チョウは昆虫の一種ですが、クイズ番組などで出された際の“正しい”数え方は「1頭、2頭、3頭…」とされています。なぜ昆虫のチョウを大形の動物を数える「頭」で数えるのでしょうか。その謎(なぞ)を解くヒントは意外にも英語にあります。

元来、英語では牛などの家畜を"head"で数え、例えば5頭の牛を"five head of cattle"といいました。日本語にも「頭数(あたまかず)を数える」といって、人数を「頭」で把握することがありますが、"head"もこれと同じ発想です。この用法は、動物園で飼育されている動物を数える際にも使われ始めました。西洋の動物園で、しばしば珍しいチョウを飼育・展示していますが、動物園で飼育している生物全体の個体数を、種類に関係なく"head"で数えるようになったのだそうです。そのうち、昆虫学者達が論文などでも研究対象であるチョウの個体を"head"で数えるようになり、それを20世紀初頭に日本語に直訳(誤訳)したものが現代の日本語に定着した、という説が有力です。

しかし、この他にも、標本としてのチョウには頭部が切断されていないことが重要視されることから「頭」で数えるとする説や、昆虫採集はもともと狩猟の一種として考えられていたために、獲物は動物と同じ数え方をするのではないか、といった説があります。

いずれにしても、慣用的・専門的にチョウを数える以外は、昆虫の一種として「匹」で数えるのが一般的です。

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