第34回
「ぐっすり」の語源は何か?
2010年11月22日
「ぐっすり」の語源は英語の「good sleep(グッドスリープ)」の略だという説が、かなり広まっているようだが本当かという質問を受けた。筆者自身は初耳なので驚いたのだが、確かにそのように思っている人がけっこういるらしい。
だが、残念(?)ながら「ぐっすり」は江戸時代からある正真正銘の日本語なのである。『日国』には、「ちゃんと爰(ここ)へ来てグッスリと寝て」という『清書帳』という雑俳の例が引用されている。
『清書帳』の刊行年は享保10(1725)年なので徳川8代将軍吉宗の時代である。その時代に「good sleep」はないであろう。
では、本当の語源は何かと聞かれるとにわかに怪しくなる。昭和初期の辞書『大言海』には、「クヅチ」すなわち「鼾(いびき)」の転だとしているがちょっと信じがたい。結局語源ははっきりしないのである。
ただ、「ぐっすり」には深く眠るさまという意味だけでなく、「其身六十にあまる比(ころ)は、人も知る金持となりしを、ぐっすり息子に譲り」(黄表紙『即席耳学問』)のように「すっかり」「そっくりそのまま」といった意味の例もあるので、なにか「じゅうぶんなさま」を表す語から生じたのかもしれない。確かに「ぐっすり眠る」も浅い眠りではなく熟睡状態をいう語ではある。
だが、残念(?)ながら「ぐっすり」は江戸時代からある正真正銘の日本語なのである。『日国』には、「ちゃんと爰(ここ)へ来てグッスリと寝て」という『清書帳』という雑俳の例が引用されている。
『清書帳』の刊行年は享保10(1725)年なので徳川8代将軍吉宗の時代である。その時代に「good sleep」はないであろう。
では、本当の語源は何かと聞かれるとにわかに怪しくなる。昭和初期の辞書『大言海』には、「クヅチ」すなわち「鼾(いびき)」の転だとしているがちょっと信じがたい。結局語源ははっきりしないのである。
ただ、「ぐっすり」には深く眠るさまという意味だけでなく、「其身六十にあまる比(ころ)は、人も知る金持となりしを、ぐっすり息子に譲り」(黄表紙『即席耳学問』)のように「すっかり」「そっくりそのまま」といった意味の例もあるので、なにか「じゅうぶんなさま」を表す語から生じたのかもしれない。確かに「ぐっすり眠る」も浅い眠りではなく熟睡状態をいう語ではある。
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