都道府県および京都市凡例
福岡県の凡例
- 福岡県はかつての筑前国15郡・筑後国10郡の全域、南部の2郡(現在の大分県北西部)を除く豊前国6郡からなる。各郡・市・区・町・村の配列は筑前国・筑後国・豊前国の順に進めるのを原則とし、歴史的・地理的関連性をも考慮した。そのため北九州市については、戸畑区・若松区・八幡西区・八幡東区を北九州市(旧筑前域)、小倉北区・小倉南区・門司区を北九州市(旧豊前域)として、筑前国と豊前国に分割して配列した。
- 近世村の項目名とその表記は、原則として筑前国が、「筑前国続風土記拾遺」、筑後国・豊前国が天保郷帳を基準としたが、適宜各種の郷帳類・地誌類などを参考にして近世の実態に近い村名を取上げた。福岡城下・久留米城下・柳川城下・小倉城下の町名項目とその表記は絵図類・地誌類などに、博多・博多津の町名項目とその所属流の表記は「筑前国続風土記拾遺」などに依拠した。町名・村名の読み方は郷帳類・地誌類などを参考にしつつ、現地の慣行を取入れた場合もある。
- 項目とした地名の異記・異訓は本文中に記した。近世の村名と町名の読み方と現行行政地名の読み方(おもに「国土行政区画総覧」に依拠)とが異なる場合は、項目名と[現]表示の双方に振仮名を付した。
- 現行の郡市区名のなかには文中で振仮名を省略したものがある。また振仮名を省略した郡市区名と同表記・同訓の諸地名や著名な自然地名・寺社名などには振仮名を付さなかった。
- 本文中で使用した史料は公刊の各史料集類・各県市町村史(誌)類および個別の刊行物などによったが、文書名称および集合文書名・所蔵先については、統一などのため適宜簡略化したもの、変更を加えたもの、新たに内容に即した名称を付したものなどがある。
- 本文中で使用した史料のうち、古代・中世(天正15年を下限とする)の一紙文書については、読者の検索の便を図るためにスラッシュ(/)以下に活字史料を提示した。なお活字史料の提示は一文書に対して一つとし、原則として平安遺文・鎌倉遺文・南北朝遺文に掲載されている文書は、比較的読者が目にしやすいという点を考慮して最優先して提示した。したがって本県で提示する活字史料は、現在の最善の翻刻をさすわけではない。
- 本文中で使用した史料・文献のうち、略称を用いたものや重要なもの、頻出するものは文献解題で取上げた。また著者・成立年・所蔵先を省略し、文献解題に譲ったものもある。
- 藤原宮跡・平城宮跡・平城京跡・長岡京跡・大宰府史跡および各遺跡の出土木簡には原則として出典を記載した。その際、「藤原宮跡出土木簡概報」は「藤原宮概報」、「平城宮発掘調査出土木簡概報」は「平城宮概報」、「大宰府史跡出土木簡概報」は「大宰府概報」の略称を使用した。
- 現存寺社の名称(表記)・宗派は、「福岡県宗教法人名簿」(福岡県総務部私学学事振興局、平成4年版)によったが、適宜現状に合せた場合もある。