目からウロコ!数え方のナゾ ~ 『数え方の辞典』収録のコラムより ~

第8回

樋口一葉(ひぐちいちよう)のお札は「1葉」「2葉」?

樋口一葉が紙幣に登場すると、「お札1葉(いちよう)」と数えるようになるかもしれない、という川柳が新聞に出ていました。なかなかしゃれた発想ですね。

助数詞「葉(よう)」は、あまり日常的には使いませんが、「絵葉書1葉」「写真1葉」「しおり1葉」のように、平面的な物を数えます。もともとは木の葉を数え、手のひらに乗せられる程度の大きさのものを数えました。一見、「枚」と同じように使われているかのように見えますが、「枚」が「畳1枚」「ベニヤ板2枚」「新聞紙3枚」のように、平面的であればありとあらゆるサイズのものを数えることができるのに対し、「葉」は木の葉のように小さなものだけを数えます。また、「葉」で数えられるものは、手にとって眺めていたいような、本人にとって思い入れのあるもの、ノスタルジックな感情をそそられるものであることが多いようです。例えば、「1葉の写真」は、「1枚の写真」と言うよりも、昔を思い出させるような大切なスナップであることを意味したり、「葉書1葉」と言えば、「葉書1枚」よりもずっと価値のある、大切な人などからの便りを示唆(しさ)します。

もし、樋口一葉の紙幣に特別な思い入れがあったり、大切な人から頂いた貴重な紙幣であれば「お札1葉」と数えられなくもありません。しかし、一般的に流通する紙幣は、依然「枚」のまま数えることでしょう。

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