日本語、どうでしょう?~知れば楽しくなることばのお話~

辞書編集者を悩ます日本語とはなにか?──『日本国語大辞典』など37年国語辞典ひとすじの辞書編集者がおくる、とっておきのことばのお話。


 今回もまた問題から。
 以下の文章の━━の部分に入る最も適した語を答えなさい。
 (1)合いの手を━━
 (2)相槌(あいづち)を━━
 答えは、(1)は「入れる」、(2)は「打つ」で、正解は「合いの手を入れる」「相槌を打つ」となる。
 ところが、最近この「合いの手」と「相槌」とを混同して、「合いの手を打

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 「潮時」とは、元来は海の潮が満ちるときや、引くときをいう。
 「ソーラン節」の中に、
 沖の鷗に 潮(しお)どき問えば
 わたしゃ立つ鳥 波に聞け チョイ
と出てくる、あの「潮時」である。
 これが転じて、ものごとを行ったりやめたりするのに適当な時期といった意味になる。
 「話しかける潮時をうかがう」とか、「

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 「憮然(ぶぜん)たる面持ちで席を立つ」という文章を読んだとき、みなさんはどのような情景を思い浮かべるだろうか。
(1)腹を立てて、蹴立てるように席を立つ
(2)がっかりして、呆然(ぼうぜん)とした様子で席を立つ
本来の意味はというと、(2)である。
 ところが、最近は(1)だと思っている人も多く、文化庁が発表した2007

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 すでに700万人もの方が挑戦しているというサイト「方言チャート」をご存じだろうか。東京女子大学の篠崎晃一教授のゼミ生が篠崎教授の指導のもと、各地の方言のデータを集め、チャート形式で出身県を当てるというものである。この「方言チャート」が、最近リニューアルした。700万人分の結果を精査して、的中

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 表題にある「傾げる」は、けっこう難読語かもしれない。「かしげる」である。「かたげる」と読むこともあるが、現在は「かしげる」が一般的だと思われる。
 「傾」は「傾斜」の「傾」だから、ななめにするとか、かたむけるとかいった意味である。
 ではここで1つ問題。人間の体の一部を「かしげる」と、疑問に思う、不審に思うという意味になるのだが、その体の部分はどこかお分かりだろうか。

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