「小春日和」はいつのことをいうのか?
2010年11月08日
先日、エフエム東京のシナプスという昼の番組で、1日1語ずつことばを取り上げ、その語にまつわる話をする機会があった。その中で、今の季節にふさわしいことばと考えて「小春日和」を紹介したのだが、番組をお聞きになった方や、番組スタッフから、秋のことをいうことばだとは知らなかったという感想を頂戴した。
「小春」という語は、 冬の初めの春に似て温暖な気候のことをいい、 それが転じて陰暦10月(新暦だと11月)の異称となる。『徒然草』には「十月は小春の天気」という一文がある。
「小春(日和)」がいつの季節かわからなくなってしまった人は、山口百恵さんの「秋桜(コスモス)」という歌を思い出すとよいであろう。この歌のサビの部分の歌詞に「小春日和」が出てくるので(歌えないのが残念だが)、コスモスの咲くころだと考えればわかりやすい。
ちなみに、似たような意味の語がアメリカ英語にもある。Indian summer(インディアンサマー)といい、やはり秋の終わりのころの、 季節はずれの暖かな日のことをいうようだ。 ただし、日本語と違ってこの語には人生の晩年の平安な日々のことをいう意味もあるらしい。
「小春」という語は、 冬の初めの春に似て温暖な気候のことをいい、 それが転じて陰暦10月(新暦だと11月)の異称となる。『徒然草』には「十月は小春の天気」という一文がある。
「小春(日和)」がいつの季節かわからなくなってしまった人は、山口百恵さんの「秋桜(コスモス)」という歌を思い出すとよいであろう。この歌のサビの部分の歌詞に「小春日和」が出てくるので(歌えないのが残念だが)、コスモスの咲くころだと考えればわかりやすい。
ちなみに、似たような意味の語がアメリカ英語にもある。Indian summer(インディアンサマー)といい、やはり秋の終わりのころの、 季節はずれの暖かな日のことをいうようだ。 ただし、日本語と違ってこの語には人生の晩年の平安な日々のことをいう意味もあるらしい。
キーワード:



出版社に入りさえすれば、いつかは文芸編集者になれるはず……そんな想いで飛び込んだ会社は、日本屈指の辞書の専門家集団だった──興味深い辞書と日本語話が満載。希少な辞書専門の編集者によるエッセイ。




辞書編集37年の立場から、言葉が生きていることを実証的に解説した『悩ましい国語辞典』の文庫版。五十音順の辞典のつくりで蘊蓄満載のエッセイが楽しめます。
「満面の笑顔」「汚名挽回」「的を得る」……従来誤用とされてきたが、必ずしもそうとは言い切れないものもある。『日本国語大辞典』の元編集長で、辞書一筋37年のことばの達人がことばの結びつきの基本と意外な落とし穴を紹介。
