日本語、どうでしょう?~知れば楽しくなることばのお話~

辞書編集者を悩ます日本語とはなにか?──『日本国語大辞典』など37年国語辞典ひとすじの辞書編集者がおくる、とっておきのことばのお話。


 今年の新語・流行語大賞は4語受賞という、異例の事態になった。それだけ話題になった語が多かったということなのであろう。個人的には「じぇじぇじぇ」を推していたのだが、本命は「お・も・て・な・し」だろう、などと勝手に予想を立ててみるのも楽しかった。「お・も・て・な・し」も「じぇじぇじぇ」も、予想に違わず受賞した。
 「じぇじぇじぇ」については

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 表題の○の部分に入る漢字は何か?
 クイズではないのだが、平成24年(2012年)度の「国語に関する世論調査」によれば、○の部分に入るのは「達」だと思っている人が、67.1%もいるらしい。
 だが、正しくは「達」ではなく「発」なのである。この調査では「怒り心頭に発する」と答えた人はわずか、23.6%しかいない。しかも、「達する」だと思っている人の方が全世代にわたって数が多いと

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 文化庁が毎年発表している「国語に関する世論調査」には、一定の期間をおいて使用状況の追跡調査を行っていることばがあるようだ。
 平成24(2012)年度の調査にあった「気が置けない」もそんなことばの一つで、平成14年度、平成18年度と、かなり頻繁に調査が行われている。繰り返し調査を行うのは、「気が置けない」は「相手に気配りや遠慮をしなくてよい」が本来の意味であるにもかかわらず、従来なかっ

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第186回
 

 少し前だがNHKテレビの「クローズアップ現代」という番組で、「土下座」を強要する社会風潮について取り上げていた。
 話題となったテレビドラマ「半沢直樹」や、北海道の衣料量販店で起きた客のツイッターへの投稿画像などの話題を受けてのことのようで、たいへん刺激的な内容であった。
 番組の冒頭でも触れられていたように、今でこそ「土下座」は謝罪の行為であるとみなされているが、そのような

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 先ごろ発表された、文化庁の平成24(2012)年度の「国語に関する世論調査」では、表題の新しい擬態語に関する調査結果が話題になった。今回はこれらのことばを国語辞典としてはどう扱っているのか述べてみたい。実はこの文化庁の調査項目にはもうひとつ「ざっくり」もあったのだが、これについては文化庁の調査が発表される前に書いたので

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