第323回
2016年07月25日
日本を東西に分けてひとくちに「東日本」「西日本」と言うが、その境界がどこかとお考えになったことはあるだろうか。
結論から先に言うと、使われる分野によって異なるため、ここが唯一の境界だと言えるところはない。だからと言うわけではないのだが、小型の辞書では分量の制約があることからそれらすべてのケースを記載できず、どのように解説すべきか悩みも大きい。
たとえば地質学では、その境目は糸魚川―静岡構造線だとしている。糸魚川―静岡構造線は、新潟県の糸魚川市から松本盆地・甲府盆地の西を通って静岡市付近へ達する本州の中央部をほぼ南北に走る大断層である。いわゆるフォッサマグナの西縁をなし、これを境に日本列島の地質構造が異なるのである。
また、気象用語では、
・東日本…関東甲信、北陸、東海
・西日本…近畿、中国、四国、九州北部、九州南部
とし、さらに北海道、東北地方は「北日本」と呼んでいる。
ほかにも、引っ越しのとき、たとえば「東日本」から「西日本」に転居した場合、電気器具のヘルツ表示を確かめるようにと言われた方もいらっしゃるであろう。これは、家庭用の電気は交流と言って電気の流れる方向が1秒間に何十回も変化しているのだが、この流れの変わる回数を周波数と言い「Hz:ヘルツ」で表示される。そしてこの周波数が新潟、群馬、埼玉、山梨、静岡は富士川あたりより東が50ヘルツ、ほかは60ヘルツの電気が送られていて異なるからである。しかもやっかいなことに、一部中部電力のエリアでは混合している地域もある。なぜこのようなことになったのかと言うと、明治期に発電機が輸入された際、東日本では50ヘルツのドイツ製が、西日本では60ヘルツのアメリカ製が広まったため、今でもその流れをくんでいるからである。
以上のようなわけで、国語辞典では最大公約数的な意味を記述しようとするあまり、「東日本」を中部地方以東、「西日本」を中部地方以西としているものが多くなっている。これでは、物事をはっきりさせなければ気が済まないという方は、中部地方はいったいどちら側なのか突っ込みを入れたくなるかもしれない。別に中部地方のせいではないのだが、中部地方のどこで分けるかによって微妙に食い違いが生じてしまうということをご理解いただきたいのである。
結論から先に言うと、使われる分野によって異なるため、ここが唯一の境界だと言えるところはない。だからと言うわけではないのだが、小型の辞書では分量の制約があることからそれらすべてのケースを記載できず、どのように解説すべきか悩みも大きい。
たとえば地質学では、その境目は糸魚川―静岡構造線だとしている。糸魚川―静岡構造線は、新潟県の糸魚川市から松本盆地・甲府盆地の西を通って静岡市付近へ達する本州の中央部をほぼ南北に走る大断層である。いわゆるフォッサマグナの西縁をなし、これを境に日本列島の地質構造が異なるのである。
また、気象用語では、
・東日本…関東甲信、北陸、東海
・西日本…近畿、中国、四国、九州北部、九州南部
とし、さらに北海道、東北地方は「北日本」と呼んでいる。
ほかにも、引っ越しのとき、たとえば「東日本」から「西日本」に転居した場合、電気器具のヘルツ表示を確かめるようにと言われた方もいらっしゃるであろう。これは、家庭用の電気は交流と言って電気の流れる方向が1秒間に何十回も変化しているのだが、この流れの変わる回数を周波数と言い「Hz:ヘルツ」で表示される。そしてこの周波数が新潟、群馬、埼玉、山梨、静岡は富士川あたりより東が50ヘルツ、ほかは60ヘルツの電気が送られていて異なるからである。しかもやっかいなことに、一部中部電力のエリアでは混合している地域もある。なぜこのようなことになったのかと言うと、明治期に発電機が輸入された際、東日本では50ヘルツのドイツ製が、西日本では60ヘルツのアメリカ製が広まったため、今でもその流れをくんでいるからである。
以上のようなわけで、国語辞典では最大公約数的な意味を記述しようとするあまり、「東日本」を中部地方以東、「西日本」を中部地方以西としているものが多くなっている。これでは、物事をはっきりさせなければ気が済まないという方は、中部地方はいったいどちら側なのか突っ込みを入れたくなるかもしれない。別に中部地方のせいではないのだが、中部地方のどこで分けるかによって微妙に食い違いが生じてしまうということをご理解いただきたいのである。
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