2013年08月26日
菊池寛の『父帰る』(1917年発表)という戯曲をご存じだろうか。妻子を捨てて情婦と出奔した父親が、20年後に落ちぶれて帰ってきたために、家族一人ひとりに生じる複雑な心情を描いた作品である。母親と次男は父を迎え入れようとするが、家族の父親代わりでさんざん苦労をしてきた長男は父親を拒絶する。消沈して再び家から去ろうとする父親の独白にこんな一節がある。
「夜になると毎晩家の前で立っ…
「夜になると毎晩家の前で立っ…
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出版社に入りさえすれば、いつかは文芸編集者になれるはず……そんな想いで飛び込んだ会社は、日本屈指の辞書の専門家集団だった──興味深い辞書と日本語話が満載。希少な辞書専門の編集者によるエッセイ。




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