「手締め」のやり方も色々ある
2010年09月27日
前回の「北信流」で長野では「手締め」の代わりに「万歳三唱」を行うと書いたが、今回は「手締め」の話である。「手締め」とは、物事の決着や成就などを祝って、掛け声とともに大勢が拍子を合わせて手を打つことで、「手打ち」ともいう。一般的なのは「一本締め」でこれは、
『よーっ(掛け声) シャシャシャン、シャシャシャン、シャシャシャン、シャン』
と手を打つやり方である。これを3回繰り返すと「三本締め」になる。この「三本締め」を本式とするところも多い。
「一本締め」とよく間違えられるのだが、「一丁締め」というものもある。これは、
『よーっ・ポン』
と、1回だけ手を打つものである。「ポン」のところがそろわないと何とも間抜けな感じになるので注意が必要である。
他にも、筆者は直接聞いたことはないのだが、「大阪締め」というのもあるらしい。歌舞伎の『伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)』を「日本戯曲全集」(1928年刊)で見ていたら、「ヤァ、しゃんしゃん、も一つせい、しゃんしゃん、祝うて三度、おしゃんしゃんのしゃん」というのが出てきた。これが「大阪締め」であるらしい。ただこの部分は現在では、親指と人差し指を打ち合わせて、「よよよい、よよよい、よよよいよい」と演ることの方が多いようだ。この「よよよい~」は中村梅之助主演の時代劇「伝七捕物帳」で有名になったので、ご存じの方も大勢いらっしゃるであろう。
『よーっ(掛け声) シャシャシャン、シャシャシャン、シャシャシャン、シャン』
と手を打つやり方である。これを3回繰り返すと「三本締め」になる。この「三本締め」を本式とするところも多い。
「一本締め」とよく間違えられるのだが、「一丁締め」というものもある。これは、
『よーっ・ポン』
と、1回だけ手を打つものである。「ポン」のところがそろわないと何とも間抜けな感じになるので注意が必要である。
他にも、筆者は直接聞いたことはないのだが、「大阪締め」というのもあるらしい。歌舞伎の『伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)』を「日本戯曲全集」(1928年刊)で見ていたら、「ヤァ、しゃんしゃん、も一つせい、しゃんしゃん、祝うて三度、おしゃんしゃんのしゃん」というのが出てきた。これが「大阪締め」であるらしい。ただこの部分は現在では、親指と人差し指を打ち合わせて、「よよよい、よよよい、よよよいよい」と演ることの方が多いようだ。この「よよよい~」は中村梅之助主演の時代劇「伝七捕物帳」で有名になったので、ご存じの方も大勢いらっしゃるであろう。
キーワード:



出版社に入りさえすれば、いつかは文芸編集者になれるはず……そんな想いで飛び込んだ会社は、日本屈指の辞書の専門家集団だった──興味深い辞書と日本語話が満載。希少な辞書専門の編集者によるエッセイ。




辞書編集37年の立場から、言葉が生きていることを実証的に解説した『悩ましい国語辞典』の文庫版。五十音順の辞典のつくりで蘊蓄満載のエッセイが楽しめます。
「満面の笑顔」「汚名挽回」「的を得る」……従来誤用とされてきたが、必ずしもそうとは言い切れないものもある。『日本国語大辞典』の元編集長で、辞書一筋37年のことばの達人がことばの結びつきの基本と意外な落とし穴を紹介。
