言い方だとしている。かくいう筆者もNHKに従っているわけではないが、「しとだる」「しごうびん」派である。
「四」を「シ」と読むのは「死(シ)」につながるので避ける向きもあるのかもしれないが、そのように読み慣わしてきたものはやはりそう読みたいと思うのである。
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