日本語、どうでしょう?~知れば楽しくなることばのお話~

辞書編集者を悩ます日本語とはなにか?──『日本国語大辞典』など37年国語辞典ひとすじの辞書編集者がおくる、とっておきのことばのお話。


 大晦日の夜は、お酒をちびりちびりやりながらテレビ漬けになるのが慣例になっている。昨年もチャンネルをいろいろ変えながらそうしていたところ、お笑いコンビのダウンタウンの2人が、何やら力の抜けたいい雰囲気で会話をしている場面に出くわした(日本テレビ系列「ダウンダウンのガキの使いやあらへんで!!」)。
 会話の内容は正確ではないかもしれないが、以下のようであった。松本さんが、「パンツを洗う機械

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 昨年秋に愛媛県の松山市に行ったときのことである。タクシーに乗って運転手さんと愛媛の地酒の話になった。あいにくその運転手さんは日本酒党ではなかったらしく、あまり会話は弾まなかった。そこで、ふだん何を飲んでいるんですか、と聞いてみたところ、ほとんど焼酎ですという返事が返ってきた。焼酎をお湯で割るのがお好みだったらしい。さらに、「梅干しをはめるとうまいんです」と付け加えた。
 梅干しを「はめ

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 大晦日の紅白歌合戦には魔力があるのだろうか。最近は知っている歌手も少なくなってきたのでもう見るのはやめようと思っていても、その時間になるとついテレビをつけてしまう。
 特に昨年の紅白は、子どもの頃大ファンだった坂本九のヒット曲「上を向いて歩こう」を徳永英明さんが味わい深く歌っていたので、つい聞き入ってしまった。画面に歌詞も出ていたので、一緒に声を出して歌ってしまったくらいである。ところ

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 「破天荒な人生を送る」という文章を読んで違和感を覚えた方はどれくらいいらっしゃるだろうか。
 「破天荒」もまた、本来なかった間違った意味が広まっていることばの一つなのである。平成20年(2008)に文化庁が行った「国語に関する世論調査」で、「彼の人生は破天荒だった」を、「だれも成し得なかったことをすること」という意味で使うか、「豪快で大胆な様子」という意味で使うかという質問に、後者の意

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 このタイトルを見てすぐに海援隊の歌を思い出した方も大勢いらっしゃると思う。その歌は筆者が辞典の世界に飛び込んだ頃に流行っていて、編集部内で『日本国語大辞典』(初版)に項目はあるが用例のない語だということでしばし話題になった記憶がある。その後重点的に用例を探して、『日本国語大辞典 第2版』で窪田空穂、三島由紀夫、竹西寛子の用例が加わった。これらの例はすべて海援隊の歌よりも古い例なので、それほど新し

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