日本語、どうでしょう?~知れば楽しくなることばのお話~

辞書編集者を悩ます日本語とはなにか?──『日本国語大辞典』など37年国語辞典ひとすじの辞書編集者がおくる、とっておきのことばのお話。


 「辞書引き学習」をご存じだろうか。
 今、小学生の間で静かに広まっている辞書を使った新しい学習法である。「辞書引き学習」は知らなくても、付せんをたくさん貼って、葉の開いた白菜のようになった辞典をご覧になった方は大勢いらっしゃると思う。あれこそが、「辞書引き学習」の成果なのである。
 「辞書引き学習」は中京大学の深谷圭助准教授が、今から10数年前に愛知県内の小学校の教員だったと

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 高熱のためにうわごとを言うような状態になることを、「熱に浮かされる」というのだが、このことばにはもうひとつ、一つのことに熱中して前後を忘れる、ほかを忘れて夢中になるという意味もある。
 ところが最近、後者の意味のとき「熱にうなされる」という言い方をする人が増えているという話を聞いた。
 実際、文化庁が発表した平成18(2006)年度の「国語に関する世論調査」では、「熱に浮か

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 読者の方から、「鎮」を「しん」と読む名前の人がいるのだが、手もとの漢和辞典を調べてもそのような読みは載っていない、そのようなことがあるのか、という質問を受けた。
 確かに漢字辞典を引くと「鎮」には、「チン」「テン」という音と、「しず・める」「しず・まる」という訓しか出ていない。
 ではこの「しん」は何なのかというと、日本ではこのような漢字本来の読みとは異なる読み方を、人の名乗

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 朝日新聞の販売店が月1回折り込みで配布している地域情報紙(販売店のホームページにも掲載)に、千葉県館山支局長の清水弟さんという方が「美しい日本語」というコラムを連載している。面識はないのだが、タイトルに惹かれて毎回楽しみに読ませていただいている。
 昨年の12月には「矢先」ということばを取り上げ、「誤用がはびこっている」という指摘をなさっていた。「矢先」の本来の意味は「事が始まろうとす

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 九州霧島火山群の新燃岳(しんもえだけ)の噴火が続いている。避難生活を強いられていたり降灰の被害に遭ったりしている地元住民の方には、お気の毒としかいいようがない。一日も早い終息をお祈りしている。
 新燃岳は霧島山中でも最も活動の激しい火山のひとつで、最近の100年間でも昭和9(1934)年、昭和34(1959)年と爆発を繰り返し、近隣の山林や耕地に多くの被害をもたらしている。

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