目からウロコ!数え方のナゾ ~ 『数え方の辞典』収録のコラムより ~
第5回
数える物がなくなると、数え方もなくなる?
「行李(こうり)ひと梱(こり)」「香炉1合(ごう)」「蚊帳(かや)ひと張(は)り」「石灯籠(いしどうろう)1基(き)」「菅笠(すげがさ)1蓋(がい)」「箪笥(たんす)ひと棹(さお)」…日本語には物に応じて、実に多様な数え方があります。
しかし、時代と共にこのような物を日常生活で使うことが少なくなり、実生活でこれらの物を数える機会はますます減っています。例えば、スーツケースを行李と同じ「ひと梱」で数えることもありません。数える機会がなくなると、その数え方も忘れられてしまうことは避けられません。
日常生活から姿を消す物がある一方、新しい物もどんどん生まれ、それらを数える必要が出てきます。ところが、新しいものが登場しても、それに応じた新しい数え方が生まれることはほとんどありません。例えば、電卓、ワープロ、パソコン、ポケベル、携帯電話…これらはすべて「1台」で済んでしまいます。
物の移り変わりが激しい現代では、次に何が登場しても対応できる、万能で包括的な数え方が好まれる傾向にあります。残念ながらかつての“豊かな”数え方は失われつつあります。
記事一覧
- 第1回 なぜイカやカニは「1杯(ぱい)」と数える?
- 第2回 ウサギは鳥の一種?名前と数え方の由来の謎(なぞ)
- 第3回 缶ジュースとアスパラガスの缶詰の数え方の違い
- 第4回 人魚は「1人」?それとも「1匹」?
- 第5回 数える物がなくなると、数え方もなくなる?
- 第6回 捕っても豊富!魚の数え方
- 第7回 助数詞「台」の意味は自動車の出現で大きく変化
- 第8回 樋口一葉(ひぐちいちよう)のお札は「1葉」「2葉」?
- 第9回 「1かん」は歴史の浅い数え方
- 第10回 チョウの数え方
- 第11回 手の動きで測る調味料の使用量の目安
- 第12回 「匹」と「頭」の意外なルーツ
- 第13回 「10羽」は「じっぱ」が正しい?
- 第14回 ペアになるものを数える助数詞
- 第15回 「仏の顔も三回」と言える?
- 第16回 商品の見栄えを良くする数え方
- 第17回 景気付けの「ラーメン1丁!」
- 第18回 数え方で分かるロボットの身近さ
特別編一覧
- 特別編1 動かないものを数える「基」ー「ベンチ」から「人工衛星」までー
- 特別編2 思わず食べたくなる「玉」
- 特別編3 携帯電話も「1台」から「1個」へ
- 特別編4 「腹」をくくって数える魚の卵
- 特別編5 数え方を知って、正しく薬を服用しよう
- 特別編6 「1コ」でもっと軽くなる
- 特別編7 カンチューハイ「二本」分のドラマ
- 特別編8 「ちょっと1杯」はどれくらい?
- 特別編9 見上げてごらん、空の数え方
- 特別編10 「か国語」はもう古い? 言語の数え方
- 特別編11 「三大○○」に見る、3という数の力
- 特別編12 「匹」と「頭」の意外なルーツ
- 特別編13 “数え方のデパート”大相撲
- 特別編14 携帯の普及で分化、メールの数え方
- 特別編15 偶数と切っても切れない豆腐の数え方
- 特別編16 一貫しない鮨の数え方の由来