「大地震」は「おおじしん」か「だいじしん」か?
2010年08月30日
9月1日は「防災の日」である。1923(大正12)年のこの日におきた関東大震災と、昔から台風の襲来が多いとされる二百十日にちなんで、1960(昭和35)年に設定された。
この日は各地で大がかりな防災訓練がおこなわれている。それらはほとんどが将来再びおきる可能性の高い、「大地震」を想定してのもののようだ。「大地震」とは専門的には、マグニチュード7以上のものをいう。
で、この「大地震」だが、「おおじしん」と読むか「だいじしん」と読むのかで揺れているのである。厳密な調査をしたわけではないのであくまでも印象でしかないのだが、一般には「だいじしん」と読まれることの方が多いような気がする。かくいう筆者も「だいじしん」派だ。
ところがNHKはどうかというと、「おおじしん」とだけ読むようにしているのである。その根拠として、「おおじしん」の方が以前からの慣用的な読み方だったからと考えているようだ。
だが、室町時代末期のキリシタン資料である『サントスの御作業』『天草本平家物語』(ともにイエズス会が刊行した活字本)には「だいじしん」の確実な例が確認できる。どうやら、「おおじしん」「だいじしん」は古くから併用されてきたらしい。
とすると、今やどちらの読みでもかまわないのではないかと思えるのである。
この日は各地で大がかりな防災訓練がおこなわれている。それらはほとんどが将来再びおきる可能性の高い、「大地震」を想定してのもののようだ。「大地震」とは専門的には、マグニチュード7以上のものをいう。
で、この「大地震」だが、「おおじしん」と読むか「だいじしん」と読むのかで揺れているのである。厳密な調査をしたわけではないのであくまでも印象でしかないのだが、一般には「だいじしん」と読まれることの方が多いような気がする。かくいう筆者も「だいじしん」派だ。
ところがNHKはどうかというと、「おおじしん」とだけ読むようにしているのである。その根拠として、「おおじしん」の方が以前からの慣用的な読み方だったからと考えているようだ。
だが、室町時代末期のキリシタン資料である『サントスの御作業』『天草本平家物語』(ともにイエズス会が刊行した活字本)には「だいじしん」の確実な例が確認できる。どうやら、「おおじしん」「だいじしん」は古くから併用されてきたらしい。
とすると、今やどちらの読みでもかまわないのではないかと思えるのである。
キーワード:



出版社に入りさえすれば、いつかは文芸編集者になれるはず……そんな想いで飛び込んだ会社は、日本屈指の辞書の専門家集団だった──興味深い辞書と日本語話が満載。希少な辞書専門の編集者によるエッセイ。




辞書編集37年の立場から、言葉が生きていることを実証的に解説した『悩ましい国語辞典』の文庫版。五十音順の辞典のつくりで蘊蓄満載のエッセイが楽しめます。
「満面の笑顔」「汚名挽回」「的を得る」……従来誤用とされてきたが、必ずしもそうとは言い切れないものもある。『日本国語大辞典』の元編集長で、辞書一筋37年のことばの達人がことばの結びつきの基本と意外な落とし穴を紹介。
